Sunday Song Book #1445

2020年06月21日 | Sunday Song Book

2020年06月21日プレイリスト「服部克久さん追悼 with 山下家」
1. けんかをやめて / 竹内まりや "リクエスト" '87
2. 駅 / 竹内まりや "リクエスト" '87
3. シングル・アゲイン / 竹内まりや "クワイエット・ライフ" '92
4. すてきなホリデイ / 竹内まりや "ボナペティ!"
5. 最後のタンゴ / 竹内まりや "トラッド"
6. ボーイ・ハント (LIVE) / 竹内まりや "04/11/29 オーチャードホール"
7. SMOKE GETS IN YOUR EYES (LIVE) / 山下達郎 "19/01/18 新宿LOFT"
8. ずっと一緒さ (HOME KARAOKE) / 山下達郎 "おうちカラオケ TAKE OUT"
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■内容の一部を抜粋
・近況
二ヶ月半ぶりにスタジオに戻ってきたそうだ。TOKYO FM 8階の4スタで今週は収録しているとのこと。自粛解除とはなっても油断は禁物で、ブラジルでは感染者が100万人を超えたということで、世界中でまだ感染が拡大している状況。「日本もくれぐれもみなさん引き続き感染拡大にはお気をつけくださいませ」と達郎さん。

・服部克久さん追悼 with 山下家
スタジオに戻ってきて、音の問題や番組の構成の問題を、スタッフ4人でもう一度確認しているので、様子見で今週はライヴ・ソースを休止。「服部克久さん追悼 with 山下家」と題して先日お亡くなりになった服部克久さんの追悼特集。人生でアレンジメントした楽曲が6万曲に及ぶので、とても55分では何もできないから、今回は達郎さんとまりやさんに関連した曲に特化したプログラム。

・けんかをやめて
達郎さんが人生で「先生」と呼ぶのは数人しかいないそうだ。服部克久さんは数少ない「先生」と呼ぶお一人だったとか。達郎さんが服部先生と初めて仕事をしたのは1987年。まりやさんのアルバム『REQUEST』のストリングス・アレンジをお願いした。いちばん最初のセッションが「けんかをやめて」だった。以来33年いろいろなかたちで助けてもらったその取っ掛かり。

ポップス・アレンジのストリングス編成は6:4:2:2、ファースト・ヴァイオリン6人、セカンド・ヴァイオリン4人、ヴィオラ、チェロがそれぞれ2人、それが日本では一般的だという。達郎さんとまりやさんの場合、服部先生はそれよりもいつも大編成でストリングスをレコーディングしたそうだ。だからひじょうにゴージャスな響きになる。

・駅
同じ年の「駅」。ストリングスは途中から出てくる。最初、服部先生が書いた間奏はメロディをなぞるかたちで、現場で達郎さんが「メロディじゃなくて何か違うフレーズに」と言うと、服部先生は「あぁ、そう。15分くらい頂戴」と言って15分でこの間奏を書いたという。

服部克久さんは1936年、昭和11年の生まれ。お父さんが服部良一さん。高校卒業後、パリの国立音楽院コンセルヴァトワールに留学。1958年に卒業して日本に戻ってくる。時あたかもテレビの勃興期。そこでテレビ界のいろいろな音楽に関わってゆく。当時は歌謡曲全盛で、いわゆる歌謡作曲家という人たちが歌謡曲のヒット曲をたくさん作曲していたが、絶対的編曲家不足で、特にクラシックな、アカデミックな編曲をする方がとても少なくて、クラシックはクラシックのヘレモニーというものがあり、クラシックのアカデミズムと歌謡曲のそういうものの橋渡しというところで、服部先生は重要な役割を果たした。作曲家であるとか編曲家であるとかいろいろ呼び名があるけれど、あの時代にポピュラー・ミュージックのおしゃれなというか、モダニズム、そういうようなものに貢献された業績は本当に大きなものがある。達郎さんの世代は遅れてきた世代なので、高校の頃はサウンド・イン"S"とかミュージック・フェアとか、きれいなストリングスとオーケストレーションを聴いて、それが服部先生であり、いつかお願いしようと思ってて、80年代にまりやさんのアルバムでお願いすることになった。本来はストリングス・アレンジだけの仕事はやってくれないが、いい時代だったという。

・シングル・アゲイン
1989年のまりやさんのシングル「シングル・アゲイン」。ハーモニックスとかストリングスにディレイでフィードバックをかけろという指示をなさっていて、コンテンポラリーなアプローチにすごく熱心で、ケータイ電話も出たらすぐ買い換えるほどのメカ好きで、メカに強かったとか。それが音楽家としてのスタンスによく出ている、と達郎さん。

最初はストリングスのアレンジだったが、ずっと目論んでいた服部先生にすべてのオーケストレーションを頼んでスタンダードをやってみたいという、そういう実験を重ねて、達郎さんのアルバム『SEASON'S GREETINGS』に繋がる。

・すてきなホリデイ
まりやさんの2001年のアルバム『BON APPETIT!』に入ってるクリスマス・ソング「すてきなホリデイ」はケンタッキーのクリスマス・キャンペーンのために作られた曲。これは服部先生に全面的にオーケストレーションをお願いした作品。

とにかく服部先生の編曲はラインがきれいで美しい。今日かけた「駅」や「シングル・アゲイン」もラインが美しい。作曲家のセンスのあるアレンジメントだと達郎さん。そのような話を服部先生にすると照れ屋だから「あっ、そう」と言うだけだったそうだ。

・最後のタンゴ
2014年のアルバム『TRAD』に入ってる「最後のタンゴ」。服部先生は1936年、エルヴィス・プレスリーが1935年、ミッシェル・ルグランが1932年生まれ。実際にコンセルヴァトワールの先輩後輩同士で交流があった。だからロックンロールにも強いということがある。というわけでタンゴの編曲も素晴らしい。珍しく伊集院静さんの作詞、まりやさんの作曲。NHKのラジオ深夜便のために書かれた曲。

スタジオ・ミュージック全盛に生きた方なので、スコアを拝見すると、例えばストリングスのアレンジもビオラから妙なところでチェロに交代するそうだ。
「先生、これやるとダイナミクス変わりませんか?」と言うと、
「ううん、これのほうが弾きやすいんだよ」
「でも、これ音が音量変わるでしょ?」
「音量変わったらフェーダーで直せばいいんだもん」
短時間で仕上げる合理性が遺憾なくそういう一言一言で出てくると言う。そう言うような思い出がたくさんあるとか。

・ボーイ・ハント
2004年に服部先生が音楽畑のライヴが100本到達した記念に渋谷のオーチャードホールでライヴを開催した。そのときにまりやさんがゲスト出演して、前年にお願いしたまりやさんのカヴァー・アルバム『LONGTIME FAVOURITES』の中から「ボーイ・ハント」を歌った。コニー・フランシスがオリジナル。日本では弘田三枝子さんで、漣健児さんの日本語詞がおなじみ。2004年11月29日にオーチャードホールで録音。竹内まりやと服部克久・ウィズ・東京シティポップス・オーケストラの「ボーイ・ハント」。

・メール
リクエスト、お便りは6月いっぱいメールのみの受付。TFMのウェブサイトに番組のメッセージ・フォームを開設。
https://www.tfm.co.jp/ssb/

・SMOKE GETS IN YOUR EYES
80年代に相性がとてもよかったので、ストリングスではもったいないということになり、フル・オーケストラでお願いすることにしたという。1993年のクリスマス・アルバム『SEASON'S GREETINGS』の中のスタンダード・ナンバーを何曲か服部先生にお願いしてレコーディング。達郎さんは何しろフランス近代が好きなので、ラベル、ドビュッシーが好きなので、「フランス近代で」とお願いしたという。当時、服部先生はとても忙しく殺人的なスケジュールだった。服部家の家訓は「来た仕事は断るな」のため順番待ちの状態。なので服部先生のおうちに達郎さんは押しかけて「私のために時間をください」と言ったとか。「しょうがねぇな」と服部先生。4,5日打ち合わせして、最初にレコーディングしたのが「SMOKE GETS IN YOUR EYES」。一発録りで歌も仮歌ながら歌わなければならなかった。はじめるときに服部先生が「お前の好きなフランス近代にしてやったぞ」と言ったそうだ。イントロがビオラとチェロではじまり「すごいな」と達郎さんは思ったとか。今日はライヴ・テイク。昨年、2019年1月18日に新宿LOFTで行われたアコースティック・ライヴからP.A.OUTの音源。大きなホールでやるよりも歌がメロウになるそうだ。
曲をかけ終えて。
「LOFTも大変でございますが、でもLOFTのオーナーの平野くんはですね、根性入っておりますから、あんまり心配しておりません(笑)」と達郎さん。

・ずっと一緒さ
2008年の「ずっと一緒さ」のおうちカラオケ。服部先生のストリングスをかけないと意味ないので。でも今日はおうちカラオケでもスタジオなので、「おうちカラオケ TAKE OUT」とでも名付けましょうかと達郎さん。「ずっと一緒さ」のおうちカラオケにはリクエストが集まってるという。

服部克久さんは気の短い人で、ある日、ある楽器のダビングに、いつも呼んでる人が風邪ひいて出られなくなり、女性の若いミュージシャンが代わりに来たことがあった。その方が服部先生に「これはこうですか?」と質問を繰り返していると、パッとやってパッとできないとダメな人なので、だんだん機嫌が悪くなって、
達郎さんが横にいて「先生、聞いてますよ?」
「勉強は学校でやれ」
その一言がとても印象に残ってるという。パッと座ってパッとやれ、すごくシビアな方で、考えさせられたとか。

・今後の予定
来週はテレワーク作業テイクアウト。
納涼夫婦放談で今日の続きをフォロー・アップ。
7月に入ると珍盤奇盤をやってみたいとのこと。

【リクエスト・お便りの宛て先】当分の間、メールのみにて
https://www.tfm.co.jp/ssb/
2020年06月29日は、「山下達郎ライブで棚からひとつかみ(予定)」
http://www.tatsuro.co.jp

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