仕立屋のつぶやき

毎日、着物を縫う仕事を生業にしているおいしゃんが、気になったことや感じた事をつぶやきます。

仕立屋修行記 その20

2010年11月27日 02時55分29秒 | 仕立屋修行記
年が明けて昭和50年、1月6日から仕事が始まった。
初仕事がウールの羽織、当時はウールのアンサンブルはかなり数があった。
男物のウールには、化繊の裏がつき、コテの温度を注意しないとすぐ溶けた。

10日に中振り袖の裏をもらった。表は他の人が縫っているので、途中で取られないように急いで縫ったが、結局最後までいかなかった。
悔しかったね~。

22日にロビンさんの着物をもらう、ここの仕立て代は一番高く、縫わせる人も上手な人(丁寧な人)にしか渡してなかったがもらえたことでちょっと有頂天になった。
それも2枚続けて・・・。
それと日限が必ず物も来るようになった。信用がついたのかな~。

2月12日、袖付けのところに力布を付けた。ここではささべりと言っていたが、色々な呼び名がある。力布、猿股、ふんどし、閂。

和裁の用語も地方によって違うものがある。
そでの下の部分を袖底とか袖下、衿先から褄までを褄下や衿下、後ろしか揚げをしないことを後ろ揚げ、繰越揚げ、和裁所によっても違うこともある。
こういう用語も統一して編集した和裁の教科書、大変な苦労だったと思う。

一月二月はあっという間に過ぎ、三月は試験があった。
一年生以外全員受験した。うちの和裁所が試験会場だったので、見学をしていた。
時間内に縫い上げることの難しさを目のあたりにし、少し自信が無くなったのを覚えている。
来年は受験生である。

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