樫尾阿佐尻山、弘瀬山 かしおあさしりやま、ひろせやま
登山日 2012年5月27日
標高 1374.2m、1373.6m
登山口 東祖谷新居屋
駐車場 なし
トイレ なし
水場 なし
メンバー 単独
「とかげ」
なんの意味か分からなかった。
登山用語で天気のよい日に岩の上で昼寝をするもしくはテントの外で食事をすることらしい。
他にも人を食ったような言葉や参考になる言葉などたくさんあるらしい。
「ハイマート」
大型スーパーの名の意味が分かった。
登山用語にハイマートベルクというドイツ語がある。
ふるさとの山とかホームグラウンドにしている山という意味らしい。
「二つ玉低気圧」
太平洋側と日本海側を二つの低気圧が通過するときは、全国的に大荒れの天気になるらしい。
「ピッチ」
ワンピッチとかツーピッチとかよく耳にするが、一定の区間、例えば30分歩いて5分休む場合とかに使う。
フォーピッチ歩けば気分良く、走りたくなる。
ピッチピッチチャップチャップランランランだとか。
バカにしてるのか~!
「梅雨明け十日」
梅雨が明けた後、10日くらいは晴天が続くようだ。
こんなときは大概うだるような猛暑日が来るんですよね。
はい、岩の上で片手片足あげて、アッチッチー、降ろして、はい別の片手片足あげて~、そんなわけない。
とりあえず、とかげをしに行くことにした。
場所は牛ノ背三角点のミツコバから、それこそとかげをしていて見えた感じのいい山。
谷道川を挟んで西に見える樫尾阿佐尻山。
妻は仲のいい山友と別の山に行くようだ。
わたしも一緒に行けばいいものをと思ったが、いやいや、前日に計画を練っていた山、ここは一人でも行かねばなるまい。
妻はどちらかというと、おしゃべりを楽しみながら、花のある山ねらい。
わたしは展望のある山でとかげになりたいのえす。ピロピロ~
4時半起床、猪ノ鼻を超えて小歩危・大歩危、左折して祖谷トンネルを抜けて、道の駅でトイレ休憩をしていると、なんとてんきちさんに出合った。
突然に知った人に出会うと悪いこともしてないのにドギマギ。
どちらへと尋ねられ、間違って「アサヤマへ」と答え、別れた後、あ、しまった、間違った。
てんきちさんはいつもの如く、どっしりと落ち着き払って、天狗塚。
100回登頂は随分以前に達成したと伺っている。
いったい何回目だろうか、訊くのを失念した。
京上トンネル手前の谷道川に架かる橋のところで駐車。
7:38、歩き出す。
猪ノ鼻から眺める阿波の山中はうっすらとガスが棚引いて綺麗だったが、そのガスもすっかり退き、青空。
今日も暑くなりそうだ。
京柱峠方向に歩いて阿佐への三叉路を左に見てほんの少し超えたところで、山手へ右折。
振り蹴ると京上トンネル手前の祖谷川橋と小高い山。
そのまま車道を直進しそうになるが、沢の手前に変圧器のような電力の茶色い大きなボックスが右山手に見えるのでその階段のある細い道へと登る。
これが国土地理院の地図に記載されている破線の山道のようだ。
昔は堀切峠を経て栂峰へと辿る大切な生活道だったと思われるが、いまはほとんど歩かれていないようでした。
分岐がいくつかあったが、適当に上がっていくと車道に、横切って木で作られた古い受け箱のある階段から再び山道へ。
廃屋となった民家。
それを通り越したところでシカが二頭、ドッと林の上へ逃げていった。
離れてしまった一頭が下の林からキューンと仲間を呼ぶ鳴き声。
北に景色が開けた。
1072.2m峰とその奥は西寒峰だろうか。
道が分からなくなり、石垣を横目に適当に上がっていくと、再び車道に飛び出した。
車道右手上に尾根が見えている。
今日辿るのはどうやらこの尾根らしい。
車道をしばらく上がっていくと、堀切峠のお堂があった。
さらにその上に山手へ入る階段があって、電波塔らしいものが見えたが、ここから上がれそうだと感じたが、もう少し先へと車道を進んでみた。
やがて奥に民家が見えるところに差し掛かったが、ここがどうやら栂峰らしい。
コンクリーブロックの擁壁に折り返すようにして一本の道が。
北東方向に高い山並みが見えている。
サガリハゲと矢筈山のようです。
鳥居があって、奥に二つの祠。
お参りして裏手の尾根へと登る。
道はない、もう尾根方向に合わせて適当だ。
NTTの電波塔に出てきた。
傍に三角点。
994.2m三角点・小川だった。
その10分ほど先には同じくNTTの緑の反射板。
やっとこさ綺麗な新緑の自然林になってほっとする。
突然目の前を茶色い動物がサッと掠めるようにして逃げた。
リスにしてはやや大きいように感じたが、なにか分からなかった。
逃げた後へと近づいてみると、岩の下に穴蔵が…。
手を差し入れてみると気のせいか温もりが伝わってきたような???
囓られると怖いので奥まで入れるのを止めにした。
9時半を回ったところで、薄暗い大きな岩場に差し掛かり、相変わらず踏み跡はないが、ときたまあるテープを追っていく。
やがて展望のある岩場に出た。
どっかり腰掛けて、スポドリを口に含み景色を楽しむ。
眼前のどっしりした山並みは右に嫋やかな土佐矢筈山、真ん中に綱附森から天狗塚にかけての稜線、左端に待望の牛ノ背が見えた。
心が躍る。
相変わらず踏み跡はないが、テープもほとんど見当たらない。
ところどころ二重稜線になっていたりで分かりづらいが、とにかく尾根を追う。
クルマムグラ
9:49。突然に目の前にコンクリート舗装の林道が現れた。
ひょえ~、ショック!こんなとこに林道があるなんて、車でここまで上がれるじゃない。
クッソー!ヤケクソだ!
あくまで尾根を歩いてやる。
しかし、願いは虚しく、またもや林道に!
ところがここでコンクリー舗装は終わっていた。
ざまーみろ。
ふっふ~んだ。
林道から再び尾根へと適当に取り付く。
(帰路に気がついたが、左奥まで行くと、ここからは良く踏み込まれた明瞭な登山道があったのでした)
左国見山、中央中津山
ミヤマハコベ
ルンルンの登山道です。
残置トラロープ、そして赤い国土調査のテープも残置されたままでした。
突然、目の前に妖艶な白いお尻。
相手は気づいていない。
静かにカメラをかまえてシャッターを切る。
首を180度ねじ曲げて振り返った。
しばし時が止まったように睨み合い。
息が詰まる。
次の一瞬、鋭く土を蹴る音。
ドドドーッ!
林の中を死にもの狂いで逃げていった。
この辺りのシカは人間に怯えきっている。
普通シカは優しい目をしているが、このシカの目は恐怖で吊り上がっていた。
10:28、一本の若い桧(たぶん?)のある樫尾阿佐尻山の山頂に着いた。
思ってた以上のパノラマ。
国見山~中津山~寒峰
寒峰~徳島矢筈山~塔ノ丸~三嶺~牛ノ背~綱附森~土佐矢筈山
土佐矢筈山
京柱峠ズームアップ
近くの和田小学校生登頂記念標識
しばし、ぼんやり。
思い直したようにして、三方山方面への縦走路を歩き出す。
道は開けている。
終わりに近いヤマシャクヤク
振り返れば阿佐尻山
岩場に差し掛かった。
最初はグー、違った、右に、次の岩場は左に、その次の岩場も左に巻く。
木に白い蕾、バイカウツギのようだったが、なんだろう?
この花も調べてみたが分からない。
境界杭が防火帯に沿って延々と続いている。
茅が枯れて防火帯に敷き詰められたように倒れていた。
阿佐尻山から見えていた木の生えていない場所にやってきた。
裸地だ、ここは牧場跡なのかな?
鉄アングルには錆びた有刺鉄線が張られている。
テンニンソウ
花が咲いていたり、意外なものがあったりで、退屈はしなかった。
天狗塚から綱附森がはっきりと見えている。
11:50、三角点のある弘瀬山に到着。
阿佐尻山を出発しておおよそ一時間、この様子だとあと一時間ちょいで三方山にも行けそうだったが
ピストンして登山口までの時間を考えると、ここまでが限度のようだ。
どっかり腰を落としてお昼とした。
麓から正午のチャイムが聞こえてくる。
食後に飴をかじりながら、コーヒーを飲む。
至福の時だ。
白い雲は小さな子鯨に見えた。
ボーッとしてると瞼が閉じてしまう。
さて、帰るとしよう。
左の峰が阿佐尻山、その右奥真ん中の山が牛の背。
タオのところで、地図上に破線があって、その先は熊谷川の上にある林道へと繋がっていたので確かめてみた。
最近伐採作業があったのかそn踏み跡は濃いことが確認できた。
そしてもう一つの京柱峠への踏み跡も確認できた。
茅場を過ぎると、本日もっとも歩きよい尾根。
牛の背と天狗塚(ズーム)を眺めながらの稜線歩き。
釣井辺りの集落だろうか?
岩場を右、右、左に巻き、しばらくで阿佐尻山山頂に。
静かな時間がゆっくりと流れていく。
誰もいない山頂で寝転がった。
真っ青な空のキャンパスには白い雲の絵。
大口を開けたゾウアザラシと、耳が千切れんばかりにお尻を振りながら突っ走る白ウサギ。
祖谷に点在する郷が箱庭のように見えている。
カッコウの鳴き声が眠気をさらに誘発する。
ピストンはやはり退屈だが周回コースが見当たらなかったので仕方がない。
廃屋の民家まで降りてきた。
緊張の糸が切れてほっとする瞬間だ。
ふーっ!
そうだ、祖谷の豆腐を買わなくちゃ。
思い出した、佐々連さんに豆腐代金250両借りていたんだわ、返さなくちゃな。
利息がついてるかしゃん?
車の横でラジオ体操をしていたら、またもやてんきちさんに会いました。
山の話をあれこれして、話をしながら頭の中では、以前にてんきちさんと一緒に食べた美味しい祖谷の蕎麦を思い出して、しきりと懐かしんでいました。
駐車地点7:38-新居屋登山口7:43-堀切峠8:30-栂峰登山口8:38-994.2m三角点・小川(電波塔)8:58-反射板9:07-展望の好い岩場9:41-林道合流9:49-10:28樫尾阿佐尻山10:45-11:50弘瀬山12:26-13:22樫尾阿佐尻山13:43-三角点・小川14:33-栂峰登山口14:53-新居屋登山口15:16-15:22駐車地点
※地図上左クリック→グ-グルマップへ移動
栂峰から元井経由で熊谷川に車道が通っていますね。
これを使えば周回可能のようですね。樫尾阿佐尻山から北の尾根づたいか熊谷川への破線の道か。
三方山から釣井に抜けるというのもありでしょうか。
地図の上では何でもありなんですけどねえ。
おもしろそうですね、行ってみようかなあ、いつになるやらわかりませんが。
ほおほおこと坊主でした。
周回はいいのですが、長い林道歩きは止めましょう。
たまらなく単調で疲れます。
釣井に車を止めて、熊谷川からの破線を使い1327m峰、そして阿佐尻山北尾根下山。
もしくは同じく釣井から南西に延びる破線を伝って、三方山~阿佐尻山北尾根下山、もしくは1327m峰に引き返し、タオからの破線を伝って熊谷川へ下山。
出来ましたね、これはグッド、いけますよ。
ところで高知の尾根なんてどうですか、いい尾根がずら~り、その一つに久保影から登って口西山~勘定山、そして久保沼井に下山な~んちゅうの、熊が出そうじゃぞい。
でもヘタレでも生きて帰れるの???
明日から3日間お抱え運転手ですねん。
しかーし、どこもですが、人がまったく入っていない山はない。
ここもすでに先人たちが歩いている。
とはいってもヤブにはかわりないのですが。
示したとおり、北側の韮生川からそれぞれの破線のルートは、特に久保沼井から入る谷は地図で見る限り相当に深く切れ込んでいる。
見るからに怖いね~。
あの地形からしてひょっとするとひょっとしてひょっとするわ。
登山道は過去の台風などの後遺症があるかもよ。
一度覗きに行ってみたいけど、なんせ遠いから再々は行けるとこじゃないわ~。
京上からの県境尾根のほうが歩きやすいと思うねですが、むらくもさんには机上登山が出来るのですねー。
西丸震哉さんが机上登山を勧めていますが、これができるとむらくもさんの様になれるのですね。
近くに良い見本が出来て幸いです。
少しは爪の垢を。
ところで蛇長石、なんてどこから仕入てきたの?
はじめて聞いたのでインターネットで検索したけれどむらくもさんのがヒットしましたわ。
なんのこっちゃ。
先日のメールでいろいろ調べてくださったことも、ほんと引き出しが多い。
口西ー勘定、熊にごあいさつしないで済みますよう。お祈り申し上げます。
妻が韓国であかすりをしたそうです。
サウナ&お風呂&石膏パック
垢はボロボロ出ました。
そのあと指圧マッサージ、痛いのなんの飛び上がるそうですよ。
アンジーパパさんも足のリハビリにはこれが効き目ありそうでいいかもね。
机上登山?そんな大それたものではないようです。
京柱峠まで車での行き帰りの時間がモッタイナイので、それよりか少しでも早めに朝のおいしい空気を吸いながら麓から歩いたほうがいいかなというだけのことでした。
蛇長石はネタ元をばらしたら、な~んだってなことになります。
古本屋さんでたまたま購入したいまから70年前の郷土随筆集に載ってたものを引用しただけのことです。
おもしろおかしく書かれた古い話なので、科学的に裏打ちされたものではないとは思いますが、発行所が四国郷土研究会ですので、そういうことが当時あったという信憑性はきわめて高いようです。
蛇長石、この製造方法は怪しくかつ面白そうです。これはわたしの想像ですが、この石からは火薬が作れるんじゃないかなと、それでGHQが禁止したのでは。
火薬の製造方法は厩肥、漆喰か木灰、藁などの有機物を混ぜ、およそ高さ1.5メートル、幅2メートル、長さ5メートルほどの塊を作る。覆いをして雨などで濡れるのを避けながら尿を掛け、分解を促進させるために度々かき混ぜる。およそ1年後に水で溶かして液状化する。その液体には様々な硝酸塩が含まれるが、木灰をカリウム源とし、硝酸カリウムが 温度による溶解度の変化が大きいことを利用し加熱後、冷却をすると 結晶化によって析出出来る。その後火薬原料として使用に供される。
旧日本軍では、便所の床下の地面に堆積した物を採掘したり、枯れ草に尿をかけ発酵させて生成させたりして入手していた。
というものですが、蛇長石はこのとおりではないにしても、やや似ているのではないかと…。
糞尿を掛けたりして造るんですから、そりゃ、マル秘ですし、ばれたら誰も買わないワナ~。
あくまでもわたしの勝手な推測ですので、間違ってたらごめんなさいです。
よさこい峠に10時前に到着。一台のドライブ中の車が停車しており、止まれ、のサイン。
ゲートの数百メートル先で土砂崩れに会い、命からがら戻ってきたところとのこと。
どおりで寒風茶屋を過ぎて一台も対向車が無かったはずだ。
歩くのも無理とのことでしたので現場を見たかったのですが時間もなかったため名野川の登山口へ。
雨にたたられ、手箱越のあたりで引き返しました。帰りには土小屋方面のゲートが閉じられ、
ゲートより800メートルのところで崩落。全面通行禁止となっていました。
この方面に行かれる場合はご注意。
取り急ぎご報告まで。
あの辺りで斜面の岩盤が崩れたんでしょうか。
歩いても通れないような崩落だと復旧には少し時間がかかりそうですね?
今日、妻も瓶が森林道へ。
とはいってもいつものように寒風山だから、茶屋横のゲートはいつもどおりに開いてたんだと思います。
そのうち、ゲート辺りには注意書きが貼られているのかもしれません。
今日も暑かったですね。
涼を求めて塔の丸へ行ってきました。
予定では第7ヘアピン→1312.3△→1266P→破線の道から1055.1△→塔の丸
でしたが、1312.3△で枝尾根に迷い込み、登り返すのが面倒だったので切り株を追って笹平谷川が北から西へ向きを変える辺りに下り、そのまま徒渉して尾根づたいに南下しました。
この山域、手入れのされた人工林、雑木林、大きなブナの自然林と変化に富んでとても楽しかったです。
2度ほど虫(ブヨ?)にかまれ痛みが走りましたが、先日湿疹がでた際に皮膚科で処方してもらった強力軟膏をすぐに塗ったところ痛みもすぐに治まり、腫れもありませんでした。
かまれないに越したことはないんですが、完璧な防御方法がないので心強い味方です。