むらくも

四国の山歩き

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寒風山…愛媛県

2011-08-21 | 四国の山歩き
寒風山          かんぷうざん



登山日          2011年8月16日
標高           1763m
登山口          愛媛県西条市藤之石
下山口          高知県いの町桑瀬「寒風茶屋」
駐車場          下山口トイレ南側に有り(茶屋前駐車場は登山者用の駐車場ではないようですので要注意)
トイレ          下山口に有り
水場           なし

メンバー         ピオーネ、むらくも




寒風山のメイン登山口にある寒風茶屋の標高はおおよそ1110m。
茶屋の前には展望所があり、トイレもある。
ここでテントを張って、もしくは車の中で寝ると、夜は気持ちよく寝られる。
朝方などは寒くて、シュラフなどがないと風邪を引くかもしれない。
同じく土小屋や瓶ヶ森、よさこい峠にしらさ小屋辺りも、車で手軽に行けて、夏の避暑地にはもってこいだ。

寒風茶屋の直ぐ傍には旧194号線が走っていて、寒風山トンネルがある。
平成11年、長さが5432mもある新寒風山トンネルが開通したことによって、寒風山トンネルを通る車は激減した。
それまで寒風茶屋は立ち寄るお客さんも比較的多く、冬季以外は四六時中開いていたような記憶があるのだが、いまは山シーズンの土日祝日(10時~15時)のみとなっている。
それでも一時は年間を通して閉鎖していた時期もあったので、少しは賑わいを取り戻しているようだ。
茶屋が開いているなんとなくホッとして和やかな雰囲気が漂う。

今日は残念ながら平日の火曜日、茶屋は開いてなくて、柚子寿司とか、新鮮な高知の産直品は買えない。
楽しみは一個減ったが、妻の最後のお盆休み、折角なので出かけることにした。



高速道路、西条ICを降りて、加茂川に架かる橋を渡って、194号線を南へと走る。
子どもさんたちはまだ夏休み、加茂川の岸には芋煮会でテントがたくさん張られており、特に土・日などはごった返しているそうだが、今日は比較的少ない。
それでもところどころにテントが設営されてはいるが、早朝ということもあって静かだ。

加茂川は石鎚山系のあちこちの源流から清らかな水を集め、その多くは伏流水となって瀬戸内の燧灘へと流れ込んでいる。
東には寒風山の竿谷、その西の桂谷、自念子ノ頭の主谷、瓶ヶ森の大保子谷、石鎚山麓の西之川、東之川、そして西ノ冠岳直下の高瀑渓谷など。
瀬戸内の水がきれいなのも頷ける。

新寒風山トンネルの手前で、左折し旧194号線をくねくねと登っていく。
途中、降りてくる車に出合った。
山水を汲みに行ってた者の車だろう。
桂谷の深い渓谷から、ググッとせり上がるような急峻な山並みを眺めながら車を走らす。

昔にはこの加茂川上流支流のあちこちに鉱山があったようだ。
主立ったもので、千町鉱山、新居鉱山、谷崎鉱山、基安鉱山。
千町は現在も集落があり、美しい棚田が広がっている。
一方、基安鉱山は昭和30年代、従業員140人、72戸の集落と分校もあったが、学校は昭和42年閉校、鉱山は昭和47年閉山、いまは自然に戻ってしまって、集落の痕跡はほとんど残っていない。
そんな渓谷を眺めながら、早朝の空気のヒンヤリした寒風茶屋に到着。

準備をして、7:25登山口から取りつく。
見上げる山並みは生憎のガスで覆われ、白っぽい。
途中で雨が来るかな?

ヌスビトハギ…この奇妙な名前の由来は、果実が泥棒の足跡に似ると言う。奇妙に聞こえるが、古来の泥棒は足音を立てないように、足裏の外側だけを地面に着けて歩いたとのことで、その時の足跡に似ている由。




取っつきから急峻な尾根だ。
いきなり息と脈拍が上がってくる。
キンミズヒキ。




シコクママコナが朝日に透けて見える。
おっと~!リスが木から滑り降りてきた。
朝の斜めから差す陽が、リスの艶々した毛並みを浮かび上がらせる。

目の前2mほどのところを、尾っぽを立ててチョロチョロッと走る。
全身、焦げ茶色、耳がピンと立って、尻尾の毛は逆立ってるように見える。
目がなんともいえず可愛い、ニホンリスだ。




チャボツメレンゲ、絶滅危惧Ⅱ類に指定されてはいるが、これを盗掘する人はまずいない(と思ってるのですが…)。
結構あちこちの岩場で見つけることができ、可愛くもなく、美しい花でもない。
よほどの方はこれを可愛いというかもしれないが、それはブサ犬「わさお」程度のことだろう。
それでも少なくなっている。

ところで絶滅危惧ってなに?
絶滅危惧Ⅰ類は「絶滅の危機に瀕している」
絶滅危惧Ⅱ類は「絶滅の危険性が増大している」

すべての分類した生物で、絶滅したとして把握されている数は2006年に698種、3年後の2009年には723種。
一方把握されている絶滅危惧種は2006年に7725種、2009年は8782種。
すさまじい勢いで地球上に棲むありとあらゆる生物が危機の一途をたどっており、増加傾向は加速しつつある。

そのほとんどの原因は残念ながら人間。
そのうち地球上のありとあらゆる生物にとってもっとも大切な食物連鎖は、どこかで一気に歯車が狂ってしまい危機的な状況になってしまうかもしれない。

一つの種が絶滅することによって、天敵がいなくなり、ある種が爆発的に増える。
あるいは逆にそれを捕食し生きぬいてきた種はこれもまた絶滅する。
この連鎖がひとつの限界(核爆発で例えるなら臨界だろうか)を超え、飛躍的に起きたとしたら、止めようがない。

たかが岩に咲くチャボツメレンゲ、されどチャボツメレンゲだ。




高度がかなり上がった。
右手には桑瀬峠辺りが見え、伊予富士への美しく嫋やかな稜線が続いているが、肝心の伊予富士の主はすっぽり頭を隠している。




肩からさらに登り詰めていく。
ケアクシバ。




ママコナが群生して、その小さなピンクの花を愛嬌よく笑顔で振りまいている。
左のニンジンのような葉をしたのはウバタケニンジンだと思うのだが。
この手合いはわたしには難し過ぎる。




岩崖になった尾根上を見上げる。
あの稜線まで登っていくのだろうか?




急登に次ぐ急登、やっとこさ休息の出来る展望のある場所に到着しました。
一息入れて、パンなどを囓ります。
ヤマボウシの実。




一息入れたのもつかの間、ここからもさらに上へ上へ、先ほど見た切れ立った尾根方向へと登っていきます。
ミヤマカラマツとフシグロセンノウ。




ジャコウソウ。
茎を左右に揺すると麝香の香りがするというので、振ってみた。
なんも匂わない、無臭だ。
漂ってくるのは自分の体臭で、加齢臭が臭い。
ところで麝香の匂いってどんな匂い?




一面山草の茂る斜面に差し掛かった。
妻が???の花の蕾だと言ったが、忘れてしまって、思い出せない。

思い出した、レイジンソウでした。




これも???だと教えてくれたが、皆目思い出せない。
オオバヨメナかな?ま、そんなところでしょう。こういうのは難しいわ。

ブヨが真っ黒けになってもくれついてくる。
妻は頭からすっぽりネットを被る。

ネット忘れた、タマらんす。




これは分かった。シコクギボウシの葉とシオガマギクだ。




ウメバチソウの蕾。
シコクフウロと言うべきかイヨフウロと言うべきか、わたしゃどちらでもよい。




右手を見ると恐ろしげな岩が…、まさかあの下を通らないだろうな。




シシウドなのかなんなのか?
花の一つ一つ、葉の特徴などを押さえておけば、分かるようになると言うのですが、あたしにゃ無理。
タマガワホトトギス。




ヒメシャラの実。
アキチョジ。




途中だいぶ寄り道はしましたが、登山口から3時間掛かって、やっとこさ展望所に着きましたよ。
ザックを肩から外して、やれほれどっこいせ、地面にへたり込み、バナナと甘いジュース。
わたしたちの歩いたのと同じルートを、高知と大阪の男女ペアの方が時間を置かずに追いついて来られました。
大阪の方はお盆で高知に里帰りされてたとか、お二人は全国の山に登っておられ、元気印な方。
わたしより、お一つ先輩のようです。

亭主元気で留守がいい、旦那のものはあたしのもの、あたしのものはあたしのもの、旦那の年金はあたしのもの、アハハハ~。
北アルプスからあちこちいったぜよ~♪

男としては今日のガスのような気落ち、どうにも心が晴れず納得できない。




ザックを再び肩に担ぎ、一登りで縦走路に飛び出た。
そこはホツツジが満開で、浮かぬ気持ちもパッと晴れ渡った。
男って単純なものだわいわい。

まあ~、女房が幸せなら、それでもいいか、人生細かいことは言わない。




とりあえず、山頂に到着。
冷たい缶ビールを取り出して、腰を落ち着けて大休憩。
グビッと開けて、コンビニで買ってきた爆弾おにぎりを頬張る。
幸せの絶頂だ。
高知の方は踊るようにしておしゃべりを続けていた。
楽しい方だ。
大阪の方も北海道からあちこちの山に登られていて、わたしゃ、うらやましくて涎がこぼれましたわ。




あれほどつきまとわれたブヨは縦走路や山頂にはいない。

小さな祠にお参り。




しばらくガスる景色を堪能。
伊予富士方面、笹ヶ峰方面。




笹の斜面に登山道がシュルシュルッと横切っている。
さて、どっこいしょ、下山しますか。




ホツツジは可愛いですね。
なんだか若い娘の髪飾りみたいですよ。




山頂を振り返り、桑瀬峠を見やりしつつ…高度を次第に下げていく。




気になるブナとソバナ。




途中でちょいと寄り道。

???
モミジガサ。




しばらくうろうろ~っとしたあと、リョウブの花の匂いでむせかえる縦走路へ。




登ってきた尾根筋。
アサギマダラはいないかや~。




寒風茶屋の駐車場が一瞬見えた。
桑瀬峠に到着、若いお二人とあれやこれや花談義、一週間前にも訪れたそうで、そのときはタカネマツムシソウがたくさん咲いていたとか。




ヤマジノホトトギス、ツルニンジンの蕾。

よく整備された登山道を降り立つと、そこにはたくさんの車が止まった寒風茶屋。
登山者ばかりではなくて、涼を求めてドライブに来られた方が結構いました。
登山道からは、次から次へと降りてきます。
山頂や縦走路で出合ったのは3組6人だけでしたから、伊予富士や笹ヶ峰へ行ってた方でしょうか、お疲れさんでした。

寒風山、四季折々の風情があって、いつまでも見飽きないいい山です。
それではまたの機会に…、次回は秋ですね。




登山口7:25-11:03寒風山山頂11:50-12:45桑瀬峠12:55-13:25寒風茶屋


※地図上左クリック→グーグルマップへ移動(同じ地図ですが、登山口までのアプローチ用に)
<お断り>今回歩いたルートおよびログは諸事情により掲載できませんので悪しからずご了解ください。
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