紫苑の部屋      

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新春歌舞伎ー浅草歌舞伎は燃えている!

2008-01-22 21:21:49 | 観劇
新春歌舞伎第三弾は、浅草です。
浅草若手歌舞伎と銘打って
毎年新春の幕を明けて、もう8年目を迎えたのだそうです。
私は3年前から見始めましたが、
今年のレベルUPは目を見張るものがありました。
見応えありました。

昨年までと明らかに違っていました。
1部2部の番組全部違うものをもってきた、
というだけではありません。
7人それぞれの俳優のステップUP、
とりわけ七之助の芸が充実してきた、ことに感激しました。
本当に楽しみになってきました.
もちろん、亀治郎の芸域が広がり、勘太郎の奮闘ぶり、
もうれしいことではあります。
愛之助は案外、優男与三郎より剛毅な日本駄右衛門のほうが合うのかもしれない、
亀鶴は下積み時代を経ているのでしょう、年始ご挨拶でバク転して見せてくれましたよ。
獅童は歌舞伎本腰入れてきたかなー、いい面構え歌舞伎に生かしてほしいなー、
男女蔵さんはもう中堅だよね、
etc、あれこれ思うのも楽しみのひとつね。

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さて、勘太郎&亀治郎の傾城反魂香です。
この演目、いつも思うのです、
どもりというハンディは絵師にとっては、致命的とは思えないよね、
でも、この夫婦にとってはそうではないのですね。
重鎮の歌舞伎役者が演じると、それは封建社会のなせるところ、
今の価値観とは異なる、と解されますが、
若いふたりが演じると、イヤイヤ若さ故の短慮、
と思えてきますね。
亀治郎の鼓と謡、勘太郎の祝舞がよかった!

亀治郎の雪姫、赤姫3役のひとつ、
浅草歌舞伎はもともと、若くて大役をやる機会がない、
ってことから、始まったのでしょうから、
この挑戦、わかるのですが、どうなのでしょう。
亀治郎は回転が速くて器用だから、
歌右衛門の十八番だろうとこなしてしまう、
そういう芸域を広げる方向と、
自分の持ち味を生かした役をじっくりやっていくのと、
今、どちらが必要とされているのかなーと、
老婆心ながら考えてしまいました。

今年の見所は、何といっても弁天小僧“七之助”、
イッヨ!待ってました!でしたよー。
地声に近い声もよくとおり、
達者なところをみせてくれました。
かれはまだ20代前半、
妖しく美しい女郎をやってもよし、
儚い病上がりの芸者もよかったし、
イキのいいこんな役もいいねー。
男の子も一皮剥ける、ってことあるのね。
お富さんもなかなかよかったですよ。
七之助には、桜姫もやってみてほしいなーと思いました。
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余談ながら、テレビドラマで松也くんが村歌舞伎の弁天小僧、
やってくれました、光ってましたね。

 2008/1/16 観劇

この日、浅草の芸者衆の総見
という幸運に出会いましたよ。

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2 コメント

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着物で歌舞伎の日? (かほる)
2008-01-25 00:37:52
今日、「歌舞伎美人」が届いて、「あっ!sionさんのブログ♪」とピンときました。
七之助@弁天小僧、良かったですよね~。若いっていいわぁとポワ~ンと見てました。
巳之助君も、すごく緊張してて初々しい!燭台を持つ手に筋が走り、重くもないのにしっかり握ってるのが分かりました。三津五郎パパ譲りの、きっちりとした着装がお見事!でも、台詞は一本調子で間をとり過ぎて単調?それはそれで、「若いのね~、これからの成長が楽しみ~」と母のような気持で楽しく拝見。
亀鶴さんのバック転、見てない!羽織袴で?だとしたらスゴイ!
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backじゃなかった、前転! (sion)
2008-01-25 11:59:10
亀鶴さん、舞台から客席の通路に、あっと言う間に回転降りしたのよ!
すぐ後に出番なのに!

巳之助くん見ていて、今の7人衆も当初はこんなふうだったろうなー、と思いましたね。
一本調子でどうなるんだろう、って。
でも三津五郎さんの子ですものね、
歌舞伎にひたむきでしょうね、成長をみていくって、これまた芝居の醍醐味ですね。

着物の日ではなかったですが、着物で行きました!
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