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寒暖差アレルギー(季節病)は隠れ蓑に使われているのか?

2013年04月29日 |  今日のメモ

 最近よく忘れてしまうので、先日みかけた「寒暖差アレルギー」に関する話をメモしておこう。ツイッターから、

@chababaca
@onodekita 突然ですみません。先生は医師をやってて寒暖差アレルギーと言うものを過去数年でも聞いた事がありますか?生命を維持する為の体温調節でアレルギーの名前が付く事なんて正直信じにくいですが、免疫力や細胞が傷ついて、自動で体温調節が効かなくなったと言う事なんでしょうか?
2013年4月22日

‏@doriosan1 4月22日
@chababaca 横失礼します。私はかなり前から、例えば夏に冷房の利いた部屋→暑い外へ、もしくはその逆でも、くしゃみを連発します。前から。

Rima ‏@RimaR4 4月22日
@onodekita @chababaca 横からすみません。寒暖差アレルギーとは寒冷蕁麻疹のようなものと思っていたのですが。寒暖差に体がついていけず、目が痒いなど何かしらの反応が出る。そう納得していたのですが、それ自体が常識ではない、ということでしょうか?


 話がかみあわず少し議論が混乱しているようだが、用語「寒暖差アレルギー」の理解が各自の思い込みによっており、統一されていないからではなかろうか。


 先ずは、寒暖差アレルギーという用語の意義についてみておこう。分かり易い解説でいくと、現代ビジネスの記事から(サイト「からだスタイル」に掲載。2012年11月頃の記事か?)、

花粉症でも鼻炎でもないのに、咳やくしゃみ、鼻水の症状が出たら要注意!この季節を悩ます「寒暖差アレルギー」のメカニズム
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/26421

寒暖差アレルギーのメカニズム

 まず、寒暖差の原因は、「この時期としては珍しい、夏の高気圧が日本列島に入り込んできている」ことだと気象予報士から指摘されています。

 この大きな温度差の刺激が、鼻の粘膜の血管を広げ、粘膜がむくむことにより、鼻づまりなどのアレルギー症状につながっているというのです。

 寒暖差による体調不良はそれだけではありません。

 食欲不振・睡眠トラブル・疲れやすい・イライラするなど、自立神経に影響を及ぼしていたのです。

 自律神経は、寒い時は血管を縮め体温を逃がさないようにし、逆に暑いときは、血管を広げ温度差に体を適応させる役割を果たしているのです。

 しかし、その自律神経がスムーズに適応できる範囲は、寒暖差が約7度と言われています。・・・

  [中略]

「実は寒暖差アレルギーというのは、医学的には『血管運動性鼻炎』と呼んでいて、アレルゲンを見いだせないものを指すのです。」


 寒暖差アレルギーとは、ある種の形態の血管運動性鼻炎の俗称ことらしく、通常の意味でのアレルギー症状に似た症状が現れることから、その俗称に「アレルギー」との文言が含まれているようだ。

 もっとそれらしい詳しい解説をみると、血管運動性鼻炎の原因は、正確には不明ということらしい。サイト「コトバンク」から、

鼻過敏症(アレルギー性鼻炎/血管運動性鼻炎)
http://kotobank.jp/word/%E9%BC%BB%E9%81%8E%E6%95%8F%E7%97%87%EF%BC%88%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E6%80%A7%E9%BC%BB%E7%82%8E%EF%BC%8F%E8%A1%80%E7%AE%A1%E9%81%8B%E5%8B%95%E6%80%A7%E9%BC%BB%E7%82%8E%EF%BC%89

[どんな病気か]
  [中略]

■血管運動性鼻炎(けっかんうんどうせいびえん)(血管運動神経性鼻炎(けっかんうんどうしんけいせいびえん))
 アレルギー反応の関与が証明できず、病気の原因がはっきりしないものの、鼻粘膜の自律神経の異常によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった、アレルギー性鼻炎と同じ症状を示す病気です。

[原因]
 2つの鼻過敏症では、その原因もそれぞれ異なります。
  [中略]

 血管運動性鼻炎の原因 はっきりした原因は不明です。しかし、外気の急激な温度変化(暖かい部屋から出て、外の冷たい空気に触れるなど)、たばこの煙や化粧品の吸入、飲酒、精神的ストレス、妊娠(にんしん)などが刺激となり、鼻の自律神経のはたらきが異常になっておこると考えられています。 (強調は引用者)


 このような理解に基づき冒頭のツイートをみてみると、2番目のツイートが正しいそうということになるのだろう。1番目のツイートは、甲状腺異常による体温調節の不調か何かと混同しているような気がするし、3番目のツイートで言及された「寒冷蕁麻疹」はまた別の何かということだろう。


 こうしたツイートや記事が出てきたということは、現状としては多分

●の影響 →原因不明の鼻炎の増加 →発病時期によっては寒暖差アレルギー又はその疑いに診断(原因不明を解消)

という流れがみられるのではないかと推測される。鼻炎が増加しいてるのは、●の影響による粘膜の損傷がからんでいることが多いのではないだろうか(過去の関連記事はココ)。


 これに類似した流れは鼻炎以外にもあるはずで、直に思いつくのは、うつ病についてである。●の影響でうつ病が増加するとされているし、また、以前の記事で紹介したように「冬季うつ病」というのがあるココ。その流れは、次のような感じだろう。

●の影響 →理由のはっきりしないのうつ病の増加 →発病時期によっては冬季うつ病又はその疑いに診断


 今の時期であれば、冬季うつ病は終わり、そろそろ「5月病」とされるのかもしれない。


 寒暖差アレルギーや冬季うつ病は、いわゆる「季節病」の一種とされている。季節病の解説については、サイト「ピンピンコロリ100歳まで!歩いて元気になりたい」から、

季節病にご用心
http://www.geocities.jp/pinpinkorori100/11sinsatu/kisetu.html

 季節病とは、季節の変化に対応しきれなくなった身体に特定の症状が現れますが、その発生や死亡に季節的な変化がある病気と言ってよいでしょう。
 それでは、なぜ季節が変わると特定の病気が発生しやすくなるのでしょうか。その発生の仕方は3点に分類できます。

(1)、季節的に変化する気象現象が発病や病状悪化の直接の原因となるもの。このカテゴリーの病気には心臓疾患、脳出血、脳梗塞が入ります。
(2)、季節的変化にさらされた身体が変調をきたし、発病や病状悪化の素地となるもの。喘息、インフルエンザなどの各種感染症が含まれます。
(3)、病気の原因となる物質や病原体、媒介する昆虫などが季節的変化の影響を受けるもの。花粉症やマラリヤ、日本脳炎などが代表的なものです。


 上記の分類でいえば、寒暖差アレルギーや冬季うつ病は(2)のタイプに分類されるのであろう。


 最後に、そういえば以前の記事で触れたものに「節電反動冷え」というのがあったのを思い出したけど(ココ)、これも一種の季節病で、かつ、隠れ蓑の可能性があると整理できるのかもしれない。


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