*戦費を負担した以外にも輸送船や掃海艇の派遣まで...
イラン・イラク戦争後、膨大な戦時債務を抱えたイラクは、原油を大量採掘して原油価格の値崩れを起こしたクウェートに対して、油田の領有権問題も絡み、1990年8月2日、侵攻を開始。8月8日併合を宣言した。
これに対しイラクへの即時撤退を求め、アメリカ軍を始めとする34カ国の多国籍軍は、1991年1月17日イラクへの攻撃を開始した。「砂漠の嵐作戦」によってイラク領内を空爆すると、2月24日イラク領内に進行する「砂漠の剣作戦」を展開。地上戦開始から僅か100時間後に、多国籍軍はクウェート市を解放。3月3日に暫定停戦協定が結ばれ、湾岸戦争は終結した。
この戦争の戦費は、アメリカ国防省の発表によると、610億㌦とされる。その内訳は、湾岸協力会議(GCC)加盟国が中心となったが、アメリカ、ドイツの70億㌦よりも日本の90億㌦の方が多いことに驚かされる。しかも日本は追加支援として40億㌦を支出。
つまり130億㌦も負担している。その割に、日本の国際貢献がほとんど評価されなかったのは、実に不思議である。
おカネでわかる世界の事件史
財布の大きさで勝敗が決まる戦争・革命
湾岸戦争の各国負担金はいくら?
*この本は2013年3月初版されたものです。