線路端日誌

東海地方の鉄道を中心に、細かいネタからこつこつと。

くろがね線(八幡製鐵鉱滓鐵道)を見る

2008年03月08日 17時58分41秒 | 中小民鉄
黒崎まで筑豊電鉄で出てきてから、JRに乗り換えてスペースワールドへと向かいました。新日鐵の工場間を結ぶ専用線:くろがね線(八幡製鐵鉱滓鐵道)を観察するためです。

鹿児島本線八幡~スペースワールドの北西側には、新日鉄八幡製鉄所の敷地が広がっているのが地図を見ると確認できます。この工場と、九州工大駅の北側にある工場との間を結び、資材・製品等を輸送しているのが新日鐵残滓専用鉄道、通称くろがね線です。昨年、RM編集長のブログで取りあげられ、JRなどとは接続していない専用線であるため独特の機関車や貨車が使用されていること、現在でもそこそこの頻度で運行されていることを知って興味を持ち、今回、行ってみることにしました。

スペースワールド駅を出て、工場沿いの道路を北東へ進みます。やがて箱型ディーゼルの姿が見え、更に道を進むと機関庫が見えてきました。ちょうどいいところに電気機関車や貨車の姿があったものの、一眼レフでの撮影は金網に阻まれたため、コンパクトデジカメで撮影しました。


入換用機関車?D.619


貨車テヤ5508


E8502

次に、JRの高架下をくぐりスペースワールドの駐車場へと行ってみると、貨車が何両か停まっていました。


ユタ2461


形式不祥

いずれもレールみたいなものを積んでいましたが、これ以外の種類の貨車はここでは見られませんでした。列車はいつ来るか分からないので、とりあえず順光になるところへ行こうと考え、くろがね線の鉄橋を眺めたりしながら鹿児島本線沿いに枝光まで歩き、そこから九州工大前まで列車で移動。駅を出てから鹿児島本線とくろがね線のクロスするところまで歩くと、ちょうど貨物列車が通り過ぎていくところでした。折り返しの列車を撮るため、ちょうど良い感じに撮れそうな歩道橋へ上ってしばらく待つと、ゆっくりとした速度でゴロゴロと列車がやってきました。







後補機としてつくD705。


八幡方面へ向かう貨物列車。16:16ごろ

くろがね線の貨物列車は、本務機は電気機関車、後補機はディーゼル機関車が務めるという、日本ではここ以外にあまり見られない形態をとっています。どちらの機関車も防音のためか下部までスカートに覆われた特徴的な姿をしており、ジョイント音と貨車のきしむ音ぐらいの、貨物列車としては静かな走行音を立ててゆっくりと走っていく様は、積んでいる荷物の正体がよく分からないこともあり、少し不気味に感じました。半端な構図になってしまいましたが、とりあえず撮れたので満足です。

あまり書籍でも取りあげられてこなかったくろがね線。こういう分からないことだらけのところを尋ねてみるのも面白いものでした。

筑豊電鉄を撮る

2008年03月08日 17時44分45秒 | 中小民鉄
2月下旬~3月上旬にかけ、九州各地へと出かけてきました。その成果の中からいくつか書いていこうと思います。

全線専用軌道ながらも路面電車規格の車両を用い、黒崎駅前~筑豊直方を結ぶ筑豊電鉄。「レインボー電車」なる構想のもと、現在の塗装から変更されていく運命にある2000形目当てで訪問しました。

JR筑豊本線の直方駅で降り、まずは遠賀川鉄橋を望める河川敷へと向かいました。15分ほどで到着、天気があまりよくないことから、車両アップの構図で撮ることに。






いずれも筑豊直方ー感田にて

この日は平日で、2000形は昼間3本が運用についていました。そのうち2本が黄色に赤帯の塗装で、1時間ほど河川敷にいる間に撮ることができました。残り1本は紫に変更された編成で、遠景での撮影を試みたものの失敗してしまったため、ここでは省略します。

河川敷から高架駅の筑豊直方へと歩き、しばらく待つと3000形がやってきました。2面2線の設備を備えた駅ですが、昼間は1本のみが使用されているようです。


筑豊直方にて

この列車に乗り、車庫のある楠橋へと向かいました。福岡まで結ぶという計画のもと建設された路線だったためか線形は良く、場所によっては結構なスピードを出すものの、車両のせいなのか、結構揺れるように感じられました。

真昼間でしたが、車内には車掌が乗務していました。しかし妙なことに通常の切符は売っていないとのことで、切符を持っていない客は運賃を降りるとき運賃箱に入れるというワンマン運転と同じ収受方式がとられていました。その運賃箱には両替機がついていないため両替は車掌にしてもらう、という方式になっており、そのために車掌は車内を行ったりきたり。合理性が感じられないこの仕組みに、余所者としては少し戸惑いを感じました。

田んぼの残る住宅地を走り、楠橋に到着。運賃を箱に入れて列車を降り、車庫のある方角へと歩いていくと2000形、3000形の停まっているのが見えてきました。その様子を撮り、次いで走行写真をぼちぼちと撮影しました。この辺りは田んぼの中にゆるやかなS字カーブという線形で、通常の鉄道車両の方が似合いそうな景色でした。


運良くパンタをあげていた


行先表示幕の大きさが違う…


筑豊香月ー楠橋にて


筑豊香月ー楠橋にて

この後、楠橋駅から黒崎駅前行きに乗り、筑豊電鉄は乗破となりました。アップダウンの多かったのが印象的で、次に訪れることがあったら降りて撮ってみたいなと感じました。


黒崎駅前にて

現在、筑豊電鉄は昼間10分間隔での運行を行っていますが、来る3月15日に減便を伴うダイヤ改定を行うそうです。利用者減少のためということで、その旨利用者に理解を求める張り紙が、電車や駅構内にたびたび見られました。列車本数が減れば2000形の運用が優先して減らされるのは容易に予想され、今が訪問に良い時だったのかもしれません。


ダイヤ改定の貼り紙