むらくも

四国の山歩き

大日山・稲村ヶ岳…奈良県

2012-05-18 | 四国外の山
大日山、稲村ヶ岳          だいにちやま、いなむらがたけ




登山日               2012年5月13日
標高                1689m、1725.9m
登山口               天川村母公堂
駐車場               あり
トイレ               あり
水場                山上辻までに3ヶ所、レンゲ辻までに1ヶ所
                  レンゲ辻から母公堂までに沢水あり

メンバー              坊主さん、ピオーネ、むらくも




坊主さんに誘われて、ひさしぶりに四国外へ。

高速代、休日1000円が廃止になり、本土へ渡る数が急激に減った。
収入が年金オンリーになると、節約を重ね餅のように積み重ねないと日々の生活は成り立たない。
今月の22日には東京の新名所スカイツリーがオープンするが、積み重ねた餅の高さは負けない…。
ツリーは五重塔の技術を取り入れ、震度7強にも耐えることができるという。
わたしのか細い年金は多分震度2弱で倒壊する。
耐震補強は…さっぱり効かない。
セツヤク、セツヤク、あ~、セ・ツ・ヤ・ク、今日もセツヤク、明日もセツヤク、死ぬまでセ・ツ・ヤ・ク。
最近、畑に精を出して、そこから収穫する野菜ですっかりベジタリアンになってしまった。

結構楽しい。
なにしろ、毎日日曜日、24時間睡眠時間以外は自由、時間有り余ってる。
お天気のいい日にはいつでも山に行ける。
年金生活はお気楽極楽ときたもんだ~♪



午前3時過ぎ、こんな時間に起きるのは、滅多とない。
何も食べず、コーヒーだけはしっかり飲んで津田松原へ。
待ち合わせ時刻より随分と早く着いた。
すでにザックを担いで、手に靴を持った坊主さん、まだ明けていないSAのカラー歩道で仁王のように憮然と突っ立ている。
おはよう。
あとはナビ任せ。
どこをどう走ったか、都会の高速は交通量が並はずれて多いうえにたびたびのジャンクションで、その都度ドギマギ。
おまけにナビは8年前の地図のまま、画面には道がないことも再々あって、真新しい高速の場合はナビの対象外、目の前の高速は続いているのに突然一般道へと案内され降ろされてしまうことがある。

すったもんだの末、やがて国道309号線。
四国でいえば438号線か193号線のような対向車とすれ違うのにも広い路肩までバックするような酷道を走り、途中の道の駅で見つけたいのししコロッケ、三つ買って当初登る予定の熊戸の八経ヶ岳登山口へ。
広い路肩はすでに満車状態、わずかに一台分のスペース。
急いで下山口の行者還トンネル西口へ自転車デポするとて走った。
トンネル西口駐車場(かなり広い)もたくさんの車、バスも止っていた。
わずかな隙間を見つけて得意パターンでねじ込む。

車から降りてびっくり、震え上がった。
真冬並みの気温と強い風。
念のための薄手のダウンは持ってきてはいたが、ほぼ夏装備。

こりゃダメだ。
急遽、山頂でのテント泊は中止。
単にビビリ屋ということだけなのですが、こういうときの決断は速い。

意気消沈。
それにしても団体のバスにこの車の数、さすがに100名山、みなさん登らずにはおられないようだ。
わたしたち、周回用の自転車をデポするのを諦めて、ここからのピストンに変更。
時刻はすでに10時過ぎ、八経ヶ岳・弥山の山頂へはやや厳しい、安全の為に13:30のところでUターンすることにした。

登山口には登山届のボックス。
傍らには遭難者の方の写真がパウチ止めされて貼られていた。
4月下旬のこと、もうすでに2週間以上経っているが、まだ発見されていないようだ。
いのししコロッケとおにぎりで遅い朝食を済まし、11:05、木の階段を登る。




何人かが下りてくる。
寒くて途中で引き返してきたようだ。

おや、シャクナゲが。




上着に薄手のダウンジャケット、ズボンは裏地のあるものを重ね着してちょうどいい。
昨日までは気温は高かったのだろう、この時期のスミレが岩陰で咲いている。
歩く登山道は木の根が路面に露出している。
登山者が多いことに加え、雨で土が流され浸食されたようだ。




腕に巻いた温度計付きの時計を見ると、車内で16度あったものが、ぐんぐん下がり、7度、やがて6度。
一時間ほど歩いたところで尾根に乗った。
ここが大峰奥駆道出合い、左に行けば行者還を経て山上ヶ岳。
右折し弁天の森・弥山方向へ。
次々とたくさんの方が下りてくる。
途中で止めた方もいたが、弥山まで行った方も。
お話を伺うと、樹木には霧氷が着き登山道には氷が落ち、足元は融けた水でジュジュクだとか。
なるほど、靴やカッパは泥だらけだった。

やがて道は薄く白い氷の塊。
芽生えたばかりのバイケイソウの群落の瑞々しい葉も縮こまっている。




団体の方たちが下りてきた。
夜行バスで東京から…、たぶんツアーだろう、黙々と歩いている。
話しかけると、粋のいいお姉さんからポンポンと歯切れのいい言葉が返ってくる。

田舎者でもっそり語りのすけべジジイはついついこういうお姉さんに一目惚れしてしまう。
惚れちゃだめよ、どうせ旅の一期一会なんだから。
そんな会話はなかった。

一帯はバイケイソウの群生地。
そして、もう少し先ではサンカヨウがたくさんの花を咲かせるらしい。




なんの変哲もない弁天の森を過ぎ、13:06、理源大師像の立つ聖宝ノ宿跡に着く。
ここから弥山まであと一時間ほど掛かる。
坊主さん、そして妻と、お腹もすいたことだしここで食事をとって引き返そうと話していると、同じくここで休憩されていた子供さん連れの家族を案内されていたガイドの方が、「そですね、ここから引き返して4時下山になるからその方がいいでしょう。山頂へ行って下山すると5時を回りますから止めましょう。」

どうやら、ゆっくりめの時間で計算しているようでしたが、素直に受け入れることにしました。
こういうケースでは遠くから来ていることもあって、折角だからと山頂に立つことを優先してしまいがち、そこをグッと抑えて、「また、来るよ」、坊主さんもどうやら普段から山頂には固執してない人のようです。

坊主さんは静かな静かな山でルートファインディングを楽しむ派、わたしはどちらかというと山頂でのまったり眺望派、妻は花と霧氷、そして眺望を楽しみ、甘いお菓子にコーヒー派、贅沢すぎる。
妻はしきりと山頂での樹氷はどうでしたかと、未練がましくすれ違う人たちにその都度訊いている。

そんな妻もお腹がおきると、すんなり下山に従った。
気温は5度。
山頂はさらに冷え込んでいるだろう。




苔むしたところをとおり、麓へ降りてきた。
ここまで下ると、気温も上がりほっとする。




登りも下りも下山する相当の人に出会い、もう駐車場には車はないのではと思っていたが、まだ半分ほどにも減っていない。
この気温でも泊まる人、周回する人、結構多いようだ。




15:29、駐車場から見上げた弥山への稜線には、うっすらとガスがかかった樹氷が見えていました。




三人ともこのまま四国へ帰るつもりはない。
今夜はまったりと温泉につかり、麓のオートキャンプ場でテント泊。

周りではキャンプファイヤー、いい匂いがここまで漂ってくる。
わたしたちはローソクとヘッドランプ、ウイスキーを傾け、坊主さん持参のおいしいお酒とビールそして焼き肉。

明日、どうするべ?
もう一度八経ヶ岳にトライか、それとも稲村ヶ岳へ行くか?
酔った頭で稲村ヶ岳へ。
どんな山?
坊主さんはしっかり把握しているようでしたが、わたし、ゼンゼン。

坊主さん買ったばかりの今年新作テントに頭から潜り込み、そのまま朝まで、キャンプ場が用意してくれた温かい湯たんぽを抱いてグッスリ。



5月12日<当初に周回予定していた弥山・八経ヶ岳>…断念し下山
トンネル西登山口11:05-奥駆出合12:02-弁天の森12:31-13:06聖宝ノ宿跡13:47-弁天の森14:15-奥駆出合14:34-15:29トンネル西口駐車場


※地図上左クリック→グーグルマップへ





昨日浸かった温泉では、聖宝ノ宿跡で出会ったガイドさんに再び会った。
空はすっかり晴れましたよ。
この様子だと明日は快晴、気温も上がります。
とおっしゃってたが、朝5時、目覚めるとそのとおりの青空。

急いで朝食を済ませてテントをたたむ。
坊主さんの新作テント、内側を触ってみたが結露はない。
わたしのはフライシートを被せていたがそれでもジトジト。

ほっかほか、幸せだった夜の湯たんぽを返して、洞川(どろかわ)方面へ移動。
大峰山は世界遺産の地、通る宿は観光客で賑わっているようだった。
途中のお店で、柿の葉寿司を買って、ゴロゴロ水を過ぎたところに母公堂登山口に到着。
駐車場はすでに満杯、近くに有料駐車場もあったが、下山口になる清浄大橋よりの道沿い広い路肩に駐車。

7:49、役小角縁の母公堂にお参りし、登山届を提出して出発。
見事に枝打ちされ整備の行き届いた杉林から登って行く。




すぐに五代松鍾乳洞を経て登ってくる稲村ヶ岳登山口からの道と合流する。
三人の男性たちが降りてきて、そちらへと足を向ける。
その様子から山頂で泊まっていたようだが、荷物が軽そうなので小屋泊だろうか。

次に降りてきた方は修験者の服装をした子どもを含む男性グループ。
挨拶もそこそこにサッサと降りて行かれた。

次の方は単独男性、お尋ねすると大峰山で泊まっていたとのこと。
稲村小屋のこと?
それともオオミネザンという言い方からして、ひょっとすると山上ヶ岳の宿坊のことだろうか。
大峰山は広くて、あちこちに山小屋が点在しロング縦走が楽しめる山なので、詳しく問い詰めないと分からないようだ。

母公堂から1時間、分岐から50分ほどで法力峠に到着。




平坦な道を少し歩くと斜めに傾いだいまにもずり落ちそうな小屋があった。
いまは使われていないがトイレ小屋のようだ。
ここからは気持ちのいい自然林。
ところどころにツツジが咲いていて、山桜は咲き終わって山道にわずかに花びらが散っていた。




山道は山の斜面を横切っているが、尾根方面はシャクナゲなどが茂り、歩きよさそうないい雰囲気。
坊主さん、今日はわたしたちと一緒なので、登山道を仕方なくのこのこ歩いているが、そちらへ入って行きたいのを相当に抑えている様子。
お天気もいいし、昨日と打って変わって気分上々。




妻がこの雰囲気どこかに似ているという。
シャクナゲのたくさんある三本杭の尾根のことだろうか、そう思いメグロまで口にしたが、その後が度忘れして思い出せない。
めぐろ…う~ん、めぐろ???
すかさず、坊主さんがメグロトヤとフォロー、ここまではいい、その後、そやそやというところを駄洒落てトヤトヤと付足す。
しょうもない、後日帰宅して、このことばかりが頭の中で渦巻き甦る。
いったいなにが楽しみで大汗かいて山を歩いてるんだろうか?

頬かむりした地蔵石仏。




小休止をしていると後方から豊中市から来られたお一人の女性の方が「お先に、後から抜き返してください」と言いながら抜いていった。
いやいや、そうじゃない、軽やかな足取り、簡単には抜き返せないだろう。
ここは近畿圏、大阪の方は多い。
アメちゃんあげて仲良くなればよかったかな?

先ほどから、前方にいやに空高く突き出た山がチラチラと見え隠れしている。
石鎚山系にある子持権現によく似ている。




10:30、山上の辻に着いた。
直ぐに赤い屋根の稲村小屋、みなさん思い思いにベンチに座り、お茶を飲んでいる。
お茶は山小屋のご主人さんのご好意、アメちゃんねえさんも座ってすっかりくつろいでいる。

ひょいと傍らの看板を見ると、注意書き。
ここから先は環境保全のためキャンプ食事は遠慮しなさいとのこと。
稲村ヶ岳へ行って帰って往復1時間20分。
軽く虫おさえをしてして出発。




20分ほどで大日山との分岐に着いた。




急な斜面を登って行くと、鉄製の赤い階段。
崖で切れ込んでいる。
この崖にはオオミネコザクラが咲いているらしい。
漢字で書くと「大峰 小桜」だが、坊主さんは「大峰子 桜」と読んだ、感じワル。
後日、そんなことばかりが記憶に残っている。

時期は5月上旬とあったので、目を凝らして探すが、見えるのはイワカガミの葉ばかり。
今年はやや遅れているのだろうか。
残念がる妻。




それにしても急な階段だ。
登りきると二つの祠。
ここは女性の修行の場、お参りして、東の斜面を眺めるが、急峻で踏み跡はなし。
展望もよく、南には昨日登ろうとしていた八経ヶ岳、北東から東にかけては山上ヶ岳から行者還岳への縦走尾根が指呼の間に見えている。




山頂においでたグループの方たちに教えられながらつかの間の山座同定。
岩間からは奈良の町が遠くに霞んでいるように見えた。

分岐に下りて鎖を握り、梯子を登りして20分で稲村ヶ岳山頂に立つ。
アメちゃんねえさんは速い、すでに稲村小屋に向かって降りて行った。

展望台には360度の景色を楽しむ人たち。

三角点を撮る坊主さん。




左端山上ヶ岳~右端行者還。




山上ヶ岳と行者還のアップ。




八経ヶ岳と弥山。




そのアップ。

ここで食事をしたかったが、それができない為、景色を堪能した後急いで下山。





再び梯子を降りて、鎖を伝い、稲村小屋へ。
買ってきた柿の葉寿司で遅い昼食を楽しむ。




山上ヶ岳へ向けて出発、と言っても女人結界門のあるレンゲ辻までで下山する予定。

突然、妻が素っ頓狂な声をだしながら、写真を何枚も撮る。
ヒメイチゲだというが、男たちにはその感動を共有することができず、感性が遮断されている。




前方頂辺りに岩場らしいところがチラッと見えている。
形からしてひょっとしてあれが有名な覗き岩(西)なのかなと思ったが、実際のところは分からない。
目を懲らしてみたが、人影はないようだった。

鞍部が見えてきた。
小さく門が見える。
上部に崖っぽい峰、後日分かったことだが、小稲村ガ岳のようでした。




門には「女人結界門」と書かれている。
ほんの一瞬見とれてしまい、立ち止まってしまった。
どう判断するかは別にして、歴史のある門そのものから強い意志みたいなものが感じ取れる。(写真提供坊主さん)
その後、妻は門の前で記念撮影、ピースサインで写っていた。

さあ、山上ヶ岳へ登ろう、わたし女をとっくに捨てました。

ん?
冗談のような本気のような???





ニッコリピースサインのあとは何もなかったように下山。
言葉とは裏腹に未練もなくスタコラサッサ。

満開のコガネネコノメソウ。




レンゲ坂谷の急斜面ではさまざまな花が出迎えてくれます。




随分と長くて歩きにくい渓谷を下り、足が相当に疲れた頃に、左手にカンカケ谷のごろごろした沢が見えた。
もう少しだ。




大きな岩の傍を通って、15:28、やっとこさ林道終点に降り立った。




林道歩き20分余りで清浄大橋。
茶店に寄り、三人でソフトクリームを頬張りながら、駐車地点へ。




車での帰り道、日本一たい焼きの看板が目に入る。
お腹空いた。
坊主さん、これを「日本 いったい焼き」と読んだ。
「いったい」っていったいはったいなんなんだ?
合体のこと?
アンと皮がいったいでがったい、それってただのたい焼きだがな。

完璧に坊主ワールドに飲み込まれてしまった。
帰宅しても頭の中で、なにか分けのワカラン坊主ワールドな言葉だけが踊り回っている。

お腹の皮がくっつきそう、途中で溜まらずに飛び込んで食べた料理が、天ねりと瓦そば、なぜか奈良で食べた下関の郷土料理でした。




5月13日<予定を切り替え、稲村ヶ岳・大日山へ>
駐車地点7:40-母公堂登山口7:49-法力峠8:56-10:30山上辻・稲村小屋10:45-11:17大日山11:23-11:49稲村ヶ岳12:02-12:30稲村小屋13:06-レンゲ辻14:05-林道終点15:28-清浄大橋15:52-16:18駐車地点


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