むらくも

四国の山歩き

下兜山…愛媛県

2013-01-10 | 四国の山歩き
下兜山        しもかぶとやま


登山日        2013年1月9日
標高         1233.5m(ただしこれは山頂直下にある三角点の標高で実際の標高はおおよそ1240m?)     
登山口        四国中央市土居町上野
下山口        新居浜市船木
駐車場        なし(高速側道広い路肩)
トイレ        なし
水場         なし

メンバー       単独





ふるさとの山に向かいて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな

生まれ故郷で幼い頃から友だちたちと遊んだ山や川や海は、そこから離れても生涯忘れることはない。
忙しさから、解放されたときふっと思い出し、年とともに懐かしさが込みあげてくるようになる。
しかし、思い出の中味をよくよく考えてみると、その一つ一つにはロクな物がない。
グミの実やキノコを採りに行ったり、麓にある小さなため池でアカマツやセッピン(小さな淡水魚)を釣ったりするのはそれほど楽しい思い出ではない。
大概は、他所の畑でイチゴにトマトやみかんを盗んでは食い散らかしたりして喜んでいた。
またトリモチで捕ってはいけないウグイスやメジロを捕まえては手柄のようにしてかごに入れて飼い、そして、飼い慣らした後、その類のお店に売ったりもしていた。

遊び道具も竹で作る呼び笛などは鼻であしらってたが、鉄砲作りには夢中になった。
真鍮や銅の菅をどこからか手に入れて、木で台を作り、菅に鉛の玉と火薬を詰め込んで、引き金で打つと、本物の拳銃のように、ズドンととてつもない音とともに、玉が勢いよく飛んで行く。
実際に鳥などを撃ち落としていた。

酷い話だが、ある日、なんでそうなったのかいまだによく分からないのだが、たぶん茸狩りかなんかの途中だったんだろう。
友だちが悪ふざけで女の子を木に括り付けて、山中に放置したことがあった。
さすがにこれだけは罪悪感を感じて、すぐに引き返しロープを解いたが、その女の子はそれ以来、口も訊いてくれなかった。
直接の犯人は友だちなのだが、やっぱり一蓮托生で仲間と思われたようでした。
少し好きな年上の女の子だっただけにショックだった。
いま考えると、とんでもないワル遊びをしていたようだ。
年上が好きっていうのは一生ついて回るようで、ちょっと前に、100才を超える長寿の男性が、インタビューで年上の女性が好きですな~んて答えてた。
くっくっくっ、鼻汁がとんだ。

というわけで、今日もお山に。
なんのこっちゃ?



行く山は愛媛の新居浜市と四国中央市の境界にある山で、下兜山。
このお山、今年の新年会登山の候補の一つでした。
却下されたため、折角の企画をまるっきり潰すのもなんだかな~もったいないなと思い登ってみることにした。

もったいない、もったいない、なんたってあの下兜山ですぞ。
この上には上兜山もデーンと聳えてるんですぞ。
そのさらに上には物住ノ頭が待ち構えていて、その山名の由来はひょっとして物の怪の住んでいる山なのかもよ。
しかし、今日は下兜山までです。

7時前に大野原ICから高速に乗り、土居ICで降りた。
そのまま国道11号を西に走り、新居浜市の境目チョイ手前で、東赤石山登山口方面へと左折。
すぐに右折し高速側道を西に走り、高速の下をくぐってさらにちょい西へ。
関ヶ原橋傍の広い路肩に駐車。

登山口入口傍にはKDDIのアンテナ施設が建っていた。
準備をして出発、時刻は8時過ぎ。




下兜山への登山口はいくつもあるようだ。
ここはそのうちの一つでもっとも東寄りに位置し、唯一土居町側にある。
林道を中へと入っていくと、住友共同電力の送電線標識と四国電力の保線路の標識が目についた。
四国電力の標識を目印に登っていくことにして、とりあえず111番鉄塔を目指す。




1月だというのに保線路の快適な道には雪はまったくない。
道は途中いくつもの分岐があるが、保線路と思われる道を選んで上る。

今日目指す下兜山は標高おおよそ1240m、登山口の標高はおおよそ180m、標高差1060mある。
沿面距離おおよそ5.5km、なにもなければざっとみて4時間以内には登れるかなと計算しているが、とりあえず登ってみて、13時目処で行くところまで行って、山頂に届かなければ引き返そう。

111番鉄塔到着。




下兜山へのいくつかのルートで比較的長いコースを選んだようだ。
このルートを選んだのはかけさこの尾という尾根筋が気に掛かったからで、どんな尾根か期待が脹らむ。

次の110番鉄塔を目指す。
東側の尾根筋が見えているが、その先は生憎ガスの中だ。
熊鷹山から黒岳方面への尾根筋だろうか?




やがて110番鉄塔も過ぎて、保線路から尾根への踏み跡を追ってみたが、なんのことはない、しばらくで保線路と合流し109番鉄塔に到着。
前方に下兜のトンガリ頭が見えている。
えらいこと遠いがな、これでもちょいズームで撮ってまんのやで。

この鉄塔のどこかに三角点がるはず、探してみた。
ありました、ここが標高613.2mの点名・古城、三角点傍にあった山頂標識を覗くと、大の城跡、天神山となっていた。
謂われは知りませぬ。




天神山をあとにして、快適な尾根道を歩く。
左植林、右自然林。




えらいこと掘れこんでるところへ差し掛かった。
なんだか昔のイノシシを撃退する石垣のような感じもしたが、そうではなさそうだった。

ありゃりゃ、地図には載っていない三角点がありました。
白い杭には間違いなく三角点と書かれている。
標高おおよそ650m、帰宅して国土地理院の基準点閲覧サービスで調べてみたが、載ってなかった。
シュワッチ、なんなんだこれは???




すぐに送電線鉄塔9番に到着。
ここから先には送電線はないが、尾根道はしっかりいている。
国土調査と印字されたピンクのリボンがやたらと着いていた。
h750m辺りから雪が現れた。
獣たちの足跡がたくさん着いている。




タヌキだろうか?
タヌキにしては大きすぎる物も混じっていて、ちょっと怖さを感じた。
シャクナゲの尾根に突入、尾根はやや痩せてきた。




10:34、h899.3m三角点河又に到着。
積雪は10cmあるかないかの状態。
登山口から2時間半、おおよそ2/3の行程を終えている、ここまでは順調だ。
この調子でいくとあと1時間少々で往路4時間以内に着くと思った。
何本かのワイヤーで支えられた索道跡があった。

ところがここからが大変だった。
痩せ尾根に突入だ。
雪質は柔らかいが地面が凍りつき滑りやすい。
堪らずに、アイゼンを装着。
尾根は灌木で茂り、右急斜面は歩きにくい。
岩場もあったりで、俄然スピードが落ちた。




進まない、焦る。
やがて尾根筋は左側が切れ落ち、ほとんど崖。
なんとか灌木の間をすり抜けて、岩場の上に立った。
景色が開けた。
ひょえー!
右の急斜面の上がどうやら下兜山で、その奥は東赤石山方面?
どうやって進むんじゃ、崖の上の稜線は隙間のない灌木だらけじゃぞ。




ズームして権現越と思われる方向を写したが、稜線はガスに包まれていた。




前にはこれ以上進めない。
仕方なく急斜面を右へとズリズリ滑りながら降りて、下兜の頭を眺めた。
右も左も急激な斜面、どうやって上るんじゃ。
覚悟を決めて、斜面を這い上がることにしたが、ここから先、どうやて上ったのか、記憶に残ってない。
とりあえず、木の根、枝、岩など掴める物は全部掴んで身体を無理矢理ねじ上げた。




もうちょい、ひょこっと出たとこが、祠の裏側だった。
やったー♪
表に回って祠を撮影。
う~ん、これが噂(誰もしてないか)の下兜山か~。
三角点を探したがない。
山頂標識もない。

ウソでしょ~(汗)いやいや、山頂にまっちゃいないわ。
まーてよ、三角点はこの下じゃないのかな。

時刻は12時半を回っている。
お腹が空いて目も回っている。
とりあえず、お昼ご飯とした。




冬場はおにぎりや米飯は凍るので、パン2個、ホットコーヒーで流し込む。
復路をピストンすると決めていたが、先ほどの崖を再び下りたくはない。
夏場ならともかく冬場は危険だ。

違うルートで下ろう。
幸いにもエントツ山さんの下兜山ラッセル記を読んでいたので、そのルートを下ることにした。
視野で確かめた。
このなだらかな尾根がそのようだ。




腰を上げ下った。
先ほどの斜面と違ってスイと降りられて、あっという間に標高1233.5mの三角点甲に着く。

ルンルン気分でどんどん下っていく。
尾根道は快適だ。
一本の松が現れた、いい感じ。




ネズミだな、リスだな、これは?
などと動物のトレース跡を楽しみながら歩いていると、どうも方向が違うことに気がついた。
首にぶら下げた磁石は西にずれている。
GPSで確認した。
ゲボゲボ、1006mPへと向かっている。

元の三角点近くのところへ帰り、正規の尾根を追うのが本筋だが、少し北東に振れば、地図上の破線の道に出ることが容易だと判断した。
幸い、一帯は植林地帯で歩きよい。
方向を変えた。
目の前を鹿が跳ねた。
方向がまったく同じその足跡をしばらく追った。
鹿もいつまでもしつこく追ってくる変な人間を怖いと思ったかも知れない。




30分ほども歩いて、やとこさ目的の尾根に出た。
明瞭な尾根道を見つけて、ホッとする。

イノシシとキツネのような足跡だ。
キツネはタヌキと違ってほぼ一直線に足跡が着く。




893mPの少し下で林道に飛び出した。
お~、ガックリだ。
外れて再び登山道に乗った。




怖っ!
登山道が林道のために崩れかけている。
新居浜の町が見えた。




登山道はなくなり仕方なく林道に降りた。
そこには下兜山登山口の黄色い標識設置されていた。




林道をながながと歩いて、再び登山道へ。
標高584.7m三角点牛ケ首。




そしてまたまた林道へ。
そこにも下兜山への黄色い標識。
林道を外してまたまた登山道へ。
石ころだらけで荒れている。




右手の尾根には歩いたかけさこの尾が見えている。




歩きよい道になり、反射板の横を通過。




ちょいと疲れましたよっ
道上にどっかり座り込み、コーヒータイム。
おやつにはあま~い里山狸。

疲れがスススーッとどこかへ飛んで行きました。
またくそ林道に降りて…。




もうヤケクソ、林道を離れ、シダの中へ飛び込んで、そんのまんま泳ぐように一直線。
高速が見えてきたよっ。




降りたところがこんなところ。
そこは高速の橋桁の真下でした。




側道を歩いて、朝の駐車地点へ。
国道11号線から東赤石からエビラ山方面を眺め、一つ溜息。




もう一度、国道から下兜山とかけさこの尾を眺めて、もう一つ溜息。
愛媛はいいよな~、川之江から西条まで延々と海からせり上がる急峻な山々がすぐ目の前にあって。
特に冬の頂と何処までも続く白銀の稜線はたまりませんよ。
威厳があります。

いつぞや下兜から上兜、そして物住ノ頭へと抜けてみたいのだが、きついよな、逆の歩きもあるのかな。
いやいや、もう歳だわ。
考えるの止めよう。
いつまでも若くはないわ。

お疲れさん、次行ってみよ~。
お次の山が待ってるぞ、ほい。

(参考)帰宅して気がつきましたが、この山に登るには、かけさこの尾からやや谷伝いに三角点へと右に回り込み、それから頂を目指すのが正しいルートのようです。




登山口8:08-111番鉄塔8:38-110番鉄塔8:58-109番鉄塔<四等三角点・古城、h613.2m>9:18-9番鉄塔<三角点有り・点名不明、おおよそh650m>9:47-899.3mp<四等三角点・点名河又>10:34-12:35下兜山12:59-三等三角点・点名甲13:04-893p14:05-584.7p<三等三角点・点名牛ケ首>14:51-下山口15:49-16:00登山口駐車地点


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