閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

小心者の大欲

2015-06-12 17:03:05 | 閃き
久し振りに長距離出張に出た

列車を乗り継ぎ合計で6時間近い移動をした


列車に乗っている時にはただ寝ているだけだろうと嘯く輩がいるが、実はそうでは無い

勿論、眠くなることも有るのだが大体は仕事の書類の整理やメールの対応をしている

個人的には時間が勿体ないと考えるので、何もすることが無ければ車窓からの眺めを楽しむ事にしている

仕事とは言え、普段滅多に来ることが出来ない場所へ訪れているのだから、その土地の風景を目に焼き付けておくことも必要だと考えている

眠るなんて勿体ない話だ


メールを確認していると「キャンペーン」の文字が目に留まった

無い様を読んでいると、たまたま私が持っているクレジットカードをたまたま載っている列車の車内販売で使用すると、優先的にあるものが貰えるというものだった

揺れる列車の中なのでよく判らなかったが、取りあえず持っているクレジットカードと使用できる列車は間違いが無い

後は車内販売で使用して、未だ残っていればあるものが貰える筈だ


小心者はこれは絶好のチャンスだ

たまたま読んだメールに、たまたま該当するクレジットカードを所持して、たまたま乗っている列車の車内販売で使用する

何という巡り合わせ、これこそ神のお導きだと感じた


そうなると気になるのは車内販売だ

降りる駅に到着する前に車内販売で買い物をしなければ元も子もない

流行る気持ちを抑えつつ待つ事にした

待っている内は何故か気持ちが集中出来ない、小心者の欲は膨らみ大欲と変わっていった


ジリジリしながら待つ事30分程でようやく車内販売のワゴンがやってきた

車内販売はアイドルと見まがうような可愛らしい女性、女神か天使かと思う程

小心者の大欲がそう見せたのかもしれないが…


買い物をしてクレジットカードを提示し、もれなく貰えるキャンペーンについて尋ねると彼女は承知していた

クレジットカードの処理を行い、一緒に手渡されたものは小さなケーキ(焼き菓子)だった


嗚呼、小心者の大欲は目の前の欲に溺れ、肝心のものについて確認しなかった

なんと情けないお噺であろうか



コメント
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