メランコリア

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心理学概論 第15回「心理学の過去と短い歴史」@放送大学導入科目

2018-05-24 13:20:19 | テレビ・動画配信
主任講師(担当講師):客員准教授 星薫
教授:森津太子

たまった予録を見て行きます いつ録画したんだ?ってくらい前のもの
今回が最終回らしい


こころの時代~宗教・人生~「心はいかにして生まれるのか 脳科学と仏教の共鳴」


【内容抜粋メモ】

心理学の歴史は、130年ほど 明治政府が出来た頃で短いが過去は長い

H.エビングハウス(ドイツの心理学者)
「心理学の過去は長く、その歴史は短い」



エビングハウスは「記憶」を初めて研究した


心理学の過去について
苦しむ人を助けたいと、呪術などが役割を担っていた
それが、医学、宗教、心理学などの学問になっていった
心理学は19Cから育っていった

今回は18、19Cあたりについて話す


直接の先祖



「大衆心理学」
現在は心理学とは呼べないが、近いことをやっていた、疑似科学的なもの
骨相学、観相学、催眠術、交霊術など

「骨相学」
ガルという解剖学者が最初に言い出した



人は脳の異なる知的機能などに対応して行動し
それぞれ違うスピードで成長すると説いた

結果、頭蓋骨に凸凹ができる それを計測することで、それぞれの性格、能力が測れる
例:耳のあたりにコブがある人には盗癖がある など

アメリカに伝わり、ファウラーという兄弟が大きく発展させて、診療所をつくり広めた
頭の形を測ることで大儲けした
新しい人を雇う時、婿を決める時も頭を計測したりして19Cに流行った

「観相学」



顔の特徴で性格、知性を知ろうと考えた ラヴァターが始め、ファウラー兄弟も使っていた
目、鼻、額などにとくに性格が表れる

(こんな本読んで、なるほどと思ったことがあるな

<ダーウィンは「観相学」の被害者>
調査船のヴィーグル号に乗り、その後「進化論」を唱えた
船に乗る際、面接を受け、船長が「観相学」の信奉者で、
ダーウィンを見て、鼻の形はなまけ者で、決断力に欠けると考えて、船に乗せるのをやめようとした
結果的には乗せて、「進化論」により「観相学」が誤りと証明された
犯人の特定、民族のステレオタイプなどでもよくない働きをしたが、いろいろな所で使われていた

「メスメリズム」



催眠術の先駆 メスメルという医師が始めた
患者の治療で、磁石を患部に近づけると悪い部分が安らぐ
その後、磁石なしで手をかざすだけで同じ効果が得られると分かり、動物磁気と呼んだ

(手をかざすって今でもあるよね 友だちは歯医者で金属アレルギーと言われたとか
 催眠術って眠らせるやつじゃないのか?

他の医師の怒りを買い、ルイ16世にインチキだと証明してもらおうと嘆願した
その時、派遣されていたフランクリンが調査委員会の長として調査した
磁力の効果はないと発表したが大衆の中でウケた

アメリカにも伝わり、抑うつ、恐怖症、自己改善に役立つと言われた
今の催眠術のもとになった 「暗示」の効果であろうと考えられている

(今でもあるのか たまに洋画や海外ドラマに出てくるし


心の哲学
思想的な先駆として対極した2つの考え方がある その後の心理学の基本的な部分を形成する



「イギリス経験論哲学」
ジョン・ロックが「タブラ・ラサ」という考え方を発表

「タブラ・ラサ」
ヒトは生まれた時は白紙の状態で、経験を加えることでいろいろ知るようになる

J.S.ミル(『論理学体系』という有名な本を書いた)
化学→物質を要素に分析することで性質が分かるように、ヒトの心も分けられるのはと考えた
心の要素を分析することが心理学だと言い、ヴント(ドイツに広めた)、ティチナーらに影響を与えた


「スコットランド写実主義」(リアリズム)
トマス・リード(司祭)が代表者
要素に分けることなど出来ない 「五感」が重要だと考えた
アメリカに上陸し、こちらのほうが影響をもった


生理学と精神物理学

「神経生理学の台頭」
19Cは大脳などの研究が大躍進した時代
心理学が科学として進化する

ヨハネス・ミューラー(生理学者)



「特殊神経エネルギー説」
目には光が届いて見ることができるが、音波を目に与えても見えないと同様に
ある感覚には、ある特定の情報しか届かないのが生物の特徴と考えた

中枢神経では役割分担がキチンと決まっていて
大脳の機能は、部分的に役割を持っていると分かってきた

ポール・ブローカ(フランス外科医)



「ブローカ中枢」
左の前頭葉は発話に関わる分野があると発見した その後常識化していく

「ウェルニッケ中枢」ウェルニッケ(外科医)が発見

「ベル=マジェンディの法則」



ベルとマジェンディの2人で発見した
動物の神経は感覚から脳に伝わるものと、脳から筋肉へ伝えるものの2つあるという説

脊髄の中に神経の束があり、背中側に「求心性神経」、お腹側に「遠心性神経」があると発見した
今は常識の一部になっている

ヘルムホルツ(ドイツの生理学者・物理学者 心理学の父・ヴントの助手を務めた)



「神経伝達速度」
カエルの足を使い(涙)、神経を電気で刺激し、動くまでの時間を測定した
秒速27m 非常に速く神経伝達が行われると発見した


「精神物理学」(現在の心理学に近い



ウェーバー(生理学者)が師匠、フェヒナーが弟子
1840年代、ヒトが重さの違いを識別できる限界はどこかを調べた

40gと41gの違いを感じることができると分かった
だが、単純に1gではなく80gと82gでは誤差が出た

軽いものはちょっとしたモノでも感じられ、重いモノでは幅が出る 物理的と違う感覚がある
味覚、聴覚なども調べた 最初の刺激によって違う

フェヒナーは物理的刺激と心理的刺激は特定なものでつながっていて
比較する方法が分かれば、対応できるだろうと考えた
それは今日でも使われている


心理学の誕生



ヴントはいろいろなところで学び、心理学実験室を初めてつくり、弟子がたくさん学び、世界に広まった
日本人も何人か学んだ

『生理心理学序説』という本を書き、科学の新しい領域を発見したと言った
心理学を誕生させた人物として有名


アメリカでは、ウィリアム・ジェームズが提唱した
(やっとここでフロイト、ユングが出てくるのか



「スコットランド写実主義」(リアリズム)を基に研究していた

「機能主義心理学」
ジェームズとホールが広めた
心をモノのように分析するのではなく、どう働くのか、何のためにあるのかを考えた

『心理学原理』という本を書いた
それを簡単に翻訳した『心理学』は日本でも読める 今日も大きな影響がある

スタンレー・ホール
活動的な人で、アメリカの心理学を大きく広めた
『アメリカン・サイコロジー』という雑誌を創設 今でもある
『アメリカ心理学界(APA)』を組織し、初代会長


「子ども研究」
子どもの教育を国家的プログラムとして立ち上げたが
あまり十分な成果はあげられなかった

ホールは「青年心理学」というこれまでにない考え方を生んだ 「教育心理学」の基礎もつくった
フロイトをアメリカに招いて紹介したのもホール

ティチナー(アメリカの心理学者)



アメリカで「構成主義心理学」を広める
ヒトの心はモノのように分析できると説いたが、後に消えていった

「ゲシュタルト心理学」(ドイツ)
代表的なのはウェルトハイマー



ヒトの心は全体でまとまりであると強調
音楽は1つ1つの音符でできているが、分解してしまうと曲ではなくなるのと同じ

心理学者は、心理学を科学として成立させたいとずっと考えてきた
科学だと「分析する欲求」に屈してしまう 例:「構成主義心理学」




アメリカでは「行動主義心理学」が一時期席巻する
心は刺激と反応という要素に分解して考える ワトソンが主導

ワトソンは農場に生まれ、動物への関心から行動を科学するのが心理学と考えた
1930年代~40年代の主流になる

スキナーはワトソンの考えをさらに進め「応用行動分析」などに発展
人の行動は、どういう結果がともなうかにより増えたり減ったりすると考えた
オペラント行動、レスポンデント行動で分析した


第二次世界大戦後、60~70年代に新しく「認知心理学」が生まれる



ピアジェ(スイスの心理学者)は「認知発達」の研究を1930年代から続けていた
アメリカでは「行動主義」全盛の時代にも続けていた「発達研究」のパイオニア

1970年代 「言語」とはなにかと考え、「行動主義」では十分説明できない
「コンピュータ科学」が進み、コンピュータが入力情報を処理して出力するように
脳も同様に、情報を処理して出力していると捉えた 「認知科学」が力を得て今日に至る

脳の研究が進み、「遺伝子解析」も心理学に影響し、20C新たに発展していった


















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