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放浪王ガブリ

2018年07月13日 03時44分30秒 | 連載カード考察企画
今回は放浪王ガブリです。

放浪王ガブリの前進となるカードは、言うまでもなくゴブリン放浪王ですね。
ベーシックセットのごく稀カードです。
パーティ内の種族ゴブリンを破棄するごとに自身のステータスを+1Dすることができました。
ベーシックセットに収録されていた種族ゴブリンは、放浪王自身の他、
1/1/1スペル土土のゴブリン呪術強盗団、
1/1/1アイテム1のゴブリン盗賊団、
普通/対抗でアイテムひとつを打ち消しができるゴブリン馬車強盗、
ユニットの死亡を打ち消せるホブゴブリン用心棒と精鋭揃い。
枚数も5種類15枚と、1セットの内容としてはボリュームがあります。
レベル1のユニットを破棄して攻撃力または防御力1D点上昇という数字は現在の基準でも破格でしょう。
それが当時の基準では攻撃力防御力に寄らない攻撃手段や
パーティを全滅させるカードのような対抗手段を持たなければ
数字の比べ合いではどうしようもないパワーがありました。
弱点はユニットが小さくてリミットが埋め辛くゴブリンを消耗することで能力を発揮するので
継戦能力が低かったこと。
また当時の環境はサキュバスの破棄効果や髑髏の騎士の除外効果が環境の中心でしたから
玄人向けで扱いが難しい、使用率としては高くないカードだったと思います。
これは当時のカードプールでは弱かったということではなく
プレイヤーのスキルがそこまで成熟していなかったためでしょうね。
今のプレイヤーがモンコレベーシック364枚で特殊レギュレーションの大会を開いたら
ゴブリンデックは有力候補に挙がるのではないでしょうか。
次のセット、古代帝国の遺産でゴブリン路上誘拐団を得ることで
ゴブリンデックは土アイテムのテクニカルなデックから道デックのカードという位置づけを得ます。
しかしこれでゴブリンデックはさらに扱いの難しいデックというイメージが定着しました。
当時の地形デックは相手本陣を効果範囲に収めることができなかったので
難しいばかりで使いこなせても弱いという悪循環が当たり前だったんですね。
その後、ゴブリン放浪王は種族ゴブリンのカードを増やすたびに強くなるためか、
種族ゴブリンの追加カードの収録が長い間途切れてしまいます。
モンコレ2まで種族ゴブリンのユニットカードはデザインされませんでした。
しかしモンコレ2になって早々にゴブリン放浪王は復活します。
しかもエクスパンションの表題となって。
放浪王の帰還セットでゴブリン放浪王の他、馬車強盗やホブゴブリン用心棒のような
性能の高いカードと共に再収録されます。
ゴブリン路上誘拐団も先に再録されていたのでこの頃のゴブリンも道デックのイメージのカードでしたね。
さらに自爆能力を与えるレッドキャップの残虐王を得たりもしますが、
デックとしては第1期の頃のほうが強かったと思います。
クォータースタッフとかカルバレットの煙幕玉とか、初期のアイテムワラデックは非常に強かったのです。
ゴブリンデックが一番強かったのは最初期だったのでしょうか。
ゴブリンはファンタジーの常連種族ですから当然Gレギュレーションにも登場します。
しかし放浪王は、旧来のデザインではなく手札のゴブリンを破棄する放浪王ガブリとなってしまいました。
能力としては弱くはないのですがリミットを埋めつつ、手札にもユニットカードがなければならないので
毎ターン手札6枚を使い切る前提の消耗の激しい能力でかなりの弱体化であるといえます。
旧来の放浪王のテキストが採用されなかったのはルールの解釈が難しかったためなのですが
さらにステータスが2/2/2から3/2/2に落とされて攻防力の高さのごり押しはできなくなり
スペル土を得たことも構築難度が上がる結果に繋がりデックとしては弱かったですね。
ネオスタンダード環境で種族ゴブリンが復活したのはブロック2です。
ブロック2の放浪王ガブリは待望の英雄に昇格し、ステータスは過去最高の2/3/3、
能力は手札を破棄してステータス+1D点はGレギュレーションと据え置きですが
初期値が違うのでGレギュレーションと比べると圧倒的に強くなっています。
このブロック2のガブリ、実はブロック2環境で最強のユニットでありました。
ブロック2には黄金のタワーシールドも収録されていたため、防御力をどこまでも上げていくことで
攻撃力防御力共に無敵のユニットになることができました。
他の種族ゴブリンがもう少し強ければガブリは時代を取れていたユニットでしたね。
ネオスタンダードブロック2時代の種族ゴブリンもタイプ道のデックだったはずなんですけど
ガブリのために種族ゴブリンのユニットカードを限界まで積む必要があったので地形を入れる余地はありませんでした。
まあネオスタンダード時代の地形コンボデックも以前よりはましになったとはいえ
使いづらい事には変わりはなかったのでそれはそれでいいのですけど。

20thにて復活した放浪王ガブリはあえて言えばネオスタンダード時代に近いものですが
厳密にはどの時代の放浪王とも似ているとは言えませんね。
4/4/5のサイズになって、バードマンデックに突破力を授ける英雄となっています。
ガブリだけを見れば基礎値しか変わっていないようですけど
ブロック2のゴブリンデックと今回のバードマンデックがあまり似ていませんから。

ガブリのデザインは20thのカードプールの中では異質な存在です。
他のカードは種族を二つ与えられていろいろなデックで活躍できるようにデザインされているのですが、
ガブリはその逆で種族ゴブリンしか持っておらず、
能力コストに種族ビーストを参照している割にバードマンデック以外では使い辛いように調整されている節があります。
バードマンデックの中ですら、バードマン/艦船のユニットカードはコストにできません。
鷹眼のウォーシップを大量に採用したブラッドホークデックのなかでは活躍できないようになっているんですね。
常備枠は消耗品枠ひとつです。
これが銃弾枠だったらバステトデックの最有力の英雄だったでしょうしバードマンデック内でも支障はなかったと思いますが
残念ながら消耗品枠ではせっかくの4・4のビーストデックであるバステトデックで採用できません。
ブリアンナデックで使っても使い辛いんですよね。
ガブリ自身がブリアンナの対象とならず英雄2体でパーティを組んでもぱっとしない。
後攻を取ったらガブリは死亡するでしょうし先攻時の攻撃力はスタート値7点しかない。
これならオーク禿鷲ばっかりしかいないほうが戦いやすいですね。
ガブリは道バードマンにしか入らないカードでしたね。
20thの中では慎重な調整をされているカードです。
使えるデックの種類が増えないように調整されています。

ですがそれも当然でしょうね。
なにしろ美味なる下僕は下手をするとこれだけでゲームが決着してしまう破壊力を秘めた特殊能力です。
防御力上昇で防げない効果が環境に存在しないのだから理論上、手札が無限にあれば
同時攻撃以外でガブリを倒す手段はありません。
それで4/4/5ですからかなり攻めたデザインです。
もしガブリの手札がスクロールと種族ビーストのユニットカード5枚だとしたら倒せる気がしませんね。

なのに実戦ではこのユニットが案外どうにかできてしまうところが今回の調整の絶妙さですね。

ユニットの基礎的な攻撃力防御力はネオスタンダード終盤より低下しているのに
ネオスタンダード時代で考えても破格の性能であるはずの4/4/5+美味なる下僕が対処されてしまう秘密は
戦闘スペルカード、消耗品カードの性能の高さにあります。
手札1枚で攻撃力または防御力+1D点はネオスタンダード時代のヒートインフレーションと同等の性能ですが、
20th環境のパンプアップは最低でも+3or+3のバトルクライ。
防御力を上げるカードは+4のプロテクションか英雄の酒、+2Dのエンデュランス、+6のジャイアントグロース。
攻撃力を下げるカードはそれよりさらに性能が高くウェポンブレイクと腐食のビネガーの-6。
戦闘スペルカードや消耗品カードの効果によるパンプアップを
美味なる下僕で相殺するには1対抗に対して手札2枚を消費する必要があります。
仮に相手の手札にエンデュランスが2枚あったとしても
こちらの手札に種族ビーストが4枚あれば相殺することは可能ではありますが、
ここで重要になるのは、アイテム消耗品デックが攻撃力を上げる手段は
美味なる下僕の他は消耗品の英雄の酒しかないということです。
もし20thのカードプールに勇敢の薬でも収録されていたら状況は大きく変わっていたんでしょうが、
ガブリ側の攻撃力の上限は、手札の枚数でほとんど予測されてしまうのです。
手札1枚でおよそ3点または4点上昇が限界。銃弾枠なら+5にできます。計算を大きく狂わせるカードがありません。
ガブリ側は大量の手札を消費して、その地形を落とせなければ負けなのです。
こちらからゲームを降りることはできません。
相手はこちらの残り手札枚数を計算して、どこまでこのチキンレースに付き合うかを決めることができます。
高い目を連続で振れることもある、というのは別に有利なことではないです。
1か2の目を連続で振って、相手の1対抗を2枚消費で相殺できない場面があったら
その戦闘は諦めるしかないでしょう。
たまに連続で高い目を触れることがあったところで1試合の中では大したことではないのに
低い目は一度でも連続する場面があったらアウト。これは大変に損な賭けです。

さらにガブリは即時召喚可能のレベル4ユニットですから、攻撃はアヴェンジャーやメイルシュトロームで無力化できます。
手札を減らしたところにジャスティスやブライアーピットを食らうかもしれません。
ジャスティスだけなら防げるかもしれませんがジャスティスが来たら輝ける蝶の鱗粉も持っているでしょう。
ガブリにタイダルウェイヴを使ってくれたらいいほうです。
仮にガブリ側の手札が6枚完璧であったとしても
相手もフル対抗できる手札を持っていたら負けると思ったほうがいいでしょう。

ここまではまだ、ガブリが先攻である仮定の話。
もしガブリが後攻を取ってしまったら攻撃に耐えるところまでが精一杯。
美味なる下僕の能力があって、4/4/5という数字は優遇されすぎているくらいのはずなんですが、
実際はこれより低かったらデックから抜けていたくらいのぎりぎりの調整なのです。

相手に対処できるカードがない場合は直進でゲームを終わらせられるパワーを持ち、
地形カードまでコストにできるので消耗品ビーストデックならコストにできないカードが入りません。
しかし1枚あたりの燃費で言うならイニシアチブ+修正とチャージを持つユニットで波状攻撃するほうがパワーが出ます。
種族艦船のユニットカードだけはコストにできないので、ガブリ中心でデックをカスタマイズする必要があるんですね。
ガブリが強いのは、手札全てをガブリのコストにできる状態がキープできているときだけなので。

道デックの中心英雄であるカード。
ガブリを入れたデックなら、ガブリをどう使いこなすかが勝敗の鍵なのだが
相手の手札が自分以上に良かったときはプレイングを駆使してもどうしようもない場面がある。
1の目を連続で振ることもありますからね。
先攻デックは盤面で戦うデックなので英雄の性能に過信してはいけないのか。

次回はブランデッドです。
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-07-13 15:32:05
バードマンで使うユニットなんすか?
ビーストに突っ込んでおいて本陣で即時すればいいと思いますが。
前にマフィン起動でロック飛び込んでガブリ出す奇襲デック見たことあります。
ガブリは即時してなんぼだと思いますよ。
目の前にいるガブリは如何様にも処理できますが、不意に即時で出て来られた時だけはそうもいきません。
Unknown (リクエスト)
2018-07-22 02:35:06
現環境のゲオルギウスは発売前の予想と比べてどんな感じになりましたでしょうか?

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