職場の休憩時間やランチタイムに、携帯電話をいじっていない同僚は皆無だ。
私は手持ち無沙汰に携帯をいじることがないので、何をしているのかはわからない。
メールなのかゲームなのか、誰かと話しているのではなく、じっと画面を見つめている。
バス停でバスを待っている人、カフェの椅子に座っている人、
中には歩きながら携帯電話を見つめている人がいる。
その時、どんな顔をしているか本人は知っているだろうか。
眉間にシワがよる。
口角が下がる。
顔全体の緊張がゆるんで、きれいな人も一気に老ける。
好きな相手には絶対に見せたくない顔だ。
年齢が上がるにつれてそれは顕著になる。
それを発見してしまってから、よけいに外で携帯電話でメールチェックなどしなくなった。
自分がどんなに年寄り顔をしているか、想像するだに恐ろしい。
そして、怖いものみたさで電話を見つめている人の顔を見て、ドキリ!!とする。
そのドキリ!は、携帯電話で写真を撮ろうとして、
うっかり自分が写るほうに切り替わるところを押してしまい、
心積もりよりも3倍はブスの、腑抜けたアンコウ顔の自分がいきなり画面に写ったときのドキリ!に近い。
うつむくと、顔の皮膚がたるんで老ける。
仰向くと、顔の肉が引っ張られてマシになる。
外で携帯電話を見つめるなら、ベンチに寝転がれば問題は解決。
ある小説で、公園のベンチで読書する女性の横顔に一目ぼれする男の話があった。
その女性は二十代か、男が近眼かどちらかだろうと、みにくい腹いせで思うのである。
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私は手持ち無沙汰に携帯をいじることがないので、何をしているのかはわからない。
メールなのかゲームなのか、誰かと話しているのではなく、じっと画面を見つめている。
バス停でバスを待っている人、カフェの椅子に座っている人、
中には歩きながら携帯電話を見つめている人がいる。
その時、どんな顔をしているか本人は知っているだろうか。
眉間にシワがよる。
口角が下がる。
顔全体の緊張がゆるんで、きれいな人も一気に老ける。
好きな相手には絶対に見せたくない顔だ。
年齢が上がるにつれてそれは顕著になる。
それを発見してしまってから、よけいに外で携帯電話でメールチェックなどしなくなった。
自分がどんなに年寄り顔をしているか、想像するだに恐ろしい。
そして、怖いものみたさで電話を見つめている人の顔を見て、ドキリ!!とする。
そのドキリ!は、携帯電話で写真を撮ろうとして、
うっかり自分が写るほうに切り替わるところを押してしまい、
心積もりよりも3倍はブスの、腑抜けたアンコウ顔の自分がいきなり画面に写ったときのドキリ!に近い。
うつむくと、顔の皮膚がたるんで老ける。
仰向くと、顔の肉が引っ張られてマシになる。
外で携帯電話を見つめるなら、ベンチに寝転がれば問題は解決。
ある小説で、公園のベンチで読書する女性の横顔に一目ぼれする男の話があった。
その女性は二十代か、男が近眼かどちらかだろうと、みにくい腹いせで思うのである。
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