実在するディック・チェイニー元副大統領の物語
飲酒運転で警察に捕まり、恋人に愛想を尽かされかけ、一念発起して政界で頭角を表していく。
まあ冒頭はこんな感じ
簡単に書きすぎだろ!
だけど、心を入れ替えただけでこんなに変われちゃうの?一体何があった?と思わないこともなかったけど、それが作品の本質ではないので、いいでしょう
政治家として階段を上りつつも、同性愛者の娘を世間から守るために政界を去るチェイニー。
彼は企業のCEOとなり、田舎で素朴でも幸せな人生を送ったのだった…
そして流れ出すエンドクレジット。
ちょっと待て!!なにイイ話で終わらせようとしてんの!?
というように、映画の中盤でヒトを喰ったような演出に笑ってしまいました。
もちろん、イイ話の映画ではないことは100も承知なので、間違っても席を立つ人はいなかったようですが(たぶん)
ブッシュ(父)元大統領の残念な息子ジョージ・W・ブッシュに、チェイニーに副大統領にならないかと誘われます。
これを機に、チェイニーは大統領を利用して、自分の思いのままに国を操って行くのです。
ここの部分は、『記者たち 衝撃と畏怖の真実』で、新聞記者の立場からも描かれているので、併せて観ると非常に興味深いです。
ただ『記者たち』が、シリアスに描かれているのに対して、『バイス』は、かなりエンタテイメントな仕上がりになっています。出来栄えからいうと、個人的には『バイス』の方が好みですね。
ブッシュ大統領を演じるサム・ロックウェルをはじめ、俳優さんがみなそっくりです。
主人公のチェイニーの顔はよく知らないけれど、本人の画像を見る限りこれもかなり似ていたよう。
ところで、この映画の中でナレーションを務める男性が出てくるのですが、最初「誰?」と誰もが思うでしょう。中盤になっても、ごく一般の民間人である彼が、なぜチェイニーのことを語っているのか謎だったのですが、終盤のある展開でその意味が明らかになるのが驚きでした。
なんかいろいろと面白い演出をしてるなぁ~。政財界の話なのに難しくなく、こんなに楽しく観られることは滅多にないことを考えると、大当たりの映画だと思いました