不知火電機な出来事

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世界的スタートアップ生まれぬ日本 背景に失敗を許容しない文化か

2020-05-11 10:18:43 | ブログ
日本で成功するスタートアップは少ない。それはなぜか。
一橋大学名誉教授の石倉洋子氏は「日本はベンチャー推進を掲げているのに、
国は新しいビジネスを阻害する傾向にあり、社会は失敗を避けたがる。
その反対の国がイスラエルだ。日本はイスラエルに学ぶべきだ」という--。

■日本で起業が少ない理由1位は「失敗への危惧」
ここ数年、日本でもスタートアップの推進が不可欠という議論が行われてきた。
政府のさまざまなベンチャー推進政策が行われ、以前に比べれば支援は増えてきたが、
日本ではまだ、スタートアップが生まれ育つ土壌ができあがっていない。
ベンチャーエンタープライズセンターが2019年に行った、
設立5年以内のベンチャー企業を対象とした調査によると、
日本で起業が少ない要因として一番多く挙がったのが、
「失敗に対する自分自身の危惧(起業に失敗すると再チャレンジが難しい等)」(32.9%)だった。
次に「学校教育(勇気ある行動への低い評価、課題を探し出す教育の欠如等)」(20.3%)、
「世間の風潮(失敗すれば白い眼、成功しても尊敬される程度が低い等)」(14.3%)などと続いた。
そもそも、スタートアップの成功率は数パーセントといわれる。
たくさんのチャレンジのなかから、ようやくひと握りのスタートアップが成功・成長する。
自由に挑戦できる環境や、失敗しても再起可能な環境なしにはうまくいかない。

■「失敗を許容する文化」が足りない
企業内でのイノベーションも、成功率が極めて低いのは同様だ。
企業でビジネスプラン・コンテストをすると、成功率の低さが忘れ去られ、
何とか成功例を出そうという意識が働いてしまう。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長の著書『一勝九敗』(新潮社)にもあるように、
起業は失敗することが前提だ。
電球など、数々の画期的なものを発明した、発明家で起業家のトーマス・エジソンは、
多数の失敗をしたことでも知られている。
失敗するとエジソンは、「これでうまくいかないことが一つはわかった」と言ったそうだ。
新しいことを試すのだから、うまくいくかどうか、やってみないとわからない。
ダメでもともとなのだ。失敗から学び、次回は少なくとも同じ失敗はしないようにすればいい。
イスラエルのスタートアップ関係者たちも、起業環境について、
イスラエルにあって日本にないものとして「失敗を許容する文化」を指摘していた。
日本では、企業内でも社会全体でも、「起業するならば必ず成功しなくてはならない」というプレッシャーが強い。
こうした文化、雰囲気を一掃し、失敗しても再起が可能な環境作りが不可欠だろう。

■企業の自由な活動を促すイスラエルのやり方
戦後の日本では、政府が産業構造のあり方を考え、政策によって産業振興を推進しようとしてうまくいった。
しかし、中心となっていた産業が製造業だった時代と、デジタルがグローバル経済を牽引している今とでは、
時代が全く違う。戦後の産業政策と同じことをしようとしても、うまくはいかないだろう。
一方、イスラエルで印象的だったのは、スタートアップ振興を行う政府組織、イノベーション庁が、環境整備に徹し、
民間をリードしようとはしていないところだった。
日本の産業政策とは対照的で、スタートアップにはかなり自由に活動させる。
たくさんのスタートアップのなかから、自然に淘汰されて、良いものが残るというのが基本的なあり方と考えているようだ。
当初は政府の投資によってベンチャーを後押しするスタートアップ推進政策だったが、2000年代以降は、産学主導に切り替え、
インキュベーター、アクセラレーター、VCなど民間企業による資金やノウハウを提供する仕組みを奨励してきた。
政府は高リスクの事業への資金、ノウハウの提供など状況に応じて、役割を変え、必要があるところだけサポートしている。

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