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于建:社会安定のベースラインを守るために(2)

2010-03-17 18:48:26 | 中国異論派選訳
 ここまで農民問題について話してきましたが、次に労働者問題に移ります。この問題について私は『中国労働者階級の状態』という本を書きました。それはかつて毛沢東が労働者の階級運動を組織した安源炭鉱です。共産党が本当に労働運動を行ったのは安源鍛鋼です。ここで共産党の最初の労働者組織が成立し、共産党の最初の労働者支部が設立されました。中国共産主義青年団も少年先鋒隊も安源と密接な関係がありますし、中国共産党の主な指導者はみな安源を訪れたことがあります。そこで私は4年間調査し、安源の労働者が何をしているのかについて本を1冊書きました。調査してみると、労働者問題は農民問題と比べてより複雑でした。国有企業の再編により賃金未払いなど多様な問題が生じており、農民問題の60%以上が土地問題であることとは対照的でした。労働者の抵抗方式も陳情・座り込み・ストライキ・デモ行進・交通遮断と多様です。最新の二つの重要な闘争方式は、散歩と旅行です。(PPT)見てください。これは2009年4月3日保定市の労働者が北京に散歩したときのものです。保定市から北京市までは137キロあります。私が情報を聞いて行ってみたら、彼らはもう徐水県の料金所まで来ていました。当時北京も石家荘も保定市も非常に緊張し、大勢の人を派遣して労働者と交渉しました。いわく、「お前たちはこのまま北京に入ってはならない」と。労働者は「自分たちは北京に旅行に行くのに何が悪いんだ。北京への旅行を禁止している法律がどこにある?」と答えました。説得側は、「こんなに大勢で北京に旅行に歩いて行ってはだめだ」と言いました。労働者は「金がなかったら北京に行ってはいけないのか?」と答えました。雰囲気が非常に険悪になり、保定市は仕方なく労働者に対して、君たちの問題は全部我々が解決すると言いました。労働者は、「俺たちは今は問題はない、旅行しているだけだ。見てみろ陳情書も持ってないし、横断幕も持ってない。問題はないし、陳情も告訴もしない。旅行しているだけだ。」と答えました。最後はその場で彼らの会社の代表取締役を逮捕したと言って、やっと労働者達は帰りました。散歩をみなさんが最初に聞いたのはアモイでしょう。実際はもっと早く安源炭鉱で始まっています。私が安源炭鉱に興味を持ったのはそのためです。一部の熟練工が賃上げを要求しましたが、会社は相手にしませんでした。裁判所に提訴しても受理されず、警察署にデモ行進をすると通告しても、警察は相手にしませんでした。仕方なく彼らは北京に陳情に行きましたが、5人以上だったので〔中国では当局の許可を受けない5人以上の屋内屋外の集会、集団行動は禁止されている。〕、彼らは逮捕されました。最後に彼らは日を決めて2万人の労働者が同時に安源炭鉱のある萍郷市に行きました。萍郷は地区級市ですが、2万人が路上で散歩するというのはどういう状況でしょう? このような合法か非合法化の線引きが難しい行為について、私は最近研究しています。

 さらに深刻なのは、労働者問題の暴力化の傾向です。2009年7月24日、通化製鋼所でストライキが発生し、社長が殴り殺されました。その後少なからぬ旧国有企業で横断幕が掲げられました。そのうちの一つには「通化の兄弟は行動した、我々はどうする?」と書かれていました。多くの再編民営化された旧国有企業の経営者は出社できませんでした。なぜでしょう? 殴り殺されるかもしれないと恐れたのです。この事件の後私は続けて3つ文章を書きました。最初の文章の題名は「労使協調には制度整備が必要だ」です。全国総工会〔共産党指導下の御用組合もしくは互助会〕は9月に上海浦東で重要な研修会を開催し、全国各省市の総工会の主席・研究室主任を浦東に呼んで学習させました。私はそこで講義しました。工会の人はみんな、なぜ今の労働者は自分たちの命令を聞かなくなったのかと聞いてきました。私は「なぜあなた方の命令を聞くんですか、あなた方は彼らの利益を代表していないのに、聞くわけがないでしょう。騒ぎが起こって、あなた方はやっと労働者が命令を聞かないのか考え始めたんです。」と答えました。私の判断では、労働者の暴力化傾向は一定期間顕在化するでしょう、元々解決されたはずの問題も再び出てくるでしょう。安源炭鉱では数年前に騒ぎがありましたが、いったんおさまって、また始まっています。安源の労働者はまた散歩や旅行、各種の活動を始めています。以前からの問題がまた出てきたのです。

 タクシーストライキも深刻です。代表的なのは2008年11月の重慶です。重慶市共産党委員会書記は当時二つのことをしました。一つは彼らに会ったこと、もう一つは彼らに分け前が減ったら労働組合を作ってもいいと言ったことです。彼がこう言うと、全国で歓迎されました。しかし二つ問題が残りました。第一に、他の地方はどうするのか? 国はどういう態度をとるのか? 2008年11月10日、三亜市でタクシーストライキが発生しました。ここの江沢林という名の市共産党委員会書記は、私たちの社会科学院農村発展研究所の博士課程卒業生です。彼は非常に緊張し、会うべきかどうか迷いましたが、仕方なく会いました。重慶の市共産党委員会書記は中央政治局委員ですが、彼は海南省の省共産党委員に過ぎません。重慶の書記さえ会ったのに会わないわけにはいかなかったのです。結局会って、組合を作ることを認めました。しかし、中国のタクシー業界に本当に運転手の利益を代表する組合を作ることができるのでしょうか? 当時私たち少数の人が北京大学法学部で会議を開きました。そこで私は、私の中国共産党に対する理解と中国の現在の高官の統治理念に対する分析によれば、私はそのような組合を作ることはできないと言いました。共産党が最も恐れているのはそういう組合ができることです。第二に、重慶のタクシー業界がこれにより健康に発展していくことができるのでしょうか? 現在は状況が変化して、全てのリーダーが争議の当事者に会わなくなりました。そして20年の懲役刑を受けたヤクザの親分黎強の、最大の罪状が重慶で「11・3タクシーストライキ」を組織したということだとされたのです。

 2008年以降、教師のストライキも深刻になっています。教師は賢いですから、誰もストライキとは言わず、休講と言うだけです。なぜストが起きるのか? 主な原因は法律で教師の賃金は同じ地区の同類型の公務員の賃金より低くてはならないと定められているのにそれが守られていないことです。また最近では業績給の不公平も引き金になっています。

 労働者の問題について簡単にまとめると。国有企業の再編による労資衝突が労働者問題のカギです。出稼ぎ労働者を含む労働者と資本の衝突がこれからの主な問題になるでしょう。

 市民の問題について、私は研究をしたことはありません。私には博士課程時代の妹弟子がいますが、彼女は今は共産党党学校の教師をしています。彼女の博士論文は市民の権利擁護運動でした。今年人民大学国際政治博士課程卒業生の学位論文発表会に行きましたが、3人いた博士候補はみんな市民の権利擁護運動について発表していました。現在、ますます多くの学者が市民の権利擁護運動に関心を寄せるようになっています。彼らの研究によると、住宅取り壊し問題が市民の権利擁護運動の中心問題です。取り壊しをめぐる紛争が最も深刻なのは甘粛省隴南市です。去年の11月17日には市共産党委員会が打ち壊しに遭いました。私たちは市民の権利擁護活動を契機とする集団示威事件が増加するだろうと分析しています。最近の事例は昆明市螺糸湾での住宅取り壊しをきっかけとする集団示威事件です。少し前に私は螺糸湾で何が起こったのか知るために昆明に調査に行きました。

出典:http://www.chinaelections.org/newsinfo.asp?newsid=169507

(転載自由、要出典明記)

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