ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

「敬天愛人」について

2009年02月16日 | 社会福祉士
 私が書いた著書を献本する時に、以前は「恵存」と書いていた。これは、この著書をお手元においていただければ幸甚です、という意味である。ところが、今回の『福祉のアゴラ』を献本する時には、「敬天愛人」という言葉を添えることにした。

 「敬天愛人」は西郷隆盛の人生訓としてよく知られているが、これは「道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は我も同一に愛し給ふゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也。」ということである。現代訳としては、「道というのはこの天地のおのずからなるものであり、人はこれにのっとって行うべきものであるから、何よりもまず、天を敬うことを目的とすべきである。天は他人も自分も平等に愛したもうから、自分を愛する心をもって人を愛することが肝要である。」(西郷南洲顕彰会発行・南洲翁遺訓)という意味である。(西郷隆盛のホームページ敬天愛人

 西郷はこの人生訓のもと、幕府軍であり江戸の薩摩屋敷を焼き討ちにした庄内藩を、新政府になった時、西郷は咎めることなく、庄内藩に対して寛大な処置をしたことで有名である。その後、庄内藩は西郷を大切にし、西郷没後に、乞うた教えを「南洲翁遺訓」として刊行している。西郷の思いは「失敗のない者に大事な仕事は任せられない」という思いである。これは西郷隆盛が『人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くし、人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし』といった表現をしている。 

 西郷隆盛に対する評価も二分するが、西郷が征韓論を主張し、西南戦争になったと高校時代に習ったが、正確には西郷こそが、韓国に出兵することに慎重であったとも言われている。

 今回、敬天愛人という言葉を添えたのは、この世知辛い世の中にあり、私も含めて皆が、苦しい時代であるが、少々のことについては他者を許し合って、お互い仲良くしていこうということを望んでのことである。とりわけ、このブログ本に書かれている事の裏には、多くのせめぎ合いがあったが、今になっては、同じ目的に向かっての同志でありという気持ちを込めている。

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