メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ビッグバン&ブラックホール 2大テーマから宇宙の謎にせまる』

2013-08-27 16:19:56 | 
『子供の科学★サイエンスブックス ビッグバン&ブラックホール 2大テーマから宇宙の謎にせまる』(誠文堂新光社)
沼澤茂美、脇屋奈々代/著

先日読んだ『宇宙の旅 太陽系・銀河系をゆく』と同じ子供の科学シリーズ。
面白かったあ! 単位がいちいち大きすぎて笑えるw
親宇宙、子宇宙、孫宇宙とか、これまで考えたこともない概念も初めて知って、
じゃあ、その親宇宙がある空間ってどんな場所なんだろう?って、
想像しただけで巨大すぎて脳がマヒしそう

クリアな天体写真、大迫力のイラストが大型本いっぱいに広がって、文章だけでは分からない巨大な宇宙、
ミクロな素粒子の世界も、なんとなくイメージできるようになっている。
とはいえ、やっぱり難しい! 全然理解できないなりに、全体をぼんやりと把握できる感じ。

沼澤茂美さんは、ハリウッド映画のイメージポスターも手がけるなど幅広く活躍している。


【内容抜粋メモ】

銀河系の中心方向には約2000億個の星が集まっている。
時空は光が真空中で常に秒速30万kmで伝わるという仕組みを持った世界。

************************************天動説、地動説

●天動説
紀元前4世紀。アリストテレスは、世界の中心に地球があると言った。
2世紀プトレマイオスによって改良された。
キリスト教とも一致したため、1000年間も守られた。

●大航海時代
航海術の発展とともに、実際の観測結果と天動説が合わなくなった。
ルネッサンス時代になり、1543年、コペルニクスは「地動説」を唱えた。
1600年。ガリレオ・ガリレイは、天体の観察で見出し、
ヨハネス・ケプラーは、惑星の動きの法則を発表。
ニュートンの万有引力の法則によって記された。

●光年
宇宙で最も速い速度の光が1年かかって到達する距離を1光年と定めた。
地球に最も近いのは「ケンタウルス座のα星」で、4.4光年。

●年周視差
左右の見え方の違い「視差」を利用して、星での距離を計算する
ある時期に目的の星を測定し、地球が軌道を半周した頃に再び星までの距離を求める。
実際測定されたのは1838年。
年周視差で測定された最も遠い星は1万7250光年。


************************************銀河系


●銀河系の発見
1609年。ガリレオ・ガリレイは望遠鏡で観測して天の川が星の集まりだと発見した。
アメリカの天文学者シャプレーは球状星団を調べ、銀河系は円盤状の形をしていると導き出した。


銀河系は約2000億~4000億の星、水素ガス、宇宙塵、惑星、ダークマターなどでできている。
銀河系は「棒渦巻銀河」と考えられる。
「ハロー」は三重構造。


アンドロメダ大星雲は、アンドロメダ大銀河と呼ばれるようになった。

1900年。写真観測の技術が発達。
アメリカのエドウィン・ハッブルが口径1mの望遠鏡を使って、アンドロメダ大星雲を撮影した。

「渦巻銀河」「棒渦巻銀河」「レンズ状銀河」「楕円銀河」「不規則銀河」に分類している。

銀河は宇宙に数千億個あるのではと言われている。
数個から数万個集まって集団をつくっている。
3~50個「銀河群」、50個以上「銀河団」と呼ぶ。


************************************ビッグバン

●ハッブルの法則
銀河はどんどん遠ざかり、遠い銀河ほど速く遠ざかることが分かった。
ハッブルは「宇宙全体が膨張しているため」と考えた。
昔の宇宙は今より小さく、点のような大きさではと考えられている。

●スペクトル撮影
遠く離れた天体がどんな物質でできているか知ることができる。


「ドップラー効果」により、波長の長いほうにずれている。
波長が長いと「赤外線」になり、もっと長いと「電波」になる。

●アインシュタインの「相対性理論」
1922年。フリードマンはこの方程式で宇宙の膨張を導いた。
1948年。宇宙論を大きく発展させたのはジョージ・ガモフ。

●宇宙背景放射、3K宇宙背景放射
もし宇宙が高温高圧の1点から爆発的に膨張して誕生したなら、時間とともに冷える。
その時発生した光が地球に届いているはず。
1965年。アメリカで観測された怪電波がそれに違いないと考えられた。

ベル研究所のホーンアンテナ

●ビッグバン宇宙論
ジョージ・ガモフは、宇宙は「火の玉」から誕生し、膨張して今の姿になったと主張した。
火の玉の中では、水素、重水素、ヘリウム、リチウムだけしか作られない。
リチウムより重い炭素、窒素、酸素などは核融合反応によって星内部で作られた。


その後、温度が下がり「素粒子」を作っていった。
身の回りの物体は、原子や分子で作られている。

●原始銀河
最新の望遠鏡で観測できる最も遠い銀河は130億光年はなれている。
いくつもの銀河が衝突、合体を繰り返し、大きな銀河に成長し、グループを作った。
現在推測される全宇宙の銀河の数は約1兆個。

●ビッグバンの問題点
密度が無限大になる部分を「特異点」という。
特異点とはどんな状況か、ビッグバンの始まりの状態と、なぜビッグバンが起きたかにはまだ答えが見つからない。


宇宙は驚くほどどこも同じ密度で、ビッグバン理論では、この一様性を説明できない。
宇宙は平面でなければならない。

●モノポール
一方だけの極しかもたない物質が宇宙の初期に大量にあったと考えられるがまだ見つかっていない。

●インフレーション理論
ビッグバンの問題点の解決策として、1980年、考え出された。
ある大きさで突然誕生し、一瞬の間に目に見えないほど宇宙規模まで広がった。
ビッグバンがおきる前、無から突然ぽろりと出現した(ぽろりっていいね!爆
「プランクサイズ」と呼ばれる量子力学上の最小の大きさ。


「多宇宙」

宇宙は無数に誕生した可能性を示す(
元の宇宙を「親宇宙」、その一部がインフレーションで膨張した時空を「子宇宙」、そのまた「孫宇宙」(可愛い
「ワームホール」によってつながっていると考えられる。


今観測できる範囲が、宇宙全体から見ると非常に小さい範囲なら、宇宙空間が湾曲していても平坦に見えても仕方ない。

宇宙の果ては?
遠くを見れば過去が見れる。宇宙の地平線までは約465億光年と計算されている。


************************************アインシュタインの世界

1905年「特殊相対性理論」、1916年「一般相対性理論」を発表。
このおかげで、宇宙の仕組みや生い立ちを考えられるようになった。

光速はつねに秒速30万km
運動する物体では、時間が遅れ、空間の長さが縮む。

「うらしま効果」双子のパラドックス
高速で宇宙旅行をした双子の兄が帰ると、地球上の弟はもっと歳をとっている。
けれども、離れたのが弟のほうだと見ると、逆も考えられる。
答えは、どちらが運動したかによる。

●物質とエネルギーは同じ
エネルギーを加えれば質量は変化し、その逆も可能。「E=mc2」
この理論は「原子爆弾」として実現化された。
今では「加速器」で様々な物質が作り出されている。
時間、空間、物質はお互いに絡み合った存在。

●核のエネルギーを取り出す方法
1.原子核分裂反応
2.原子核融合反応
3.対消滅(究極のエネルギーと言われる

●等価原理
アインシュタインは、「重力」と「加速度」の正体は同じだと気づいた。

●ゆがむ空間と重力
宇宙ステーションに住むヒトは、車輪の外側に向かって押し付けられ、地球と同じ1Gの重力で生活できる。
「時空のゆがみ」こそ重力の正体。
1919年。アーサー・エディントンは日食の時の観測でアインシュタインの予想を確かめた。

●重力レンズ
 
重力によって時空が歪み、レンズを通した光のように背後の天体が2つ、湾曲、リング状に見えたりする。
1979年。まったく同じ性質の2つの「クエーサー」が発見され、重力レンズによる虚像と分かった。
「アインシュタイン・リング」(アインシュタインが予言したドーナツ型のもの
重力レンズは、自然の望遠鏡になる。

暗黒物質、ダークマター
銀河団の中に目に見えない物質が存在している。

量子力学
とても小さな世界、原子や素粒子といったミクロの世界を明らかにする道具。
「量子」=エネルギーの最小単位がある一定量の有限の大きさを持つ。
光には波と粒子という2つの性質がある+量子。これをもとにして多くの物理学者によって構築され、
薬の開発、バイオテクノロジー、コンピューターなど、多くのものが生まれた。

ところが、「量子力学」と「相対性理論」は一緒に使おうとすると互いに矛盾して両立しないことが分かった。

究極の理論
4つの力=「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」
「電弱統一理論」「大統一理論」は完成している。

●「超ひも理論」「膜理論」
「超ひも理論」は、ひも理論に「超対象性理論」を融合させた改良版。
これにより4つの力の統一の可能性が増した。


************************************いろんな宇宙

●ブレーンユニバース
宇宙は巨大なブレーン(膜)のようなものに乗っているかもしれない。
ブレーンユニバースは、もっと高次元の世界に浮かんでいるのでは?

●「ブレーンワールド理論」
私たちの3次元の宇宙は、10次元、11次元の空間に浮かぶ平ら、あるいはヒダのような形のブレーン(膜)かもしれないという考え。
重力だけがブレーン(膜)の間を行き来できるという。
重力を電波のように通信に使えれば、ほかの宇宙と交信も可能(壮大すぎてよう分からん!

●並行宇宙

私たちの宇宙とはまったく異なる進化をとげた宇宙、物理法則が異なる宇宙が存在するかもしれない。

●パラレルワールド

無限に枝分かれした世界。「多世界解釈」
異なる因果関係をもつ世界が、因果関係の数だけ無数に存在するかもしれない。

●タイムマシン
1969年日本で放送開始した「スタートレック」では「ワープ航法」が取り入れられた。
1974年「宇宙戦艦ヤマト」では、光より速い速度を持つ物質タキオンが取り入れられた。
1988年。「トップをねらえ」には、超統一理論がエーテル理論として登場。
1895年。H.G.ウェルズが書いたSF小説は、1960、2002年に映画「タイム・マシン」になって公開された。


************************************ブラックホールの謎

星が一生を終える時、小さくてとても密度の高い星になる。
1960年頃。ブラックホールという考えが登場した。
私たちの体重は地球の1Gの値。月では1/6、太陽では28倍になる。重い星ほど大きくなる。

●「脱出速度」
地球の重力を振り切って宇宙に飛び出すための力。地球の場合は秒速約11.2km。
太陽系から飛び出すには、太陽の脱出速度を越えなければならず、秒速16.7kmになる。
脱出速度は秒速30万kmを越えてしまう。
近づいたら光さえ吸い込むため、黒い穴のように見える。



内側に入ると何物も戻ることができない境界を「事象の地平線」と呼ぶ。

●星の一生

星は、生まれた時の質量によってその寿命が決まる。
惑星状星雲を作り、中心には星の芯「白色矮星」が残るが、それもやがて光を失い死ぬ。

星の誕生
→軽い星なら褐色矮星に
→太陽程度の星なら惑星状星雲→白色矮星
→重い星なら超新星爆発→超新星残骸(芯には中性子星が残る)
           →ブラックホール

●太陽程度の星の最期
中心部の燃料の水素が無くなると→ヘリウムの燃えカスだけになり、自分の重さで中心部に向かってつぶれていき、温度が上がる。
やがて「赤色巨星」→「惑星状星雲」となる。

惑星が回っていると、その引力で奇妙な形の惑星状星雲となる。
典型的な白色矮星の大きさは地球程度。

 
リング星雲、キャッツアイ星雲

●重い星の最期
太陽の7倍以上の重い星は、中心部にたまった炭素が0.1秒ですべて燃えてしまう。「核反応の暴走」後には何も残らない。
鉄は核融合を起こさない。星は自身の重さを支えられず、急激に中心に向かって落ち込む。「爆縮」中心には「中性子星」ができる。
→「超新星爆発」へ。

自然界には92種類の元素が存在する。

1987年。大マゼラン銀河に出現した超新星。
その際放出された「ニュートリノ」という物質が日本の観測装置で検出されて話題となった。


かに星雲のパルサー

●中性子星
巨大な原子核のような天体。直径は20km。角砂糖1個分の重さが5億t
1立方cmは、だいたい角砂糖1個ほどの大きさ。
光や電波のパルスが観測されるため、チカチカと瞬いて見える星を「パルサー」と呼ぶ。

●はくちょう座X-1
1970年。X線観測衛星ウフルによって発見された。強いX線がブラックホールに吸い込まれている。
ブラックホール近くでは1000万度にも達する。

●ブラックホールのジェット

ブラックホールが他の星と連星系を作っていたら、巨大な重力で相手の星の物質を引きこむ。
周囲を渦巻きながら徐々におちてゆく。「降着円盤」
飲みきれなかった物質はジェットとして噴出される。

●ブラックホールに吸い込まれたら

ブラックホールには2種類ある。
1.シュバルツシルドが導き出した初めてのブラックホールで、回転していない。
2.1963年。カーが発見した回転するブラックホール。うまくリングの中心を通り抜けたらブラックホールを脱出できるという。
すると、時空に歪みが生じ、ヒトや宇宙船は大きく引き伸ばされ、時間も遅くなり、止まったように見える(こないだの鷹の爪のプラネでやってた!

●超巨大ブラックホール
銀河の中には、大変強いエネルギーを出すものがある。

 
子持ち銀河の中心核ブラックホール

●銀河系中心にもブラックホールが存在する
最近のハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー赤外線観測衛星などで分かり始めた。
銀河系の中心には「いて座A*」がある。
中心には太陽の約300万倍の重さの超巨大ブラックホールがあることがわかった。

●中心核ブラックホール
ほとんどすべての銀河の中心には超巨大ブラックホールがあり、大きな銀河ほど中心核ブラックホールも大きい。

銀河がほかの銀河とすれちがったり、銀河同士が衝突すると、
たくさんの物質が流れ込み、強いエネルギーを出す。このような銀河中心核を「活動銀河中心核」という。
「活動銀河中心核」には「セイファート銀河」「電波銀河」「ブレーザー」「クエーサー」などがある。

●クエーサー
超巨大ブラックホールは「クエーサーの出すエネルギーを作り出しているのは何か?」という問いの答えとして考え出された。
1981年。3C273というクエーサーが渦巻銀河の中心核だと発見された。

●ブラックホールの時代
時とともに銀河にはブラックホールが増えてゆく。
やがてすべての星が燃え尽き、宇宙から物質が消滅し、ブラックホールしかなくなる。


宇宙の眼みたい!ちょっと怖い。。

「ダークマター」「ダークエネルギー」

宇宙は約50億年前から膨張の速度を増していると分かった。
WMAP衛星という宇宙背景放射を詳しく測定できる衛星の活躍で、宇宙のエネルギー量が分かった。
その結果、目に見える物質の割合はわずか4%(銀河や星など)、ほかの23%は目に見えない「ダークマター(暗黒物質)」
「ダークエネルギー(暗黒エネルギー)」の存在が分かり、宇宙の膨張を加速している張本人ではないかと考えられている。



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