むらくも

四国の山歩き

火ノ山・挿頭山…香川県

2018-03-02 | 四国の山歩き
火ノ山、挿頭山            ひのやま、かざしやま


山行日                2018年2月27日
標高                 246.9m、134.2m
登山口                高松市国分寺町新名「橘ノ丘総合運動公園」奥
下山口                綾川町畑田
駐車場                橘ノ丘総合運動公園に広い駐車場あり
トイレ                同上
水場                 なし(公園内に自動販売機あり)
メンバー               ピオーネ、むらくも




幼い頃に、保育所へ行かずに、友だちと近くの煉瓦会社へ行って針金で吊るした芋を煉瓦を焼く穴に入れて焼き芋にして、それを手にしてトロッコに乗って食べて遊んでいた。
保育所から親に通報があったのだろう、それを知った親は説教を垂れた。
聞く耳持たず、翌日には再び同じことをして遊んだ。
頑固な子だったらしい。
怒った親は、押入れに放り込んだ。
絶対に泣かない。
ジッと耐えていれば親は根負けしていつかは必ず出してくれる。
3~4時間も我慢したらそのとおりになった。

保育所が面白くなかったということもあるが、なんで反抗するのか当時は自分でもわからなかった。
次の日にはやっぱり保育所に行かず、竹竿を持って近くの池に釣りに行った。
とうとう堪忍袋の緒が切れた親は、ばあちゃんがお灸をしていたもぐさを持ってきて、裸にされて、大きく丸めたもぐさをお尻に載せて、「ゆうことをきけー」ちゅうて火を点けた。
火が大きなもぐさのテンコツにちょこんと点いてるときは、どもない。
黒い焦げ目がじわっと下がってきて、赤い火が横に広がり煙がもうもうと立ちだす。
ウワーッ!熱いーっ!
どや!保育所行くか!
止めてー!
行くゆうまで止めんぞ!
泣いた。
ただし、行くとは云わなかったように記憶している。
可哀そうに思ったのか、消してくれた。
ヤケドをした記憶がないので、たぶん、火は皮膚には届いてなかったのだろう。
次の日は、一人でとぼとぼと道を遠くまであてもなく歩いた。
踏切を越えて、ソウレンにくっついて、焼き場まで行った。
煙突から煙が上がるのを眺めて、なんだかつまらなくなって帰った。

その後、大きくなって、お風呂屋さんにいったときに、お年寄りの背中のお灸跡を見つけるたびに思い出した。
赤い火がもうもうと煙を立てている大きなお灸の山を…。

というわけで、今日は高松市国分寺にある標高246.9mの火ノ山へ行くことになった。
なんのこっちゃ。
ついでに挿頭山にも登ることになった。


火ノ山の山名の由来はよくはわからない。
善通寺五岳山の一つ、火上山と同じく、戦国時代の敵の来襲を知らせる狼煙台が、かつてはあったのではないだろうかという説がある。
知らせはどこへと訊ねられると困る。
お城のあった勝賀山だろうか、なにしろ昔は館もしくは城と呼ばれるものは香川県で400、国分寺だけでも6つあったらしい。
火ノ山の隣の堂山には東麓58mほどの丘上に北岡という城があったそうな。
いつだれがどこから攻めてくるかわからない時代のこと、そこかしこに狼煙台があってもおかしくはない。


  橘池と総合運動公園                 鷲ノ山

お店に寄って、太巻き弁当を買って、公園の駐車場に車を止めた。
今日は当初、雪山に行こうかと思ってたので、火ノ山に決まったときから気持ちがトロトロに緩んでしまってピクニック気分だ。
快晴、気温も上昇、梅の花は咲き、すっかり春景色だ。


          山側へ                    登山口

昨年の台風による被害以来、相次ぐ寒波襲来もあって、野菜が高騰している。
キャベツなんかはいっときひと玉500円を超えた。
大根なんて、太くてたくましいのはない。
ほっそりとスマートでなよなよしている。
それでも半分に切り売りしているほどだ。
お客さんのために赤字覚悟で値段をつけてるところもあるそうで、努力に涙がちょちょびれてしまう。
しかし、それももうすぐだ。
3月になれば安くなるだろう。


          尾根                      岩

畑作物に比べて、工場などで作られるものは価格が安定していて安い。
もやし、椎茸やなめこなどのキノコ類をたくさん食べた。
豆苗などは一度買って、根元を切ったものを窓際に置いておくとまた生えてくる。
放置しておくとうじゃうじゃわさーっと伸びて、おい、どこまで伸びるんやと聞きたくなるくらいだ。
成長力逞しく、薄くなったわが頭を見ては羨ましがっている。
そいつを二度刈りして、もう一度美味しくいただく。
三度目はさすがに栄養が行き届いてないのか、伸びるが、ほそほそだ。


                        火ノ山山頂

やっぱり栄養なんだな。
元気は若さだ。
ひょっとすると、血行を良くしてやり、栄養を与えてやると我が毛髪も伸びるかもしれん。
わしゃもしゃーっと!ヌフフフ

登山口は公園の奥にあるが、入り口が少しわかり難い。
そこへ至るまでに、マムシ注意の看板がやたらと立ててある。
イノシシ注意の看板もところどころにある。

入り口にはなぜか、トラロープが張ってあって、ロープを跨いで入ったところの木の幹に申し訳なさそうにして火ノ山登山口の板が括り付けられていた。
奥には階段があって赤テープがちょこまか施されている。

急登だがちょい上ると二段巻きの赤テープがある尾根に乗る。
左からも踏み跡があって、T字の交差点となっている。
橘池に近い尾根北側のどこかに登山口があるようだ。
あるきよい西縦走路を歩き、岩場を過ぎて、あっという間に火ノ山山頂に着いた。
三等三角点・西大谷が埋設されている。


           祠                        道標

祠があって、小さなベンチの上には登山日誌が置かれている。
案内図のファイルがあったが、生憎とルートマップは品切れだった。
登る途中で正午のチャイムが麓から聞こえていたので、ベンチに座ってお昼ごはん。
ふわふわ卵の太巻きと熱い味噌汁がおいしい。


          生い茂る樹木                    東峰

山頂までが西縦走路なのだが、その途中で道標のないところで、右への薄い踏み跡があった。
妻が展望があるところかしらなんて呟きながらヨロヨロッとそちらへ踏み込んだが、なにもなし、がっかりした顔をして引き返してきた。

アホが見~る、ブタのケーツ(*'▽')だ。

小さい頃、あらぬところに向いて、あっ!と小さく声を出してやると、一緒に遊んでいた友だちがなんにもないのに必ずそちらを見る。
そしておもむろに、「アホが見~る、ブタのケ~ツ」と言ってやるのだ。
周囲の仲間が一斉に笑う。
二度と引っかからない子、三度も四度も引っかかる子、怒る子、苦笑いする子、そっぽを向く子、その様子がたまらなく面白かった。
誰がそんな遊びを広めたのだろうか、なぜブタのケツなのか、謎のまま大人になって、その遊び言葉は永いこと忘れていた。

山頂から南への踏み跡を下ると南石舞台の展望所へ寄ることが出来るのだが、パスして、東縦走路を歩く。
標高242の東峰に到着。


                     猪尻山・袋山・六ッ目山

東峰からさらに北へと入り込み、標高231mの北峰に寄って、奥にある展望所から三角錐の袋山と、六ッ目山を眺望。


            北峰                      東東峰

里山に多いネズミモチ、ネジキ、アベマキ、バベ(ウバメガシ)カマツカなどなどが茂り、ときおり足元に千両が生えている。
再び北峰、東峰へ戻り、標高215m東東峰に。


                        東石舞台

中原西登山口遊歩道への分岐があったが、東へと下ると、岩が現れた。
景色の開けた東石舞台だった。


                         挿頭山

岩に上がって見下ろした風景は、これから行く挿頭山…。


                      クレーター五座

R32号の傍に奈良須池と立石山があって、奥に日山、実相寺山などのクレーター五座が見えている。
奈良須池とクレーター五座の間には、香東川が浄願寺山と石清尾山の西裾野を流れ、高松宇野航路船が走る沖へと注ぎこむ。


           縦走路                       南東峰

クヌギ林の中を東南東へと下ると、標高106mの南東峰にたどり着く。


           みかん畑                       梅花              

やがて、主のいない、脚立がポツンと取り残されたミカン畑に出る。
畑の奥には満開の鮮やかな紅梅が一本、アブラゼミの抜け殻が幹にしがみついていた。
昆虫記を書いたファーブルは、セミには耳がないと云ったが、実は耳はお腹側にあった。
セミの声しか聞き取れない耳だそうで、メスを呼び寄せるためのものだそうだ。
他の音はとんと聴こえてない。
鳥類や動物たちは頭についていて、他の音には敏感だ。
うさぎやロバたちは立派過ぎる耳を持っていて、音の方向に耳をひくひく捻じ曲げる。
人は、進化する過程で耳を動かすことを(まれにピクピク動かす人がいるが)捨てた。

しかし、セミの耳はなぜお腹なのか。
太鼓腹から出す自分の音が、メスを呼び寄せることのできる立派な音かどうかを、きちんと聞き分け確認するため。
一日中、夜遅くまでゼッゼゼッゼとますます大きく張りあげて鳴くのだ。
信じる者は救われる。


           R32号                     オオバヤシャブシ

道なりに下りてゆくと、R32号に出た。


          R32号・堂山                    法面上

信号のある交差点からは、かざしうどんと温泉の看板が見え、挿頭山の裾に回り込んで法面を上がる。


          竹やぶ入り口                    尾根・境界杭

挿頭山へ登る踏み跡を探したがない。
仕方なく、ゴゾゴゾと竹やぶの中へ入っていった。
尾根筋を追ってゆくと竹はなくなり、比較的空いた灌木の林になった。
足元には境界杭がところどころにある。


           電波塔                        点票

R32から40分弱で電波塔のある挿頭山山頂に飛び出す。
木の幹にはマルコメさんのおなじみの点票がくくりつけられていた。


           山頂                       コンクリート段               

傍らには四等三角点・十三塚と、石仏と祠がある。
十三塚という地名が麓にある。

挿頭(かざし)とは、かんざし(簪)とも読むそうで、元々は草木の枝や花(造花も含む)を髪に挿して飾ることらしい。
万葉集に「わが背子が挿頭の萩に置く露を」という句がある。

下山口は二か所あって、電波塔を左に回り込むようにして下りるとかざし温泉方面へ。
わたしたちは南への太い道を下った。


           挿頭山                        お寺      
             
コンクリート段を下りて、東へ回り込む。
近くに大正15年に開業した高松琴平電鉄の挿頭丘駅がある。
小さな池を回り込んで北へ行くと、小さなお寺の西照寺の門前を通過。


           堂山                         梅花

車道歩きをしながら駐車した橘ノ丘総合運動公園へ、ゆるゆる帰る。


                        白梅・雀

堂山が見え、紅白の梅が咲き、雀が遊ぶ。


                        雲雀
                  
堂山へも登ろうかと思ってたが、足重く元気なし。
田んぼでは雲雀が縄張り競いをしていた。


                        火ノ山

田畑を縫うようにつけられた農道からは、歩いた火ノ山の尾根を一望できる。


              鴨                      事故!

ため池ではゆるんだ水面に鴨が浮かぶ。
救急車が走った。
高速道路を覗くと…大事ないといいのだが。


             鷲 ノ山                     橘の丘総合運動公園

妻とオオバヤシャブシとヒメヤシャブシの違いなどをだべくりながら、公園に帰ってきました。
散歩する方から、「山歩きですか、元気やな」と声を掛けられたり、わんちゃん連れの方と挨拶したり、ポカポカと暖かい一日でした。


                         福成寺寒桜

帰り道、ちょこっと福成寺の寒桜を覗きましたが、夕方のテレビニュースで6分咲きと報じられていました。
春の嵐がやってくるとのこと。
そのあと、気温は20度ほどに上がる日もあるらしい。
四国の高山では雪はすっかり融けてしまうだろう。

登山口11:48-12:25火ノ山山頂12:47-北峰展望所13:05-東石舞台13:20ーR32号14:00ー挿頭山山頂14:38-山原下山地点14:41ー15:58橘ノ丘総合運動公園


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