思いつくまま

みどりごを殺す「正義」はありや?
パレスチナ占領に反対します--住民を犠牲にして強盗の安全を守る道理がどこにあろう

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

于建:社会安定のベースラインを守るために(3)

2010-03-21 18:11:45 | 中国異論派選訳
 労働者、農民、市民の権利擁護行為には、違いがあると言いましたが、共通の特徴について簡単にまとめておきます。第一に、労働者、農民、市民いずれも権利擁護活動の最大の特徴は、それが利益の争いであり、権力の争いではないと言うことです。簡単にいえば金を要求しているのであって命を要求しているのではない。権力を要求しているわけではないのです。まだ誰も街頭に出て共産党に権力譲渡を、地方官吏に政権譲渡を要求してはいません。だれも文革の時のように奪権を目指してはいません。たとえ政府庁舎を破壊したとしても、利益を求めてであって、権力を求めてではありません。誰も今の政府を倒して、新しい政府を樹立しようとはしていません。利益の争いが今の労働者、農民、市民の権利擁護活動の主な特徴です。

一つ事例を紹介しましょう。2007年広東省で大きな問題が起きました。汕尾市のある農民が村幹部と郷幹部の家を捜索するために家捜し隊を組織しました。なぜ彼らの家を捜索するのかと言えば、勝手に村民の土地を売ったからです。家捜し隊ができて大勢の郷幹部、村幹部が逃げ出しました。その年の5月7日に、私はある国家指導者に同行して調査に行きました。5月8日、当時の広東省共産党委員会書記・中央政治局委員張徳江がその国家指導者に報告しました。彼の話だと、広東省ではここ数年多くの問題が発生しているが、省共産党委員会が調査したところ、それはすべて人民内部の矛盾だということでした。人民内部の矛盾とは何でしょう? それはつまり人民元で解決できる問題ということです。おかしな話ですが、彼が言っているのは正しいと思います。その日の夜私は南方週末と南方日報の二人の論説委員と会って話しました。私は彼らに張徳江のような中共の高官も中国の現在の問題が利益の争いであり、権力の争いではないことを知っていると話しました。利益の争いであるということが今中国で発生している集団示威事件の第一の特徴です。

 第二の特徴は、規則意識が権利意識より強いということです。(PPT)それはこの人が言った言葉です。彼女はエリザベス・ペリーという名の、世界的に有名な政治学者です。彼女は2007年に発表した「中国人の権利意識」という論文で、1989年のとき自分達西側の人間はみな中国が崩壊すると思ったが、20年近い年月が経つのに中国共産党はまだ崩壊していないと書いています。西側の人は中国の民衆が街頭に出ると欣喜雀躍して共産党が崩壊すると言うが、何日かすると民衆は家に戻ってしまう、なぜか? 彼女は自分達西側の学者は最も重要な原因について判断していない、自分たちは中国の民衆が何を思っているのか知らないと言います。中国の民衆が街頭に出るのは西側とは異なる。西側で街頭に出るのは権利のためだが、中国人が街頭に出るのは規則のためだと彼女は言います。

 この言葉は分かりにくいので、一つ例を挙げましょう。中国人はなぜ街頭に出るのでしょう? 中国の民衆は、「十元くれると言ったのに、なぜ五元しかよこさないんだ。約束破りじゃないか。政府が決めた法律じゃ村民は選挙をすることになっていて、土地収用は村民の同意を得ることになっているのに、何で選挙もやらず、俺たちの同意もなしに土地を売るんだ。地方政府は国の法律に違反してるじゃないか」となります。要するに政府が約束を守らないということです。では西側の人が街頭に出るときはなんと言うでしょう。彼らは「俺に十元をくれる根拠は何だ? 人権、自然権だろう。それなら百元よこすべきだ。規則が間違っている」となります。

 中国民衆の今の行動を私は法に基づく抵抗と呼んでいますが、彼らは政府の法律で政府に抵抗しているので、法律自体が間違いだとは言っていません。民衆はほとんど誰も法律が間違っているとは言いません。それを言うのは私たちです。あなた方が北京の陳情村に行ったら、陳情者がたくさんコピーした書類をもっているのを目にするでしょう。彼らはせいぜい地方政府の規則が中央の規則に違反していると言うだけで、誰も中央の規則に挑戦してはいません。ペリーはこれが中国が崩壊しないカギだとみなしています。彼女はもし中国の民衆がみな規則が間違っていると考えだしたら、この政権は危なくなると言っています。ですから、ペリーは共産党は自分の幸福を自覚すべきだ。中国の民衆はあまりにもお人よしだから、政府が規則通りやらないことに不満を感じるだけで、規則通りやれば政府を支持すると言っています。ペリーは2008年の7月に私をハーバード大学に招いてくれ、私たちは1週間議論して、文章を一つ書きました。興味があったら読んでみてください。「中国政治の伝統と発展――于建とエリザベス・ペリーの対話」という題で『南風窓』に掲載されました。昨日の『南方週末』にも「中国政治の活力とジレンマ」という題で、またペリーとの新しい対話を発表し、中国共産党の活力はどこにあるのか、どれぐらい続くのかについて議論しています。

 第三の特徴は、反応性の方が進取性より大きいことです。この観点の要点は、中国の民衆の問題は、彼らに害を加えなければ、彼らは政府に反抗しないということです。例えば、強制取り壊し、民衆は何で自分の家を取り壊すんだ、何で取り壊しておいて補償金を支払わないんだと言います。たとえ取り壊しが自分にとって利点があっても、絶対に何で自分の家を取り壊さないんだとは言いません。このように、政府が民衆に害を加えなければ、民衆は政府に要求を出すようなことはしません。

 第四に、目標の合法性と行為の非合法性の間に曖昧なゾーンが存在します。中国民衆の権利擁護活動は、多くの活動が合法性の曖昧なゾーンで行われています。以上が現在の集団示威事件の80%以上の権利擁護活動の特徴です。

出典:http://www.chinaelections.org/newsinfo.asp?newsid=169507

(転載自由、要出典明記)

関連記事
社会安定のベースラインを守るために(1)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/3d9b7c69e6a560faae20b62a338ec1e4
社会安定のベースラインを守るために(2)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/68c0c153f2ed66b144393aa139edf448
社会安定のベースラインを守るために(4)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/996137350847de8ddc64d3d8e98fff38
社会安定のベースラインを守るために(5)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/5256694e67569f7b220b51d73ad22604
社会安定のベースラインを守るために(6)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/5c13243453ae895f37f806ea6d015ad3
社会安定のベースラインを守るために(7)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/ba9f6e854d7e94740fd42587392474e3
社会安定のベースラインを守るために(8)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/74ba5c2a06c6ffbb339d006eeeb54c55
社会安定のベースラインを守るために(9)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/bca89623778adeb768f8fdd5ba6c2748
社会安定のベースラインを守るために(10・完)
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/4e1c8327a310eff2efa1f9a048ddbd81
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 中国政治の活力とジレンマー... | トップ | 王克勤:山西省の予防接種禍... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国異論派選訳」カテゴリの最新記事