むらくも

四国の山歩き

1400.1m峰~1403m峰~1374.8m峰…愛媛県(野地峰~東光森山間)

2014-04-26 | 四国の山歩き
1400.1m峰(二等三角点・大野)、1374.8m峰(四等三角点・別子)



山行日              2014年4月24日
登山口              新居浜市別子山
駐車場              なし(林道広い路肩)
トイレ              なし
水場               地獄谷、戸ノ谷川
メンバ-             単独




風が気持ちよくて、散歩をするのにうれしくなる気候になった。
花の移ろいは早い。
桜はあっという間に咲き散って、木には葉が茂り、青々としている。
土手に咲いていたハナニラや、クサオウの目を惹く黄花ももう見えなくなり、鮮やかな紫色のすみれも終わりかけの様子。
スイバやイタドリも柔らかい芽がすくすく伸び、そしてクコの葉も瑞々しい季節だ。
茶色っぽかった裏山はいつの間に新緑でこんもりと盛り上がり、なんとなくふっくらして丸まっちくなっている。
畑では麦の穂にイガイガしたヒゲが伸びて、実りの準備をしだした。
この頃になると、海ではまだ小さな小さなカレイやハゼの子が砂浜近くの小石の傍や藻のなかでジッとしているのを見かけるようになる。

日照時間も随分と長くなり、おおよそ13時間20分、5時には東の空が明るくなり、19時頃になってやっと薄暗くなる。
多少迷い込んでも、時間を掛けてゆっくり山歩きをするには安心して歩ける時期だ。
2年半ほど前の2011年12月、ひょんなことから野地峰~東光森山の稜線を一気に歩かずに、3分割して周回歩きすることになり、手始めにその年の雪の積もった日に新居浜市別子山大元から5人で取りつき、地獄谷上流を渡渉して1374.8m峰三角点・別子に登り、東光森山から下山した。
そして2回目はその翌年2012年の9月に、単独で四国中央市富郷町津根山の折宇から取りついて、野地峰に登り、1400.1m峰三角点・大野から下山した。



その時のログが上の地図ですが、その後中断してしまい、真ん中の1400.1m峰から1374.8m峰を歩き残していた。
中断した原因はどう周回するか、ル-ト取りになかなかいい案がすぐに思い浮かばなかったこと。
その年の11月、思案するよりはとりあえず探索してみようということで新居浜市別子山へ出かけ、地獄谷と戸ノ谷川を渡渉し、崖の急斜面を這い上って1400.1m峰から派生する北の尾根に乗ることが出来た。
その尾根は前回歩いたことのある見覚えのある地点だった。
このとき、あとは1374.8m峰までの稜線歩きだし、そこからは歩いたことのある地獄谷への尾根だし、楽勝だと思った。
これがいけなかったようで、すでに歩いた気分になってしまい、今日まで行き損ねた一番の原因でした。

突然、思い出したようにして行く気になった。
地獄谷、これで4回目の訪問になる。
2年半ほど前を思い出し、随分と懐かしい気持にさせられました。



5時起床、朝食のパンも山の上で食べるお昼の弁当もすべて準備済み、顔を洗って、30分後に自宅を出発。
国道11号線を走り、法皇トンネルを越えて金砂湖に架かる平野橋を渡って県道6号線へと右折する。
法皇湖のしばらく先にある大野への小さな橋(左折)を渡って、大野からくねくねと車道を上っていく。
奥まった三叉路のところに一軒の民家(廃屋)があって、その先の広い路肩に車を駐めた。

靴を履き替え、スパッツを着けて7:00、三叉路へと引き返す。
両脇の道端にはイノシシの捕獲檻が三つほど据え付けられていたが、景色はのどか、桜などがまだ満開だった。




小さな小屋が道沿い谷川にあって、その横に着いている細い道を下り、すぐに民家の横の綺麗に整備されたお茶などの畑地が目に入る。




民家と反対方向に道を辿り、ハリバンが敷かれた杉林へと入って行く。
遠くからはシカの鳴き声が聞こえてくる。
今日は放射冷却だろうか日中には平地で22度から23度に上昇するそうだが、ヒンヤリして寒いくらいだ。




杉の樹冠越しにはこれから向かう、1400.1m峰から北へ派生する尾根筋が見えている。
ちょこんと飛び出たところは三角点・折宇のある標高994.5m峰だろうか?
ところどころでハリバンなどがあるこの道は、銅山川の支流で戸ノ谷川、さらにその上流で二つに分かれ、一方は南へ、一方はやや西に向きを変え地獄谷へと遡るが、その地獄谷の分岐点にやや近いところへ通じている。
この山域は住友林業の保有林となっているようです。




谷からせせらぎの音が聞こえてくる。
これが地獄谷なのですが、地名ほどにおどろおどろしい雰囲気には今時ない、普通にある谷川ですが、台風や大雨の時には一変して荒々しくゴンゴン音を立てて流れるのかもしれない。
せせらぎに交じって野鳥たちの鳴き声が耳に優しく聞こえてくる。




ほどなく杉林が途切れて、地獄谷を渡渉。




対岸に渡って、注意深く踏み跡を探し、再び植林の中を歩く。
道はところどころで崩れているところもあり、渡した木の橋も朽ちかけ危険、山側にロ-プが張ってあったので、途中で切れてしまわないか確かめながら、用心深く渡っていく。

再び水の流れる沢に出合う。
戸ノ谷川上流の沢でした。




道はほとんど消えかかっており、杉の落ち葉もあって分かり難い。
またまた、小さな沢に出合う。
渡った先からは踏み跡は見当たらない。
ここからは適当だ。




やがて岩の崖に行き当たった。
2年前の探索歩きしたときも、もう少し先まで歩いたが、急峻な崖だったのを思い出し、思い切って早めに出来るだけ岩崖を避けながら這いずり上がっていくことにした。
根を摑みながら、木に体を預けながら、なんとか登りきると、尾根の肩に出たようで、そこからはわずかに南の尾根筋が見える。




見覚えのある伐採地に出た。
記憶ではここからしばらく上がると雰囲気のある自然林の林に出て、そこには折宇からの踏み跡があって、苔蒸してはいたが陽が当たる炭焼き窯がある。

エイザンスミレ




タチツボスミレ
杉が伐採されて、陽が当たるのですみれがあちこちに咲いています。
炭窯があった方向へと尾根とは反対の右に振って登ったところ、行き着いたところは雰囲気のいい炭焼き窯跡地ではなく、以前にはなかった殺伐とした林道が走っていました。
様子からして、折宇と大野の集落を繋ぐ林道のようでした。




林道からは西あるいは北西方向に景色が開け、これから歩く稜線がよく見えていました。
そして写真は北西方向の赤石山系の山並みです。
右から二ッ岳、イワカガミ岳、エビラ山、黒岳、権現山、東赤石山の素晴らしい眺めです。
ここから見る限りでは、雪はもう残っていないようですね。




そして眼下には起点とした車道と民家が見えていました。(少しズ-ム)
林道を歩き尾根へ向かいましたが、法面が高くて尾根に上がれず、少し折宇側に寄ったところで取りついたのです。




左側には杉林が続き、尾根筋にはシャクナゲが行く手を遮ります。
今日初めての赤テ-プを発見。




タムシバが白い花を高い枝いっぱいに咲かせていました。




ワイヤ-が残されていて、かなり年数が経っているのか、太い幹に食い込んでいました。
やがて、笹の斜面が現れて、頂上が近い様子です。
すぐに背丈ほどの高さの笹藪に突入、笹からは黄色い細かな埃が舞い上がります。
PM2.5や杉花粉などが積もったもののようで、たちまち喉にきてイガイガした。




覆い繁った笹藪をかき分けて登り着いたところが、ドンピシャの三角点・大野がある1400.1m峰でした。
時刻は登り始めて3時間余り経った10:19、ここで大休止です。
写真に写っている青いストックはネット通販で購入した一脚カメラストック、普通のストックですと4~6000円はするのですが、これは一脚の機能が備わっていてなおかつその半値以下、しかもコンパスまで着いてました。
しっかりしていて使えます。

バナナを食べて13分ほどで出発。
南には高知県の山並みがくっきりと見えています。
笹の向こうには山頂まで林道が走っている早天山とその右に加茂次郎山も見えていました。




縦走路は2年前と比べ笹などで茂っているものと思ってましたが、意外と茂ってなく歩きやすい。
バイケイソウが芽生え、いい雰囲気。




後ろを振り返ってみたところ、1400.1m峰の右奥には黒岩山と重なるようにして最奥にうっすらと白髪山、その左奥にトンガリ頭の大登岐山、その左奥にこれもうっすらと工石山の頂。
野地峰は残念ながら、山陰になっていて見えないようでした。




1403m峰に近づいたところで右手に折り返すようにして踏み跡があった。
あれ?どこへ続いている踏み跡なんだろう?
訝りながら1403m峰に到着、時刻は10:55、すぐに直進方向に着いていた濃い踏み跡を辿ったが、どうも様子がおかしい。
地図を取りだし、プレ-トコンパスを押し当ててみた。
方向が違っている。
引き返して、先ほど見た折り返すようにして着いていた北への踏み跡を辿った。
やがてじわりっとカ-ブを描き、西へと向いたので、間違いないと思った。
景色が開けたので前方を眺めると稜線が見えており、先ほどの山頂から直進した方向には稜線はなく、斜面は高知方面へ落ち込んでいた。

歩きよい稜線のお陰で歩く時間が捗ります。
前方の稜線には1374.8m峰の向こうにいい高い山が聳えてますが、これは東光森山ではなくその手前の1454m峰のようです。
左側にドデンと見えている山は大座礼山方面で、その右奥に白く雪を被った笹ヶ峰が見えている。
笹ヶ峰は石鎚山と並んで雪が遅くまで残っている山のようです。




東赤石山が随分と近づきました。
※一番高い山が東赤石山、物住ノ頭も尖って見えてますね。
右には権現山、一番左奥に小さく見えている山は西赤石山のようです。




アセビの花。
やがて展望の好い岩場に着きました。
時刻は11:29、ここでお昼ご飯としました。




早天山と加茂次郎山の間には早明浦ダムの湖面が青く光っており、その手前右手には岩躑躅山。
長閑な景色を眺めながらのお弁当は格別に美味しい。
正午を報せるサイレンがどこからか小さく風に乗って流れてきた。
山肌にはポツポツとピンク色をしたアケボノツツジが咲いていた。
30分余りでどっこいしょと腰を上げ、再び歩き出したが、なにか寂しい感じがした。
なにか判らないがちょっといやな予感がしたので休憩場所に引き返したところ、そこには一脚カメラストックが転がっていた。
ありゃりゃ、相変わらず呆けてるね~。




お-っと、アケボノツツジだ。
斜面の少し下だったが、今年初めて間近で観賞することができた。
直ぐ下に見える集落は高知県の大川村にある水谷でしょうか?




再び歩いてきた道を振り返った。
左奥に1400.1m峰、その右手前の高い山が1403m峰。
休憩した岩場から直ぐ先のところでも展望の好い小ピ-クがあったので、ここでもしばらくボケ-ッと景色を楽しむ。




アケボノツツジはまだまだ蕾がたくさん着いているので、この週末には見頃を迎えるかのかも。
シャクナゲも蕾が着いてますよ。
稜線では小鳥がたくさん飛んでました。
動かずにじっとしていると、いくらでも近くの枝で遊んでくれます。
種類も多く、ヒガラ、シジュウカラ、メジロ、コマドリ、ミソサザイ、遠くではツツドリも鳴いていました。




小さなコブを二つほど越えて鞍部に下ったところには頭のない三界地蔵さんが鎮座してました。
ここは昔の峠でしょうか、愛媛・高知方面の斜面を覗いたところ、うっすらと踏み跡らしき道がありました。
地蔵さんの台座左側面には文化5年でしょうか、と共に三嶋・久四朗の文字があり、右側面には施主・別子大湯、新屋吉蔵と彫られていました。
文化5年とはいまから206年前の1808年のことです。

シロモジの花




やや左正面には大座礼山が聳えていますが、この位置から眺めると、こういう感じで見えるんですね。
今居る稜線から東光森山を経て大田尾越えに下り、そして大座礼山への稜線に続くというイメ-ジがありましたが、そうではなく稜線よりはやや南寄りにあるということでしょうね。

南南西方面の稲叢山辺りを撮影したのですが、東門山から西門山でしょうか、ちょっと疑問符付きです。




西方向に撮ってみました。
思いきりのズ-ムですが、カメラの性能が5倍なのです。
写った山は左端に冠山、右に笹ヶ峰で山頂付近は白く輝いています、そしてその右のトンガリ山は沓掛山でした。




本日最後の登り斜面で一汗かくと、2年半前に立ったことのある1374.8m峰、三角点・別子、時刻は12:37。
記念写真を撮って、熱いコ-ヒ-で一休み。




さってと、休息を終えてここから下る一方ですが、先ずは深い笹をかき分けて北へと突き抜けます。
しばらく我慢するとやがて辺りは笹のない歩きよい自然林。
そして植林地の斜面に入り…。




急斜面をずりずり下って、林道に降り立ちます。
この林道は以前には行き止まりだったのです。
しかしはっきりとは確信はできませんが、1400.1m峰への尾根手前で出合った林道と繋がっていると感じました。

林道を横切り、尾根をさらに下りきったところで左に地獄谷上部の沢が見えてくるので西へと方向を変えて、谷を渡る。
踏み跡は分かり難いが渡る位置にはピンクのテ-プが施されており、対岸にはそれらしい踏み跡があるので、それにお乗るとあとはやや崩れかけたところもあるが、起点先の林道へと繋がっている。




葉に艶がないのでフタリシズカ…?
炭焼き窯跡の石積み。




林道に出て、小屋のある畑地へ。
ダ-ト道からアスファルト道に変わり、14:12、駐車地点へ帰着。
靴を脱いで、着替えていると、車がやってきて目の前で止まった。
「藤棚を見学しにきたのですが、この辺りなんでしょうかね?」
「この道はこの先行き止まりですよ。藤棚はこの辺りにはないので道を間違ったのでは?」
お礼の言葉を残して引き返していきましたが、藤棚って?大湯にある別子山森林公園のことなのかな?





帰路、標高おおよそ600m辺りの畑地のところでは、アケボノツツジが咲き誇っていて、木の根元には落ちた花でピンクの絨毯。
もう、来ることはたぶんないとは思うのですが、のんびりした里で綺麗なところで、瞼に焼き付きました。
この山をもう一度訪れるとしたら、野地峰から東光森山まで一気に縦走でしょうね。
その方が達成感があるような気がしました。
それよりもなによりも、ここのところの気温の上昇で、こうもアケボノツツジが咲き進んでいるとは思いもしませんでした。
東光森山に咲くアケボノツツジがどんなんかな~、心がちょっぴし惹かれました。




起点7:05-地獄谷7:32-戸ノ谷川7:49-林道出合8:57-10:19<1400.1m峰>10:32-1403m峰10:55-11:29展望の好い小ピ-ク12:01-三界地蔵12:15-12:37<1374.8m>12:51-林道出合13:25-地獄谷13:40-林道合流13:59-14:12起点


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