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わたくし白鳩がカードゲームの話を書き連ねるブログ

精霊王4種類

2010年04月09日 23時59分59秒 | 連載カード考察企画
カード考察第19回は精霊王の4種類です。
4枚のカードを1度にリクエストするのはルール違反ですが、
精霊王は別個に4つリクエストされると
それはそれで困ると思うので今回は特例的に
精霊王のカード4枚のリクエストを受理する事にします。

精霊王は千年皇国で登場した目玉カードの4枚です。
8/7/7のスペックで*を含むスペル2枠を持ち、
1回で10/10まで上がるパンプアップの能力を持ちます。
このカードの完成度の高い点は、
属性統一のデックなら簡単に投入できる事でしょう。
飛行進軍も合わせて、普通なら入れづらいレベル8を
とても入れやすくしたという点で
画期的なデザインのカードのひとつです。
スペック的に十分な数値を持つレベル8ユニットが
ノーリスクで対抗枠まで持っているデザインは
Sレギュレーション以前では珍しく、
Gレギュ以降だから解禁されたカードです。
ただし最低限このくらいの数字がなければ
レベル8ユニットでも戦力としては使い物にならないですから
以前までの基準が低かったんでしょう。

多少燃費は悪いですが
同時攻撃以外なら8/10/10のステータスを
まず確保できる能力に加えてスペルで2対抗が可能。
ちょっとした英雄カードに匹敵する戦闘力です。
パンプアップ系の英雄としては
ネクタール、ベルゼブブ、エヴァなどが類似しますが
手札2枚の消費で相手の攻撃に耐えられる防御力と
防御力を貫ける攻撃力がおおよそ手に入る精霊王は
英雄であるこれらと比較しても遜色がなく、
縛りの薄さを考慮すれば精霊王が上とも言えます。
ただしデックの縛りを強くして能力を爆発させると
英雄が上回るようになっていますから、
バランスとしては妥当ですね。
(ベルゼブブについては少し言いたい事がありますが
 ベルゼブブ考察の回に回したいと思います)
またリミット8で確保できる対抗枠の数は
英雄側のほうが常に多くなっています。
リミット8で2枠しかなく、
死亡、破棄効果の対抗には脆い点は弱点ですが
英雄ではない事を考慮するならこの辺りが落としどころでしょう。

逆に言えば、もし英雄のアイデアが存在しなければ
精霊王は色付きスペル2枠に*1枠の計3枠でも
許されたのではないかと思います。
精霊王が登場したのは千年皇国ですが
時期的に千年皇国が作られた時点では
次のセットに英雄が登場することがすでにアイデアとしてあったはずで、
あらかじめ英雄のステータスは超えないように
ある程度考慮してバランスを取ったのではないでしょうか。

最近では使用率として少し翳ってきた感を感じますが
主たる要因はやはり英雄登場によるスペックの上昇でしょう。
千年皇国以前の主力級カードは英雄の登場により
軒並み価値を落としていますが精霊王もそのひとつに入ります。
レベル8ユニットに共通する弱点として、
1体のユニットの死亡がそのまま地形の喪失に繋がるのは
度外視するには大きすぎる弱点です。
戦闘力で正面から立ち向かえなくなると
このタイプのカードは特に辛くなります。
飛行進軍により、かなり助けられている部分はありますが。

また属性を統一する縛りは
カードプールが充実してくると辛く感じるようになります。
スペル*を持つユニットや汎用性の高いユニットが増えることで
属性を混ぜる構築がよりしやすくなるからです。
精霊王は属性統一デックの
準主力ユニットとして使いやすいカードですから
需要の下地が少し崩れてきたのはあるかもしれません。
今の環境で属性を統一するタイプというと、第一にメディア。
それにマリモ。
殴り合いの強いレベル8を必要とするデックではないですね。
他ではゴブリンやバードマンなら属性がほぼ統一されていますが
アイテム枠を持つならまだしもスペラーでは入りません。
あとは星剣姫のレベル6英雄点2の4種族ですが、
このデックの中でならわりと使いやすそうだと思います。
英雄が入るデックが今の環境で戦う条件だとすれば
精霊王が素直に入るデックが減ってきているのは
確かでしょうか。

ただし精霊王を入れるには
どの程度まで代償カードで占められている必要があるか、
と考えると3枚積むならまだしも、
保険的に1枚入れるだけであれば
デック内のスペル、ユニットのほとんどが
属性統一されている必要はありません。
精霊王への依存度によりますが、半分くらいで十分だと思います。
実際はかなりのデックが入れられる範疇のはずです。
もし使われないとしたらスペックの上昇、
ともうひとつレベル8の選択肢が他にも充実してきたために
必ずしも精霊王でなくても良くなった事も上げられます。
キリン、ティアマト、ミラージュイフリートなど。
パンプアップの能力を積極的に活かさないと
これらのカードのほうが優位になってしまうので
必ずしも優先される選択肢ではなくなっています。
また最低限の戦いをするのに手札2枚は消耗するのは
少し燃費が悪いですね。

地味なパワーアップとして巨神の祭壇が登場しましたが
巨神の祭壇が入るようなレベル8主体のデックは
逆にコストに使いやすい小型ユニットがあまり入りませんので
レベル8が沢山のデックで精霊王、という選択肢も
あまり魅力的ではない気がします。

カードリストと照らし合わせまして、
防御力10点以上の飛行ユニットを
死亡、破棄、除外させられる効果が
実際にいくつあるのかを数えてみます。

死亡させる効果は
ステルススナイパー
レッドソニア
エックスデイドラゴン
ポイズントード
ファーレンハルト
ランスロット
アングリーアングラー
バハムート
プラズマボール
サンダルフォン
フレイムストライク
フルムーンタイド
タイダルウェイブ
アイスジャベリン
ウィンドカッター
ディバインオーダー
シャンヴァーの錬金弾
トキシンの錬金弾

破棄させる効果は
ゴブリン路上誘拐団
ディプロドクス
アンゴルボダ、
セイクリッドバハムート
アルストロメディア
汚辱の混沌
バーンアウト
デッドホール
トンネル
鋼鉄の処女

除外させる効果は
髑髏の騎士

これは多いような少ないような、ですね。
3Dダメージくらいの威力では死なないものとして
カウントしているのであまり鵜呑みにしないでください。
少し遠いコンボが必要であまり使用されないようなカードも
省いています。判断の基準はわたしの主観です。
同時攻撃が起きず、パンプアップに成功している限りは
これらのカードが出てこない限りは精霊王は負けない、
という考え方も出来ます。
(一番苦手な敵は黒曜蟲な気もしますけど)
またリストアップはしませんが、
燃費が悪いせいで精霊王は行動完了させる効果も苦手です。
手札を2枚も捨てるからには
前列のユニットくらいは殺せないと
少し割に合わないところがあります。

気をつけなければならないのは
逆に精霊王は殺せない、低ダメージの対抗は
環境にいくつあるかということで
これはリストアップが不可能なくらい膨大に存在します。
精霊王はそれら全部に優位が付くのですから
殺される手段を数えると同時に
どれだけの効果に対して殺されないか、も数えると
精霊王が強いことが良く分かります。

個々のユニットを見た場合、
使いやすいのは土属性のマグネティックエンプレス、
風属性のテンペストクィーンでしょうか。
大型ユニットを即死させる効果に弱いので
戦闘スペルでそれをフォロー出来る属性が有利です。
加えて火属性や水属性は、破壊力の高いスペルが充実しており
あえて精霊王の8/10/10超の破壊力に頼らなくても
戦闘スペルだけで事足りるケースが多いです。
ただし、火属性や水属性の種族は
デックに他の属性のユニットをあまり入れない傾向にあります。
対して土属性、風属性の種族というと
特にスペルデックは他の属性のユニットも使う事が多い気がします。
精霊王の活躍させやすい土壌は、
火属性、水属性のほうが大きいですね。
それ以上に土風は女性キャラである事が大きい気もしますが。

各属性の相性のいいスペルも上げたいところですが
精霊王は属性統一デックの準主力級カードであり
精霊王を基準にしてスペルをチョイスするのは
不効率だと思うので止めておきます。
複合スペルで1対抗するよりは単一スペルを2発撃つほうが
相手には対処しづらいものですが
精霊王のスペル*は千年皇国に収録されている
強力な複合スペルを撃つために存在している枠なので
複合スペルも使ってこそ精霊王でしょう。

種族精霊王に関連した能力を持つカードは、
今のカードプールでは精霊殺し1枚だけです。
これはストーリー上フォローしているだけですね。
使用者の攻撃力が精霊王の防御力に満たないと
精霊王は殺せないので
ディフェンダーを持つユニットでもない限りは
恐くないカードでしょうか。
精霊殺しはもうちょっと強くしてあげてもいい気がしますが。

精霊王の使用率の低下ばかりを指摘しましたが
それも全盛期と比べてであって、
現在でも十分に使われるカード。
レベル8の中ではかなり遭遇率の高いカードだと思います。
カードプールが増えると混成属性デックが組みやすくなる一方
単色デックでも対応力のあるものが組めるようになりますから
一定の使用率は確保されたカードになるでしょう。
ストーリー上重大なキーとなっている種族ですが、
精霊王が暴れた時代は終わっているので
ステージ3以降は再録されないかもしれませんね。
されるとしたらボスキャラに相応しいパワーアップを
しそうでもありますが。
ところで精霊王といえばカード名が一致しているのに
旧カードが互換していない珍しいカードでもあります。
それも精霊王のために新ルールを追加して互換できなくした
という特別待遇です。
よく考えてみれば互換性をなくしたいなら
新ルールを追加しなくても
カード名を「○○の女皇帝マグネティックエンプレス」とか
少し弄ればいいだけなので途中までは
旧カードを使えるものとして設計されていたんでしょうか。
それはそれで面白かった気もしますが。

カード考察第19回は以上になります。
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