Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

「それは陰謀史観だ」とレッテルを貼って思考停止する人たち

2007-03-09 | 構造改革
関岡英之「拒否できない日本」のあとがきより、

 アメリカを批判すると、「それは日本の自己責任をアメリカのせいに転嫁する陰謀史観だ」という人がすぐ現れる。だがその指摘にどんな積極的な意味があるのだろう。「それは陰謀史観だ」とレッテルを貼って思考を停止してしまう。そして、パンやサーカスに注意をそらし、現実に起きていることへの国民の関心を封印する。

 だが本書で私が指摘したことは、ほかでもないアメリカ政府自身が『年次改革要望書』や『外国貿易障壁報告書』などの公式文書で公表していることなのだ。これは陰謀でも何でもなく、アメリカ政府によっておおやけの対日政策によって決定され、毎年定期的に議会へ文書で報告されてきたことなのだ。必要なのは、疑問の声を封じることではなく、日本とアメリカの関係が、実際のところはどのようなものだったのか、日本人自らきちんと検証することではないだろうか。(p。225)


 『年次改革要望書』を読み、それと政府・自民党の出してくる法案との関連性を見れば、、結局、政府の行おうとしている「改革」が『年次改革要望書』に書かれているアメリカの要望でしかないことが分かります。

 更に、「復党問題」で、未だに造反議員を復党させるべきでなかったと、アメリカに反旗を掲げた議員を「無所属」で立ち枯れさせてしまえというような主張をしたり、日本特有の商慣習を、古臭く、非合理的なものとして頭から否定し、進んだアメリカのやり方に学べとするような主張をするマスコミもまた、『年次改革要望書』の価値観こそが正義であると、日々、日本国民に布教している宣教師の役割を担っているのです。

 『年次改革要望書』の存在を知り、日本政府がそれに従っているのだという事を理解してもなお、「アメリカは、日本のために『年次改革要望書』をつくり、日本を良くするための要望を行っているんだ」と主張する「お花畑」全開の自称保守がいます。

 そのような言い草は、中国が日本に、「靖国参拝は、止めなさい」と厳命しているのを、「中国様が、日本のためを思って、言ってくださっているのだ」と評価するのと、論理的に同じです。また、マッカーサーの行った、日本占領政策の本質を見極められずに、「軍国主義者に乗っ取られていた日本を解放してくれたアメリカ様、有難う。」「日本を民主化してくれた、マッカーサー様、有難う」と称えると同様です。マッカーサーが日本人を12歳の少年に喩えたのも、このような日本人の疑うことを知らない純真さの故かもしれません。

 占領政策の根本は、「戦前の日本のやり方(富国強兵策)は間違っていた」、「戦前の日本の指導者(軍部)は悪い奴らだった」と教え込むことでした。そのようにして、日本人の自国に対する自信を根こそぎ奪ってから、「アメリカは、悪い指導者から日本を救ったのだ」と自賛し、「戦前の間違ったやり方を、アメリカが矯正してやる」として、アメリカの改革を正当化しました。

 今の、構造改革でも同様の手法が取られました。「今までの日本のやり方(護送船団方式・利益誘導型政治)は間違っていた(あるいは、もう時代遅れだ)」「今までの日本の指導者(官僚&族議員)は悪い奴らだった(あるいは、守旧派だ)」・・・。

 カルトの洗脳もまずは、相手の存在を全否定して、自信を粉々にしておいてから、「私に任せなさい。私が、あなたを幸せに導いてあげます」と救いの手を差し伸べて、不安の極にある相手の心を捉えるという手法をとるそうです。

 ごりごりの構造改革論者の作り方は、カルト信者の作り方と同じなのです。



 
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