むらくも

四国の山歩き

天堤山~三角点・津根山…愛媛県

2013-11-01 | 四国の山歩き
天堤山              あまつつみやま



山行日              2013年10月28日
標高               1146.6m
取りつき地点           四国中央市富郷町落合
下山口              富郷町藤原集落上の林道
駐車場              なし
トイレ              なし
水場               なし
メンバー             坊主さん、むらくも




16日、台風26号による土石流災害が伊豆大島に起きたが、間なしに27号・28号台風が発生し23~25日に四国南海上に近づいてきた。
幸いにもといっていいかどうかは疑問だが、大きな被害もなく二つとも太平洋側沖上空を通過し、温帯低気圧になった。
気象庁の予報では当初から四国上陸の可能性は低く、特に28号の影響は少ないという見方だったが、それでもなんとなく怖さを感じるような台風だった。
もし上空の東へ吹く偏西風が弱く、この台風が予想進路を北へずらしたとしていたら、二つの台風が日本列島を挟み込むような形で進んでいったと思われる。
この場合は大型の二つ玉低気圧というもっとも恐れる現象になるが、そういうこともなく無事通過しホッと胸をなでおろした。
偏西風様々でした。

26日には弱く吹いていた風も止み、天気の回復が見込まれた。
27日以降は台風一過晴れの予報、しかし、台風の翌日に山へ行くには大雨の影響が残っているので避けた方がいいだろうということもあってそれまでに計画していた山を早くから中止にして、翌々日の28日にまったく異なる山域へ出かけることにした。

谷も沢もなく、ここならまず大丈夫という山、しかし、静かな山、愛媛県の銅山川南にある天堤山を選んだ。
当初の計画では坊主さんと二人で富郷町藤原の林道奥から登って、三角点・津根山から兵庫山への稜線を歩き、兵庫山から落合へ下る予定だった。
しかし、どうも二人の軟弱な足では日の短くなったこの時期に明るいうちに下山することは覚束ない。
要するに暗くなった山中を彷徨する度胸はとんと持ち合わせていない二人なのです。

うんと短くした。
落合から天堤山へ登って、兵庫山から下山する周回コースはどうじゃ。
しかし、なんとなく面白くない。
計算してみると当初計画より歩く距離は少し短くなったが、それほど時間短縮とはなっていなかった。
ならば落合から天堤山へ登って三角点・津根山へと稜線歩きをし、藤原奥の林道へ下山するというのはどうじゃ。
距離も短縮できてるし、稜線をを下り歩きにしただけに時間も短縮できてる。

完璧な日帰りデイパック計画、エスケープルートなどは考えなくてもいい、もしもトラブルが発生したら、引き返すか、前進するか二者択一あるのみ。
というわけで多少すったもんだ温泉モミモミ垢擦りコシコシしましたが、28日、お天気のいい日にヤッホッホー計画実行となりました。



ひとつ、気にかかったことは、落合橋傍から山手へ取りつき、少しだけ南に下がって谷っぽいところを越えそこから東へと辿り、最後に詰まった等高線を登り詰めて天堤山山頂へという計画でしたが、谷は沢になってないか、沢だとしたら増水していることも考えられる。
また、頂上直下の急登は登ることができるかどうかでした。
いずれも現地の状況を見て判断することにした。

AM7時、坊主さんと具定展望所で待ち合わせをして、川霧の立ちのぼる銅山川沿い県道6号線を南に走る。
富郷ダム手前の左に架かる藤原への橋を渡り、集落の間に走る林道を山手へ。
アスファルトの舗装からやがてダート道に。
道は整備されていて、普通車でも十分に走ることができ、妻から借りた軽の四駆は必要なかった。

しばらく走ると、何台かの重機が道端に置かれており、伐採作業中につき注意との看板が目に入る。
下山予定の尾根筋はまだだいぶ先だったが、平日の月曜日ということもあって、看板手前の適当な広い路肩にデポ車を一台駐車。
とって返して、藤原集落へ降り、落合へと入って行く。

間違って雌蛇渕の看板のある三叉路まで入ってしまった。
傍には倉庫のような建物があって、トラックが止められていた。
下車してあたりの様子を探ったが、川は増水していて勢いよくワサワサ流れている、渡れそうにない。
引き返して、落合橋傍の路肩に車を止め、民家の左手から山に取りついた、時刻は8:25。

予定していた南へのコースは敬遠して、尾根筋を辿った。
周囲は杉などの植林地で羊歯などの雑草はそれほど茂ってなくて、比較的歩きよい。




なんとなく踏み跡があるようなないような尾根だが、テ-プなどは一切なく、気持ちがいい。
こんなにも静かなところを歩いていると、一曲歌いたくなる。

おらは死んじまっただ~、…、雲の階段をおらは登っただぶらぶらとおらはヨタヨタと登り続けただ~、やっと天国の門についただ ~、天国よいとこ一度はおいで酒はうまいしねえちゃんはきれいだ~~…ワッワッ、ワッワ~♪

歩く予定だった渓のほうからは沢水の流れる音が尾根の上まで聞こえてくる。
歩かなくて正解だった。
もし、南の谷へ踏み込んでいたら、今頃難儀していたと思う。

鹿が飛び跳ねて逃げた尾根にはアセビがあせあせしてた。
この時期の鹿はやけに黒っぽい。

麓からは役場かなにかのマイク放送の声が山に響きわたっている。




やがて、炭焼き窯の石積みがあったり、民家かもしくは畑跡の石積みがいくつも広がっていたり、そしてついに小屋が杉林の中からひょっこり現れた。
そしてその先には椎茸を栽培していた跡地が広がっていた。
住んでいたと思われる小屋があって、周囲にはクヌギやコナラ、ミズナラなどの原木が積まれていた。
標高おおよそ820m、地図では903mピークの南西に位置している。
周りにはなにもなく、ただただ植林地が広がるばかりで森閑としている。
何年前のものだろう。




903mピークは避けて、天堤山の南尾根へと向かうことにした。
方向は南東、偶然にも椎茸栽培地から同じ方向に踏み跡が延びている。
しかし、何十年もの間、この道は人に踏まれることがなくなっていたのかもしれない。
ところどころホースが見え隠れしていて、ホースの行き着いたところは小さな沢で、水が貯水池に流れ込んでいた。
いまにも朽ちて折れそうなハリバンのような橋を渡り、なおも奥へと登って行く。
やがて、踏み跡はなくなり、羊歯を踏みしめて出来た獣の通った道を適当に歩く。

杉などの繁る植林帯では一カ所の木が裂けているところがあった。
坊主さんがボソッと呟く。
カミナリに撃たれたんだろうな~、樹林帯だのに3本だけ裂けて朽ちている。
周りの木と比べてもそれほど高くはない。
カミナリは高いところや金属に限って落ちるものでは無いことは分かっているが、それを証明したような姿だった。




平坦な、それこそ平(なる)と読んでもいいような伐採地に出た。
そこだけ光がわんさかふりそそぐ不思議な光景だ。




南西に景色が開けた。
左端が野地峰のようで、真ん中に東光森山だろうか、杉植林地から向こうに落ち込んだところが取りつき地点の落合のようです。




標高おおよそ930m地点で振り返って見た。
北西方向に二ッ岳とその右手前にハネズル山が聳えている。

再び植林地帯に入り、奥へと進むと、なんとも摩訶不思議な光景に出会った。
石が積まれたものがこんもりとあちこちに点々とある。
断定はできないが、墓地跡かもしれないと思った。




そのさらに奥には炭焼き窯の石積みの跡。
その先は…、天堤山への急斜面が続いている。
自然林で登れそうな感じだったが、やや右に振って南尾根の肩を目指す。




風こそなかったが、空気はひんやりして、気持ちがいい。
乾燥しているのだろう、汗をかいているはずなのに、皮膚に滲み出ることはなくさらさらしている。




尾根に乗ったが、やはりテープ一つ見当たらない。




やがて兵庫山から続く尾根筋と合流したが、歩く人は極めて少ないのだろう、歩きよい尾根ではあったが登山道らしきものはなくいい感じでした。
二人で、子どものように何度も気持ちいいな~を繰り返しながらゆっくりと登り詰める。




11:08、天堤山山頂到着、取りつきから2時間43分経過。
ハートブレイク・キティさん。




二人で早速、山頂三角点前で、ものまねシェーざんす。
ちょっとばかし恥ずかしかったのか、葉っぱが紅くなっていた。
ここでお昼弁とした。
坊主さんと休むとなんでか話が長くなって、休憩時間があっと言う間に過ぎて、時計を見ると1時間近くも経っていた。
話の内容はまったく覚えていない。
なにを話題にしていたんだろう???
あ、そうそう、小きじの写真は撮らんとってくれとか言ってたわ。
いまとなって覚えてるのはそれだけでした。




休憩を終えて電波塔へ向かう。
山頂付近は右も左も自然林だったが、やがて右側は植林に変わる。
左側斜面は急ではありましたが、林という感じで登りよい感じでした。
紅葉が深まるとこの辺り一帯は綺麗でしょうね。

赤テープが少しばかり忘れた頃にあった程度。
電波塔は尾根から少しばかり東へ寄ったところにあり、林道がくねくねと東斜面に続いている。
建物をグルリと半周りしてみたが、施設名はナッシング。




尾根に戻って、16分ほどで994.5m三角点・宮城に到着。
ここには点標もしくは山頂標識はどなたのもなかった。




あまり展望のない尾根だが、それでもときどき梢の間からひょこっと開ける。
眼下には銅山川とそれに架かる橋が見えていた。
右の橋は法皇湖に架かる橋のようです。




13:11、標高957mピークの手前の鞍部南のところで、北西に景色が広がる。
ここでコーヒーブレイクとした。
目の前の山並みは法皇湖を挟んで、右に赤星山、左にハネズル山と二ッ岳の間の見事な吊り尾根。




こちらは東光森山とその左隣の1454m峰でしょうか、自分で撮った写真だのに、いまいちはっきりしないでいる。




この鞍部一体は美事な赤松林でした。
すぐ目の前にある957mピークの急峻な西斜面にもずんやり赤松のオンパレード。
急峻な尾根下は法皇湖ですが、ちょうどあじさいトンネルの真上へ出るようでした。




鞍部へ下って登り返すが、ここからはちょっとした岩尾根が続く。
適当に捲いて進んでいくと、さらに大きな岩場に差し掛かり、なにげなく右に巻いたところ、右に切れ落ちた危険な崖に直面。
引き返して、斜面をよじ登る。




13:44、標高957m三角点・芋野に到着。
ここにもキティさんがありましたが、ブレイクもしてなければハートでもない、綺麗な楕円形でした。
岩場が続いてほっとしたところで、ここでも一休み、これがいいんですよね。
心に余裕がターンと生まれます。
早く降りなきゃと思ったりしてあわてちゃいけません、トラブルを引き起こす元なのです。




さてここからが問題の方向を間違いやすい尾根、地図を手に、首にぶら下げたコンパスを眺めながら慎重に下る。
しかし、やはり間違う。
はっきりしない尾根が三方向に続いているように見えた。
真ん中の尾根が正解かと思って歩くと、後方から坊主さんが、ノンノンーノノンがノーあるね、ここは一旦東へ振って、それから北へと歩くあるねと注意された。
地図を目にくっつけて確かめた、坊主さんのおっしゃるとおりじゃないか、素直に東へ振った。
さらに北へと向きを変えて進んだところ、次第に痩せ尾根になり、ところどころで岩尾根になったりで、結構歩きにくい。




しかし、ところどころで境界杭があることから、間違いはすぐに修正できる尾根でもありました。




14:30、突然東に景色が開けた。
眼下には下猿田の集落が見え、思わず二人で歓声をあげた。
集落からは、犬の鳴き声がここまで聞こえてくる。




青い屋根の集落から目を上へと転じると、佐々連尾山の一つ手前の大森山の頂がほんの少し霞んで見えていた。




展望が得られたところから7分ほど鞍部へと下ったところで、西からの明瞭な踏み跡に遭遇した。
本日初めて見る道らしい道、地図では藤原からの破線が標高854.9m手前の鞍部西下に北へ回り込むように描かれているがそれとはあきらかに違う道でもう一つ南にある小さなコブを越えた鞍部に位置している。
これほどの明瞭な踏み跡は藤原からの古の道だと感じた。
地形的には芋野へ通じる道だったものと想像したが、あくまでも推測に過ぎない。
芋野を経由して上猿田へ行くには近道なのだが…???

再び岩場の小さなコブを越える。




下って、ゆるやかに登ったところで標高854.9m三角点・津根山に到着、時刻は15:03。
三度、キティーさん点標に。




三角点のあるところは思わぬ伐採地で、北西に遮るもののまったくない180度のパノラマでした。
真ん中にちょっこりと飛び出た山は豊受山、山並みは赤星山から鋸山への嫋やかな稜線。




送電線が尾根の途中から赤星山の南尾根に向け、銅山川を跨ぐようにして延びている。
この送電線、どこへ繋がっているのか地図を追ってみた。
新居浜の火力発電所から高知県の物部まで延びていた。

壮大な景色だ。




坊主さんがまるで学者のような姿で三角点を調べ、カメラに収めている。




伐採跡の斜面は朝車をデポした林道まで続いており、ここを下ることにした。
写真で見るよりは急な斜面で、ときには木の切り株を摑みながら、ズリズリと10分ほど下って、林道に降り立つ。
時刻は15:33でした。
その後、地図に載ってはいない林道を、車でさらに奥まで入ってみた。
生憎道はガタガタで四駆でないと無理な様子、途中であきらめた。
まだまだ白いガードレールは下猿田の方向に続いていて、下猿田集落とさらには芋野林道と繋がっているのではないかと思えたが、これも走ってみないことには断定はできない。

引き返し、取りつき地点の落合へと車を走らせる。
落合では何台かの軽トラが止まっており、荷台には射止められたシカが横たわっている。
猟の途中ではぐれたのか、白くてスラリと逞しそうな猟犬が道をとことこと速足で私たちの乗る車とすれ違い去っていった。




落合取りつき地点8:25-11:08天堤山12:01-電波塔12:30-994.5mP三角点・宮城12:46-(18分コーヒーブレイク)-13:44<957mP三角点・芋野>13:52-15:03<854.9mP三角点・津根山>15:23-15:33林道下山地点


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