映画制作裏話ブログ

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脚本レビュー「ある愛の風景」

2007年12月21日 | 映画原作 映画製作裏話 独身社会人
本作品は、これまでに
2005年サンダンス映画祭(観客賞)受賞作品
2005年デンマーク・アカデミー賞 (最優秀主演女優賞)受賞作品
2005年ロベルト賞(最優秀脚本賞)受賞作品
2006年カンヌ国際映画祭(UCMF映画音楽賞)受賞作品
の賞を受賞しています。

このスザンネ・ビアという女性監督の過去3作のうち2本
「しあわせな孤独」「ある愛の風景」がハリウッドでリメイクが進行中で、
残り1本「アフター・ウェデング」がアカデミー賞ノミネートといいますから、
オニのような才能の持ち主です。
この作品もジム・シェリダンでリメイク中。

デンマークがISAF・国際治安支援部隊に、
国軍を派遣しているというのは知りませんでした。

ISAF・国際治安支援部隊というのは、国際平和活動のひとつです。
アフガニスタンの治安維持を通じアフガニスタン政府を支援する目的で
2001年に設立。(2003年NATOの指揮権入り)
2007年現在、北部各州にはドイツ・スウェーデン・ハンガリー・ノルウェーが、
西部各州にはイタリア・アメリカ・スペイン・リトアニアが、
南部各州にはカナダ・アメリカ・オランダが、
東部各州にはニュージーランド・アメリカ・トルコの各部隊が展開しています。
他にも、NATO加盟国としてベルギー・ブルガリア・チェコ・デンマーク・
エストニア・フランス・ギリシア・アイスランド・ラトビア・
ルクセンブルグ・ポーランド・ポルトガル・ルーマニア・
スロベキア・スロベニアがISAFに参加しているそうです。
ここにきて東部から南部のパシュトゥーン地域で治安の悪化が顕著になっています。
東部に隣接するパキスタン領内にはアルカイダが、
アフガニスタン領内にはタリバン、そしてその他の反政府組織が活動している
と伝えられます。
特に2003年のイラク戦争以来、
彼らの攻撃は活発になったとされており、
2007年後半の現在になっても、
だいたい週に1度のペースで、
ISAFの隊員が反政府勢力によって拉致、拘束、殺害されている状況です。
現在までの死者は500人以上にのぼっていると言われます。

この映画の優れた点は、
これを単に戦争悲劇に留めず、
対立する兄弟、というカインとアベルを髣髴させる設定を敷いて、
人間の不条理まで押し上げていった点ですね。
さりとて哲学映画にせず、メロドラマの範疇で踏ん張っているところに、
この監督の力量の高さを感じます。
ハリウッド版がどんな風になるのかは未知数ですが、
オリジナルではずばり主人公がアフガニスタンに派遣されて
タリバンの捕虜となって非人道的な扱いによりPTSDになっていますが、
それが別のものに置き換えられてしまうのはそれだけで…


以下はネタバレになるので、この続きは
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/la-mer/Pic-aruai.html
にて脚本レビュー「ある愛の風景」の頁をご覧下さい。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
深刻な問題ですね (rock-c)
2007-12-23 16:13:37
TBありがとうございます。
アメリカ版はもっとドラマティックになるのでしょうね、きっと。
しかし、人間は極限状態になるとやはりああいう風になるのでしょうか、悲しい性です。
また、あれを体験すると帰還しても普通の生活には戻れませね。
だれが悪い訳でもないのに、非常に辛い内容でした。

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