ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

2025年の医療・介護のセフティ・ネット(3)ー小規模多機能型居宅介護を充実していくために

2008年12月11日 | ケアや介護
今回のシュミレーションでは、在宅サービス利用者が現状で243万人、2025年には408万人になるとし、さらに大胆な改革のもとで424~428万人になるとしている。

 このように増大する在宅の要介護者に対する大胆な改革では、全国で1万か所程度ある各中学校区に、3つ(1か所20名程度)の小規模多機能型施設を配置し、ヘルパー、デイサービス、ショートステイがセットで利用できるシステムを作っていくという構想である。

 ただ、現状での小規模多機能型施設については、まずは今年度までの今期の各市町村介護保険事業計画で決定した分が未達成の市町村であること、さらに小規模多機能型居宅介護を運営している実態をみると、利用者が集まらない、さらには経営が苦しいといったことになっている。

 小規模多機能型居宅介護を2025年の居宅サービスの目玉にしていくためには、次の介護報酬で相当な改善が求められるであろう。

 具体的には、軽度者の報酬が安いことが経営を悪化していることを配慮することである。

 次に、地域で重度化したから利用してもらうようにインセンティブを働かせるためには、サービス利用後も、ケアマネジャーとの関係が継続していける制度にするべきである。現実に、利用者は従来まで関わっていたホームヘルパー、デイサービスやショトステイの職員、さらにはケアマネジャーとも関係が切れてしまうことになる。それでいて、なおかつ、在宅で生活していくことになり、本人だけでなく家族の不安も大きい。そのため、ケアマネジャーについては外枠として継続して利用できる仕組みに変更すべきである。これについては、「ケアマネジャーとの関係がなくなるので、利用しない」といった利用者や家族の声が大きい。

 最後に、グループホーム等も同様であるが、地域の宝といった意識をもち、みんなで支えていこうとする地域の人々の意識が大切である。そのためには、運営推進会議を形式的なものから、実質的なものに変えていく必要がある。これは介護報酬の議論というよりは、経営者の意識づくりがテーマであり、行政も支援できる部分である。