Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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宦官の飽くなき出世欲 「宦官列伝・簡単宦官講座より」

2017-07-01 14:14:30 | Weblog

先に、悲惨な下級宦官の生活の項目で述べた通り、多くの下級宦官たちは、常に上位の宦官の顔色を伺いながら泳ぎ回り、
罰を受ける事のみをひたすら怖れました。
下級宦官にとっては、この諂いやご機嫌伺いの技術を磨くことこそが出世の必要条件となります。
一定の地位を獲得した高級宦官は、主人に媚態の限りを尽くす一方で、部下達にも諂いと迎合を強要し、
心理的平衡を保とうとします。その部下達もさらに下級の部下達に対して迎合を強要するので、画して宦官集団内部における媚び諂いの習慣は益々度を超して行く事となります。

この諂いピラミッドの最下層に存在する下級宦官にとって、後宮と云う特殊で悲惨な生活から抜け出す唯一の方法は、直属するボスを通して力を身につけるしかありませんでした。つまり、高級宦官になりピラミッドの上の部分に登り詰めること、即ち統治階級の要員になる以外に、人間らしい生活を送ることができなかったのです。

すべてはこの目的の為に日夜恥辱に堪え忍び、労苦に挺身するのです。それだけに一度上に登ることの出来る機会が訪れれば、それを利用して這い上がろうとする欲望には強烈なものがありました。
中級宦官となり、ようやく衣食住と身の安全が保障される地位についても、そこで満足する宦官はほとんどおらず、返ってその日から権力欲と政治的野心を止めどなく発揮し始めます。
高位に登れば登る程、彼らの昇級に対する欲望は強くなります。何故なら階級と云うものは、一度登り始めたら最後、常に登り続けなければならず、更に上に行けば行く程、落ちる危険性も高く、落ちた時の損失も大きくなるのです。
宦官の場合、権力から見放されれば、待っているのは見せしめの為の斬首と云う悲劇でした。史実に残る宦官達の悪行の度合いが常軌を逸しているのは、この様な理由に寄るものでした。




今日も朝から暑かったのですが、お昼過ぎてから少し曇って来て、些か涼しさが出て来たようです。
また、今日は、最初ミニバラだったものが普通のバラへと変わったと云うバラと、
好きなキツネノテブクロ(ジギタリス)が咲きました。ジギタリスは全草、毒素を持っているから、気をつけて。

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