◆下手なりの価値が◆ ３７０８

『翁さん、どこですか？、２階のお掃除ですか？、弘子です。お買い物をしてきましたよ、ホホホホ。こんにちわ、暑いのによくやりますね。一応戴いたメモのお買い物は１８３０円でした。鰻は奥さまと翁さんに私からのご褒美です。・・・・一寸これ、先日描かれていた妙義山ですね？、雰囲気が出てますよ。あのこの絵は翁流でしょうか？、筆ではないですね、ナイフで描き込む？、面白いですね』

『やあ、弘子さん、ありがとうございます。助かるわ。暑いが夕飯はシチュウにしようと思って、ハハハハ。２階は使っていないから、風を入れないと、ついでに掃除をね。絵？､一応仕上げたが全くの自己流だわ。筆で絵の具をキャンパスに落としながら、ナイフで描き殴りだが、混色が分からないから色が濁って透明感はない、誤魔化しだよ。取りあえずは勘を取り戻し、暑いが次はどこか現地でスケッチを、ハハハハ』

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『プロの画家も描き方にも特徴があり、誰の作品かは見て分かるそうですね。素人感覚ではピカソの絵はどこが凄いのか分かりませんが、ホホホホ。翁さんの作品が世に出て号１０万円になるかもですよ。・・・・そうだ、百合さんから聞きましたが、奧さんが手術をされたそうで大変でしたね。今日は病院ですよね？、今度お迎えを私たちで行きますよ。・・・・先日妙義山に登った記念に、この絵が欲しいですね』

『片方の絵は山梨の昇仙峡、８年ほど前に婆さんと出かけた際のスナップだわ、ハハハハ。俺の趣味は何をやっても中途半端、まあ自分なりに楽しんだのは、登山にスキー、囲碁にゴルフかな。全てがオンリー・ワンだけれども。・・・・ええ、妙義山の絵が欲しい？、他ならぬ弘子さんだが、作者を言わなければだが。持って行ってもいいが、こんな絵を飾ると、弘子さんが恥をかくよ、ギャハハハ』

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あとがき＝＝蓼食う虫も好き好き？、絵の上手下手がお互いに分からないから、それでいいのかも、ガハハハ＝＝放念の翁