和泉市職員労働組合blog~地域住民と働くなかまの幸せを願って~

自治労連が「人事評価制度」学習・交流集会を開催

成果主義賃金の問題点を学び、職場実態を交流
「人事評価制度」学習・交流集会を開催

 9月7日、自治労連は、都内で「人事評価制度」学習・交流集会を開催し、17地方組織から47人が参加しました。
 開会あいさつでは、福島副委員長が、「総務省は都道府県・政令都市では勤務評定が100%実施されているとして、市町村に速やかな実施を強要している。一方で13人事院報告では、『結果としてチームで職務を遂行する環境に必ずしもなじまない面もあるのではないか』と制度の矛盾に言及せざるを得ない」と述べ、集会の目的として、①現状と問題点を学ぶ、②自治労連として確立してきた対応方針の確認、③この間のたたかいの交流、の3点を提起しました。
 最初に「地方自治体の賃金の成果主義化(能力・実績主義化)について」と題して、國學院大学名誉教授の小越洋之助氏(労働総研代表理事)が講演しました。小越氏は、「民間大企業では、市場原理主義のもとで賃金を時間じゃなく成果で決める、しかも、その目標が年々エスカレートし、短期での成果を求めるようになった。成果主義賃金は総額人件費抑制を進めたが、賃金の個別分断化が進行し、チームワークの崩壊・企業モラルの低下等を招いた」として、「公務は『全体の奉仕者』であり利潤追求組織ではない。労働は住民サービスが主体である、自治体での導入にはなじまない」と述べました。
 さらに「評価項目は、当局の都合で変更され、客観性などはないこと、人材育成だけでなく給与連動となると、絶対評価の相対化にならざるをえず、これが最も問題がある」と指摘。「導入されても、原則として職員・組合員の個別分断化、競争強化に反対すること、『公平性』『透明性』『納得性』に配慮し、『本人開示』『苦情処理制度』設置を要求・獲得していくたたかいが必要だ」としました。
 今後の課題としては、「導入された職場では検証が重要。人事評価の適用対象者の広がり、成果主義肯定や成功や失敗を『自己責任』と捉える意識が若手層に多いことに留意し、アンケート活動で職員の意識・要求を捉える、ノルマ的目標管理の廃止、本人開示と苦情処理制度設置について組合関与を追及すること、俸給表の堅持」などをあげました。
また、職員基本条例のなかで下位評価に固定した比率を決めた大阪府に対し、下位、最下位評価を細分化することで弊害を一定押し返した大阪府職労のたたかいも紹介しました。
続いて「人事評価制度」と「賃金リンク」の導入状況と対応の基本についての報告を賃金権利局の杉本中執が行いました。
自治労連は、成果主義賃金は賃金制度、公務員制度を根本的に改悪することを狙うものであるとして、一貫して導入に反対するたたかいを進めており、人事評価制度自体も、その客観性、合理性、信頼性などに多くの問題を抱え、公務能率や職員の能力向上の視点で、職場の合意、労使合意により対応することを基本にしてきました。
報告では、成果主義賃金制度の目的・狙いが、時の政権に奉仕する公務員づくりを進めること、賃金の個別化を進め、労働組合運動を破壊すること、また、民間企業での破綻・見直しの動き、職員の「序列化」を行うものなどの問題点を指摘し、職場学習の強化を基本に、導入反対の立場で運動を進めることを提起しました。
会場発言では、豊橋市職労から、青年部・若年層から全職員に運動を広げた取り組みについて、「職場学習・アンケート活動などで早い段階から庁内世論を広げ、組合全体で要求していくことが重要」との報告、大阪府職労からは、「4月から相対評価が本格実施している。チームワークの分断により、公共サービスは低下、職員のモチベーションが下がっている。条例廃止に向けて奮闘する」との発言がありました。
また、東京自治労連からは、「指定管理者制度のもとで、人事評価制度がかなり高圧的に導入されている。非正規公共の人事評価制度についても対応してほしい」との意見も出されました。
そのほか、すでに人事評価制度が導入されたところからは、人事当局が「制度は完璧ではない。今のままでは賃金リンクできない」と認めていたり、「職場がギスギスしている、市民のための仕事にこの制度はなじまない」、「自己評価⇒1次評価⇒2次評価、余計な仕事が増えた。がんばりが評価されない。いい仕事に結びついていない」などの職場実態が語られました。
最後のまとめでは、猿橋書記長は、「これまでも、問題点を実態から明らかにして労働組合への結集、団結をはかり、制度を骨抜きさせてきた。今後、政府攻撃が強まるもとで、『全体の奉仕者』である公務員の評価はどうあるべきなのか、働き方の問題を含めた深い議論・検討が必要」と問題提起し、集会を終了しました。

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