Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

アメリカの非関税障壁

2007-03-24 | 構造改革
 日本に対して、非関税障壁撤廃というスローガンで、ガンガン迫ってきたアメリカですが、自国は、どうなっているのでしょうか

 「米国の規制改革及び競争政策に関する日本国政府の要望事項」によれば、例えば、保険事業の場合は、こうです。

 1.保険事業の監督・規制が各州によって異なるため、複数の州で保険事業を行う場合、州毎に免許を取得する必要がある
 2.複数の州で商品を販売しようとした場合、保険商品や料率の認可申請や重要事項の届出を複数州のすべてにおいて行う必要がある。
 3.この結果、保険会社は、事業をアメリカで行うにあたり免許や認可を受けるため、各州法に基づく各州個別の審査に服することを余儀なくされている。
 4.これに加え、州によっては、審査に要する期間が標準処理期間を大幅に超える例がいまだに発生している。

  アメリカは、連邦国家で、連邦政府は、外交と軍事、州政府は内政と権限の切り分けをしていますから、州政府は州独自の規制が出来るわけですね。

 これを見る限り、日本にグローバル・スタンダード(実はアメリカン・スタンダード)に従うように指示しながら、自国は、国内基準さえないのが実情のようです。

 他国の保険会社は、事業をアメリカで行うにあたり免許や認可を受けるため、各州法に基づく各州個別の審査に服することを余儀なくされているというのは、まさに、非関税障壁そのものなのですが、そのような現状がありながら、日本をアンフェア呼ばわりするのがアメリカの身勝手さというものです。「アンフェアなのはどっちか」?という事です。



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 米国の規制改革及び競争政策に関する日本国政府の要望事項より、

8.保険関連規制

(1)州別規制の調和・統一又は連邦監督制度への移行

米国では、保険事業の監督・規制が各州によって異なるため、複数の州で保険事業を行う場合、州毎に免許を取得する必要があるほか、複数の州で商品を販売しようとした場合、保険商品や料率の認可申請や重要事項の届出を複数州のすべてにおいて行う必要がある。

この結果、保険会社は、事業を米国で行うにあたり免許や認可を受けるため、各州法に基づく各州個別の審査に服することを余儀なくされている。これに加え、州によっては、審査に要する期間が標準処理期間を大幅に超える例がいまだに発生している。このような状況は保険会社にとって、業務上大きな負担である他、時宜を得た顧客への対応を阻害する要因となっている。

このような実情を踏まえ、前回、日本国政府は米国政府に対し、手続及び実質的要件の両面において米国における保険事業の州別規制の調和・統一化の実現、並びに各州における審査の迅速化と透明性の向上を要望した。また、当該問題の解決の為、全米保険監督官協会(NAIC)のみならず、連邦政府からも現行制度の改善の為の積極的働きかけを行い、各州における改善状況について、適時適切に日本国政府に情報提供するよう要望した。

しかし、残念ながら、各州の免許・認可申請手続きが未だ不統一であり、審査手続きも迅速化していない等、州別規制の調和・統一が図られていない。また、当該問題の解決の為の米国における取り組みについて、NAIC と米国政府のいずれからも、積極的な情報提供が日本国政府へなされていない。