むらくも

四国の山歩き

三方山・鶏足山…徳島県

2018-05-02 | 四国の山歩き
三方山、鶏足山            さんぽうやま、けいそくさん


山行日                2018年4月29日
標高                 1303.3m、955m
登山口                西祖谷山村有瀬
下山口                鶏足山キャンプ場
駐車場                登山口側なし(林道路肩)、下山口側鶏足山キャンプ場
トイレ                鶏足山キャンプ場
水場                 登山口から20分弱のところにある沢水(標高950m)
メンバー               glicoさん、biscoさん、ピオーネ、むらくも



先週の坊主谷山行の折に、江崎隊のglicoさん、biscoさんたちと約束した三方山を歩くことになった。
山と渓谷社の分県登山ガイドでは、北側の今久保および中尾が登山口として紹介されていて、そちらから登るのが一般的なようだ。
今回は有瀬地区の方たちによって整備された三方山の西側の有瀬登山口から登る。
有瀬登山口は、林道有瀬中尾線といって、有瀬地区から延びている林道で、まだ造成中ということもあって登山口近辺はダート道だが、途中まで舗装されており、普通車でも快適に走らすことが出来る。

昔、今久保から歩いたときに、熊谷峠から南西に有瀬へ延びる破線の道をちょっぴし探ったことがあるが、倒木があったりして荒れていた。
この道を利用すれば、有瀬登山口を起点にして、標高1069m三角点・花山ー三方山ー熊谷峠ー有瀬登山口へと周回(江崎隊レポートカテゴリー三方山を参照→こちら)できるのだが、熊谷峠から西北西に派生する尾根途中に位置する鶏足山を入れて歩くことにした。

鶏足山登山口の鶏足山キャンプ場から有瀬登山口間は車で繋ぐことにして、調整した結果、有瀬登山口から登り、キャンプ場まで反時計回りで半周する形になった。
このコースをギッチャンさん(HP→こちら)が2年前(2016年4月)にショウジョウバカマが咲き、ほんの少し福寿草が咲き残る頃に歩かれているので参考にさせていただきました。
林道や登山道のあちこちから眺めることのできる山里の素晴らしい風景が楽しみです。



早朝4時半、赤いお月さんが西に沈むころ、自宅を出発。
明日は15夜の満月だ。
猪鼻トンネルでは気温が9度。
日中は夏日の予報が出ていたので、ペットボトルのお茶を1本凍らせたのをザックに入れた。
今年の4月は夏日がこれで8回を数えることになる。


                        落窪雲海展望所風景Ⅰ

6:40、鶏足山キャンプ場に到着し、ラジオ体操とストレッチをやっている間に妻は花を探しに、行場登山口から奥へと入っていく。
6:50、江崎隊のglicoさんbiscoさんのお二人がにっこり、ペコちゃん風でやってきました。
有瀬登山口へ移動、途中で落窪雲海展望所にて停車。

biscoさんによると、徳島県側の有瀬から吉野川方向に高知県の岩原や大久保辺りを眺めていることになる。
杖立山や梶ヶ森の山並が見えているらしいのだが、ピンとこない。
土地勘のないものには、貴重な話も豚に真珠、一番高いところが梶ヶ森で右に緩やかに下って、ちょこんとなったところが杖立山だろうか。

この風景を眺めながら、お茶を飲みながら茶菓子をつまみたい気分にさせられた。
お茶菓子には、甘いあんこ玉がいい。


                        落窪雲海展望所風景Ⅱ


7:38、有瀬登山口に着いた。
あれが鶏足山よとbiscoさんに教えられ、写真を撮るが、どれ?頭の中は??
蛙の面に水状態。
写真真ん中の鞍部から少し左の高いところで、その左のちょこんと尖がったところが眺望のある岩場でしょうか?


                         鶏足山

今日は作業はお休みのようでしたので、重機の置いてあるちょっとした広場に車を止め、7:50、道標のある登山口を出発。


             駐車地点                   三方山登山口

手入れされた植林の道を上がってゆく。


             取水タンク                   沢

ホウチャクソウ、シコクチャルメルソウ、ヤマルリソウだとかタニギキョウなどなど。
前を歩くお二人は観察に余念がない。
glicoさんとわたしは蚊帳の外、虫に咬まれ放題だ。

妻がオトシブミを見つけた。
すかさずbiscoさんが説明をしてくれる。
男二人は黙って聞き耳をピクピクさせる。

主にはなんたらオトシブミと呼ばれている首の長い小さな昆虫だが、なんたらチョッキリという名のオトシブミもいる。
その昆虫が、葉を丸めて中に1mmの卵を1個産んだものが、オトシブミだ。
調べると、作り方は、まるで折り紙のように工夫をし正確。
オトシブミを作るのはメス、作っている間にオスがやってきて、なんどもちょっかいを出すが、メスは知ってか知らずか知らぬ顔で夢中になって1時間近くかけて作り続ける。
メスは偉い。
辺りには直径3cm程度のたくさんのオニグルミの殻が落ちていた。
中身はリスなどに食べられたのか、空っぽ、殻と殻をこすり合わせるとクリクリッと乾いた音がした。


             ミヤマハコベ                 オニグルミの殻とオトシブミ

トリカブト群生地にやってきた。
採取禁止と書いた立札が立てられている。
珍しいトリカブトなのか、それとも毒なのでとったらあかんという意味なのか。
ひょっとして、コソッと採りに来るお人がいてるのかもしれない。
毒の犠牲者は、高額な保険金を掛けられた夫、オットット。
そのうち、biscoさんか妻かが採りに来る、くわばらー。
glicoさん気いつけや、わしはいつ死んでもええ、長生きしたし、山も足るばぁ歩いた。


            トリカブト                    道標

ふね経由三方山の道標に従って歩くと、ヤマシャクの群生地に出合う。
数は少ないが薄く淡いクリームイエローの花も見受けられた。


                       ヤマシャクヤク


            フクジュソウ                  ニリンソウ

尾根手前にある「ふね」という窪地は船底のような形をしている。
9:30、尾根に乗り、1166mPを経て、9:55、標高1069m四等三角点・花山に到着。
これから歩く三方山から鶏足山への尾根が、ハリギリの若葉の間から奥に見えた。


            ふね                      三角点・花山

1166mPへ引き返している途中、動物の糞のような妙ちくりんなものを足元に発見した。
妻のストックを借りて、突いてみると、木の皮のキメ細い繊維のようで、フワフワして柔らかい。
biscoさんがモモンガの巣で、ダニなどが湧いて不要になったものを、木の上から巣の外へ捨てたものだ教えてくれた。
木の上を見上げたが、巣穴はない。
他の場所から風に乗って飛んできた可能性もあるとのこと。
リスの巣もよく似ているが、繊維がもう少し太く、木の葉なども雑じったりしているようだ。

あれやこれやと話したり考えているうちに1166mPを下り、登山口から登ってきた分岐も過ぎ、山姥伝説の池に着いた。
biscoさんの説明によると、熊谷峠にある地蔵尊が、山姥をこの池に封じ込めたそうな。
池の中を覗き込んだが、水はなくから池。
底付近の斜面にはヤマシャクの花がちらほら、静まりかえっていた。


           モモンガの巣                    山姥伝説の池                     

再びヤマシャクの群生地でしばらく花を楽しんで、道標に従って尾根を進んでいく。
切株に書かれた風変わりな道標もあって、三方山まで25分と書かれていたりする。


           ヤマシャクヤク                    切株

気持ちのよい自然林が続き、開けているところからは登山口の林道が見え、奥には針葉樹林と広葉樹林の若葉で斑模様の黒滝山や野鹿池山がある。


                       黒滝山・野鹿池山方面

楽校の宿あるせと書かれた、道標が落ちていた。
有瀬をあるせと読むらしい。
ありせと読んでいた。

一人のトレラン風の男性に出会った後、11:50、三方山山頂に到着。


            道標                       三方山

三方山からは南に展望が開け、奥左から土佐矢筈山、小檜曽山、画面から外れているが高板山が見えている。
少し移動して、林の中でお弁当を広げた。

        
三方山からの展望   
                          
30分余り寛いだ後、三方山への尾根から見えていたツツジの咲く場所を通過し、ブナの尾根へ。


           熊谷峠へ                        ブナ
 
先行する女性お二人が、ブナの木を見上げてカメラを構えた。
淡黄緑色の小さい花をつけたヤシャビシャクは落葉草状低木で、主にブナの木に着生し、大きくならない。

13:20、山姥を封じ込めた地蔵尊のある熊谷峠に着く。
安政の文字が読み取れた。
ペリーが来航したあと、安政の大獄があったり、桜田門外の変が起きたり、なにかと不安定な時代の頃のもの。
この頃のお地蔵さんをときどき山中などで見かけたりする。


            ヤシャビシャク                   お地蔵さん

鼻息荒く登りたがっていたglicoさんを二人の女性が諫め、標高1154mの丸山を右上に見てやり過ごしたあと、丸太の架かった小さな橋に。
尾根道と、大久保登山口への分岐点だ。
渡って右に行くじゃの、いや尾根への階段を上るのじゃのと小さな諍いが4人の間で起きた。
glicoさんの話では、右へ行くと尾根への巻道があるとのこと。
なんだーかんだー、すったもんだで尾根に戻った。

小さなコブをいくつか乗り越えて、鞍部で小休止。
glicoさんが冷えたコーラをザックから2本取り出し、4人で分けた。
冷たくておいしい。
これからの季節は冷たいのに限ります。
もう少し気温が上がった頃には、アイスキャンデーかソフトクリームなどを持参しようではないか。
そういう特殊な保冷剤を売っているらしい。

glicoさんが烏帽子山西尾根山行計画を持ちかけた。
うん?なんのこと??
わたし(むらくも)が計画したものだと言う。
うん?思い出さない。
石堂山とはき違えてしまったわたしは、あの西尾根は鹿除けネットが延々と張られていて、歩けたもんじゃないと答えてしまった。
いかん、すっかり耄碌してる。


            丸太の木橋                     小さなコブ                                                                

その後、再び歩き出したが、耄碌爺はますますボケてしまってゲンナリだ。
14:30、標高1173.6m四等三角点・有瀬北に到着。
右手には鹿除けネットが張られ、ときどき網目に足をとられる。


           三角点・有瀬北                   鹿除けネット          

15:25、標高1129.8m四等三角点・重末南に着いたが、かつて伐採された北斜面はウリハダカエデが繁り、以前に来たときと様子が変わっていた。


           ウリハダカエデ                   三角点・重末南

重末南では北に景色が開け、祖谷山系の風景を楽しめた。
写真には写り込んでないが左に国見山があって、祖谷川に向かって先週に歩いた田丸の尾根が下っている。
祖谷渓温泉の建物が見え、右へ中津山、マドの天狗、寒峰台地、寒峰、烏帽子山、サガリハゲの右手には尖がった滝下の天狗がくっきり。

glicoさん、眺めながら41度の心地よいお風呂に浸かったときのように、ふんわりしたいい顔をしている。
熱過ぎるお風呂に入ると「あ”~あ”~はっふーっ!」となって顔に力が入り、体には良くない。
祖谷山系の山並を眺めながら、ツバメのように鋭く後ろに折れた翼をキューっと操り、空を切ってあの頂まで飛んでゆきたい。
そんな気持ちで飽きずに見つめていた。


                       祖谷山系

烏帽子山からサガリハゲと滝下の天狗をズーム。
右のほうに小さく塔ノ丸や剣山系と思われる頂がわずかに写り込んでおり、トギの頂きも左側手前にちょこん。
トギの山頂からは熊谷峠へ伸びる尾根があるが、手強いヤブに阻まれていたのを記憶している。


           ズーム                     ヌタバ

どこからかポポーと、ツツドリのほんの少し寂しそうな鳴き声が聴こえてくる。
用意していた国土地理院の地図を山以外のどこかで紛失。
登山口から心もとない気持ちで歩き続けているが、間違った細尾根に踏み込みそうになったときには、すかさず後ろから助け舟を出してくれる。

鶏足山手前の鞍部分岐まで降りてきたときに、glicoさんがいないことに気づいた。
カメラの偏光レンズを落とし、歩いてきた尾根を探しに引き返したらしい。
レンズの値段は高額、見つかればいいが…と思いつつザックを降ろし待っていると、500mほど引き返したところで見つかり、すぐに戻ってきて一同ホッとした。

ザックを鞍部に置いたまま、標高955mの鶏足山に登り、西にある岩場に向かった。


           快適な尾根                    吉野川    

岩場に上がって、眼下の吉野川を覗き込むようにして眺め、梶ヶ森や三方山登山口のある林道有瀬中尾線を確かめた。


                       パノラマ   

三方山登山口をズームアップ。
青い重機と登山口が小さく写りこんでいる。
風が下から吹き上げてきて、帽子が飛ばされそう。


           三方山登山口                  ザイフリボク        

岩場を下りる。
わたしと女性二人はおとろっしゃーのへっぴり腰で。
glicoさんはひょいぽん、跳ねて降りた。
目を見張った。
体力も脚力も、体のしなやかさとバランスも、バネのような筋力もなにもかも持ってるものがわたしたちと違う。

鞍部へ引き返し下る。
小さな小さな何とかリンドウと花たち。


             岩場                     ○○リンドウ


          ニョイ(別名ツボ)スミレ                   ヒトリシズカ            

17:30、西日が当たりカキドオシの咲くキャンプ場に下りてきた。
三方山登山口へ車を回収しに行くため、glicoさん、biscoさんとはここでお別れ。
最後までお世話になりっぱなしで申し訳ない。

帰り道、ころころと車道を横切って山の斜面に駆け上がる二匹の狸が印象的でした。


         カキドオシ                     鶏足山キャンプ場

三方山登山口7:50-三角点・花山9:55-11:50三方山12:25-熊谷峠13:20-三角点・有瀬北14:30-三角点・重末南15:25-鶏足山16:35ー17:30鶏足山キャンプ場
※途中寄り道等多くの時間を割いた為、あくまでも参考タイムとしてください。


拡大地図→こちら
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