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奥山篤信 今年の映画総括

2016-12-31 10:12:27 | 奥山篤信

奥山篤信 今年の映画総括
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太郎と花子の本年度日本公開ベスト12
順不同

ある天文学者の恋文
ジュリエッタ
アクトレス?グランドフィナーレ?イレブン・ミニッツ?ダルトン・トランボ?生き写しのプリマ?ローマに消えた男?奇跡の教室?ブルゴーニュで会いましょう?イングリッド・バーグマン
ミルピエ パリ・オペラ座に挑んだ男

太郎:同志社大学神学部卒 過激派全共闘 平凡サラリーマン定年退職 68歳
花子:早稲田大学政経学部卒 パリソルボンヌ大学卒 ファッション誌 35歳

太郎:今年もこんな年寄りに映画付き合ってもらって若さをもらって花子さんに感謝やあ

花子:どういたまして。太郎さんみたいな世捨て人の<ご意見番>が私にもとても刺激になってよかったわ。こちらこそありがとうと言いたいです!でも今年映画は豊作だったと思うけど。日本映画は嫌いだけど世間では<ゴリラ>やら<君の名は>やら日本映画も興行的に大成功だったんでは?

太郎:わしはもう日本映画拒食症やあ 何をやってもアホな日本人の軽薄さに単に受けてるだけやろ やってられんわああ 今や日本人は世界の痴呆民族一つに成り果ててるんやあ こんなアホに銭儲けで受けてもしゃないやんかあ!

花子:抑えて抑えて まあまあ でも一説によると特殊撮影が日本のハイテク駆使してよかったという専門家もいるわよ!

太郎:たかが特殊撮影も小手先の技術やろ わしはアニメも大嫌い 特殊撮影も全く嫌なんやあ わしはアホな男かもしれんが、これがわしの人生なんやあ 

花子:なんか鶴田浩二のヤクザ映画のセリフ思い出すわねえ

太郎:もうわしも68歳 花子さんの若々しい考えはわかるけどわしはとにかく3Dやら特殊撮影やら胸糞悪いんやあ

花子:で、今年の映画だけど太郎さんは何が一番

太郎:ええ映画で一概に順序付けたくないんやけど・・・好きな映画やったらアルモダバルの<ジュリエッタ>かなあ!でもわしみたいな古い世代だとドキュメンタリーの<イングリット・バーグマン>には感動したなあ 

まさに女性解放の先駆者としてのバーブマン 娼婦と言われた大女優 とんでもないまさに女性として真摯に生きた恋多き実存主義の女性をドキュメンタリーで娘たちの口から描いた素晴らしい映画だった 

それと年末に見た<ミルピエ パリ・オペラ座に挑んだ男>最高やった。ナタリー・ポートマンの旦那や。世紀の美男美女のカップルやあ!ユダヤ人通し。

キリスト教と違ってメシア未到来(ちなみにイエスがメシアがキリスト教)ということでユダヤ人は固定観念がない 次々と新しいものに挑戦する民族なんやあ。世界の科学・芸術・政治何を見てもユダヤ人は先端やろ。わしはメシアの未到来がそこにあるとみてるんや!

花子:面白い切り口ねええ!私はトルナトーレの<ある天文学者の恋文>がしびれたは!暴漢に頭を襲われて再起不能だったトルナトーレはその後作風が変わってるけど、モリコーネの音楽だけは同じで、今回は暴漢後第三作目だけど発想が素晴らしかったわ。あのジェレミーアイアンズの演技も素晴らしいし、ロシアのオルガなんとかも最高それにイタリアの美しい風景の中でミステリアスな物語はサイコーよ!

太郎:もちろんわしも感激した。異論はあらへんでえ。わしは<ジュリエッタ>のあの二人の同じ役の女優が最高やった。若い役の彼女まさにスペイン映画界のペネロペに次ぐ将来期待やなああ!そうそう<グランドフィナーレ>がしびれたなあ!スイスの超豪華養老院での二人の老人を最高の男優が、誰やったかな?

花子:ハーベイ・カイテルとマイケル・ケイン

太郎:そうあの人生最後の人間の達成感と虚無感のアンビバレンス 嗚呼 わしは共感したんやあ そんな意味で<アクトレス>もしびれたなあ 名女優ビノチェの演技それにあの秘書が素晴らしかったなあ 途中で消えちゃうの

花子:太郎さんの言うことがわかるわ嗚呼!あの秘書最高やった なんかそのうち太郎さんが誘ってもあの秘書のようにさよならするかもしれないわよ

太郎:こらっつ そう世代のどうしようない感覚のギャップ あの映画はうまく描いていたなあ

花子:私は<生き写しのプリマ>も素晴らしかった。<ハンナ・アレント>のあの女傑映画監督しかもそれに出たあのドイツの名女優バーバラ・シュコヴァの演技 なんかミステリーもあり素晴らしい映画だったわ

太郎:シュコヴァはわしの10指に入るドイツのシュレンドルフ監督の<ヴォイジャ voyeger>に出てる、何の女性的魅力もないが演技の奥行きがあるんやなあ わしもあの生き写し大好きやでええ

花子:意外に<イレブン・ミニュツ>よかったんじゃない。撮影の斬新さとか面白かったわねえ

太郎:ポーランドの鬼才監督やろ あれは良かった 映画のテクニカルな面と創造性から行ったら抜群や ポーランドって国は映画素晴らしいなあ キシュロフスキーやらワイダやら

花子:<ローマに消えた男> あれって一人二役双子の兄弟を演じている。あれもイタリア臭プンプンで素晴らしい独創的映画だったわ

太郎:あれも良かった。成りすましの双子同士の映画 ああいう発想がやっぱり洋画しかないよなあ 賛成!花子ばっかり喋り捲って そうそう<ダルトン・トランプ>には泣けた!あの初めて見た男優の演技 

とにかくあの映画はわしの筋回し筋の素晴らしさそれに英雄を描くと言う映画の大切な要素を満足させてくれて感動した わしは涙が止めなく あの英雄の頑固さとそれでもなお敵を許す美しさ 嗚呼最高の鑑賞後の感慨にずっと席を立たずにいた 他の客もそうだった

花子:太郎さんも過激派の赤だったからあのゲバ棒時代を思い出したんでしょ??笑 ところで太郎さん<奇跡の教室>でも感動したわねえ

太郎:いやあれは教育とは何かを考えさせる素晴らしい実話に基づく映画だったなあ 素人ばっかりの映画だったがそれがいかに映画にリアリティをもたらしたか わしはあの映画好きやなあ!

花子:これで11本がベストに挙げられたけど、他にも<胸騒ぎのシチリア>やら太郎さんの好きそうな<ハドソン川の奇跡>やらどう?

太郎:ああシチリアのダコタ・ジョンソン素晴らしかった あの映画も良かったなあ そうそう<ブルゴーニュで会いましょう>も12本目やあ あの葡萄園の土着の農民の執念良かったああ!俳優も最高やった 

ハドソンもさすがクリント・イーストウッドやった もちろん異論ないよ アクションだったら<ボーンズ>も面白かったなあ

花子:ヘレン・ミレンも大活躍だったわねえ あの絵画を取り戻す映画 忘れちゃった 年末の<アイ.イン.ザ.スカイ>の演技も抑制が効いていて断固たるやらねばならぬことをやる指揮官の孤独と虚しさを見事演じてたわねえ

太郎:花子さんが全て言ってくれてありがとう あとは<兵とフルエイト>やらあったけどなあ わしはあのデカプリオのアカデミー賞もらった映画はイマイチやでええ。

そうそうあのナタリー・ポートマンが出たテレンス・マリクの<聖杯たちの騎士>なんやあれ わしは途中で退席やあ キリスト教の説教がムンムンしてて不愉快になったんや

花子:はいはいわかるわよ なんかマリク監督も前の映画から自己陶酔の痴呆症みたいねえ くだらない思わせぶり 私も大嫌いな映画だった 隣のアベックもさっさと途中退席やった

太郎:今年の女優の最高はなんと言ってもヘレン・ミレン、ダコタ・ジョンソンそれにスペインのアドリアーナ・ウガルテやあ

花子;来年も楽しみねえ 来年も付き合ってあげるわよ

太郎:ボケ老人をお見捨てなく

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南丘喜八郎 月刊日本1月号巻頭感 : 今こそ「日本を取り戻す」好機だ

2016-12-31 10:07:04 | 南丘喜八郎

南丘喜八郎 月刊日本1月号巻頭感
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今こそ「日本を取り戻す」好機だ
 

   今年十二月九日は夏目漱石の百回目の命日だ。今年は漱石没後百年目に当たる。
 日露戦争勝利後の明治四十一年、漱石は朝日新聞紙上で小説『三四郎』の連載を始めた。四十一歳の時だ。

 主人公三四郎は熊本の高等学校を卒業し、進学のために上京する。車中で隣り合わせになった鬚の男が三四郎にこう話しかける。

 〈「いくら日露戦争に勝つて、一等国になつても駄目ですね。あなたは東京が初めてならば、まだ富士山を見た事がないでせう。あれが日本一の名物だ。所が其富士山は天然自然に昔からあつたものなんだから仕方がない。我々が拵へたものぢやない」と云つてにやにや笑ている。

 三四郎は日露戦争以後こんな人間に出逢ふとは思ひも寄らなかつた。どうも日本人ぢやない様な気がする。
「然し是からは日本も段々発展するでせう」と弁護した。

 すると、かの男は、すましたもので、「亡びるね」と言つた。〉 (『三四郎』)
 漱石は鬚の男の口を借りて、日露戦争勝利に驕る日本はいずれ「亡びるね」と警告を発したのだ。

 米国の支援を得て日露戦争で辛うじて勝利を手にした日本だが、米国の鉄道王ハリマンからの南満州鉄道共同経営案を拒絶したのを端緒に、日本の勢力圏となった南満洲において日本製の綿製品が米国製品を駆逐するなど、市場の閉鎖性が日米間の重大な問題となり、急速に米国との関係が悪化していく。

 『三四郎』の連載が始まった明治四十一年頃から、米国で排日運動が起り、日本移民の制限政策が始まる。
 こうした状況下の大正三年、日本はドイツに宣戦布告し、第一次大戦に参戦する。日本の参戦はドイツの恨みを買うだけでなく、米国の反日感情をさらに悪化させた。

 象徴的なのは、日露戦争の戦費調達を支援した米国最大の投資銀行の一つであるクーン・レーブ商会代表ジェイコブ・シフが日米協会副会長を辞任し、日本興業銀行債権などの斡旋をすべて断り、回収を求めてきたことだ。

 当時、桂太郎や寺内正毅らが政権を握っていたが、日米関係の微妙な変化に気づくはずもなかった。裏面で彼らを操縦したのは薩長閥の頂点にある山縣有朋である。彼ら薩長閥は明治維新以来の富国強兵策一本槍で、軍事的圧力の下で満蒙権益の確保と中国本土への影響力行使を強め、朝鮮半島の植民地化を着々と進めつつあった。

 こうした政権の在り方に重大な危機感を抱いたのが、政友会総裁の原敬である。原はこう認識していた。
 「日露同盟又は露仏日英同盟などの説あるも、是れは一時の平和は出来得べきも将来は日英同盟恃むに足らず。一朝米国と事あるに際し欧州は毫も恃むに足らざれば、米国の感情は多少の犠牲を払ふも之を緩和するの方針を取らざるべからず」(『原敬日記』大正三年九月)

 寺内正毅首相の辞任後、原は大正七年に首相に就く。中国・満洲には主権を尊重して友好を深めるべく努力を重ねたが、「弱腰外交」と厳しい批判に晒された。三年後、原は東京駅頭で暴漢に刺殺され、六十五歳の生涯を閉じる。稀有な政治能力を持つ原敬が暗殺された後、昭和二十年八月の大東亜戦争敗北までは一瀉千里だった。

 漱石が『三四郎』で「亡びるね」と書いた通り、先人の作り上げてきた近代日本の果実は一挙に潰えた。
 敗北から七十一年間、我が国はヤルタ・ポツダム体制下で、米国支配に甘んじてきた。その戦後秩序が眼前で崩壊を始めつつある。英国のEU離脱、中露の台頭、中東大波乱、加えて米国には異形の大統領が誕生する。

 トランプ大統領の誕生は戦後秩序だけでなく、日米関係を劇的に変える蓋然性が高い。米国支配に呻吟してきた我が国にとって、千載一遇の好機と捉えるべきだ。

 だが、この混迷期に臨んで、独立自尊の日本国を確立せんとする気概のある政治家が果たしているのか。七十年余の精神的奴隷状態に馴らされてしまい、自立の精神を忘却してしまったのではないか、と危ぶむ。

 この原稿執筆中に沖縄でオスプレイ墜落事故があったとの報道に接した。新聞・TVは墜落を米軍の説明通り、「不時着」と偽って報道した。図らずも、戦後の精神的奴隷の実態が露呈したのだ。

 安倍総理は就任時に「戦後レジームからの脱却」を掲げて、「日本を取り戻す」と獅子吼した。
 いまこそ、安倍総理には、天から与えられた自立の好機を掴み、真の独立国家日本を取り戻して貰いたい。
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書評 しょひょう : ケント・ギルバート『米国人弁護士が「断罪」、東京裁判という茶番』

2016-12-29 10:43:15 | 宮崎正弘

書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう BOOKREVIEW 
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 日本に四十年も住みながら数年前まで靖国神社へ入ったことはなかった
  東京裁判がインチキと認識するに至った契機は朝日新聞の誤報事件だった

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ケント・ギルバート『米国人弁護士が「断罪」、東京裁判という茶番』
     (KKベストセラーズ) 
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 おなじみケントさんの最新刊である。
 この本では巻末に加瀬英明氏原案の漫画が、本書を解説するように配されていて多角的である。そのうえ解説を評論家の植田剛彦氏が書いている。

植田氏は朝鮮問題に詳しい評論家だが、ケント氏の親友でもあり、いつぞやはユタ州へ飛んで、北朝鮮に拉致されたアメリカ人青年の家族を訪問し、直撃インタビューをしたことがある。ユタ州はモルモン教徒の本場である。モルモン教徒のケントさんが助っ人をしてくれたという。

 

 さて、ケントさんの所論はA級戦犯などいないし、東京裁判などという事後法で日本人指導者を裁くこと自体が国際法に照らしてもあやしいと断定していることである。

 マッカーサー自身が、のちの米国議会証言で日本は自衛のために戦ったのだと総括している。
 題名からして中味の想像がつくだろうから、ここでは内容の話は割愛する。

 それよりケントさんの独白がじつに面白いのである。
 かれは四十年も日本にいながら、つい最近までA級戦犯は悪い奴、平和憲法は良い憲法であると信じて疑わなかったのだ。理由はまわりの日本人がだれも指摘しなかったから、これまで考える機会もなかったと率直に語っている。

 「ほんの数年前まで、「東京裁判」について詳しく調べたり、深く考えたことなど一度もなかった。『侵略戦争』という犯罪行為を行って日本の指導者を、連合国側が裁判にかけて、とくに罪が重い『A級戦犯』である七人が死刑になったという、『お仕着せの認識』しか持っていなかった」(中略)

 靖国通りはかぞえきれないほど通ったが、「靖国神社の境内に葦を踏み入れたのは、2015年五月がはじめてだった」
 「自分はなんと無知だったのかと恥ずかしくなる」と告白する。

 ケントさんが、歴史観を一変させた出来事は朝日新聞が過去の誤報を認めたことだった。

 「自分がこれまで常識と考えてきた情報を、すべて疑ってみて、謙虚な気持で一から調べ直してみる必要性を強く感じた」。それが本書の執筆動機となった。

わたしたちはかけがえのないアメリカの友人を得た。
 
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 王岐山、第19回党大会以後も「居残り」が鮮明に

2016-12-29 10:35:41 | 宮崎正弘

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)12月26日(月曜日)
        通算第5147号   
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 王岐山、第19回党大会以後も「居残り」が鮮明に
  党内に着々と「王岐山」派が形成され習近平派と両輪に
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 2017年10月に予定されている第19回中国共産党大会。五年に一度のこの会で執行部のトップが決まり、自動的に中国の次の方針が浮き彫りとなる。

 これまでは年齢制限もあって王岐山(党政治局常務委員。序列六位)は「引退」するという見方が有力だった。

汚職追放キャンペーンで江沢民派を断崖に追いやり、団派(党内エリート、共産主義青年団)に対しても、ぬきんでたリーダーの可能性がでると、頭を叩き続けて、習近平の権力基盤固めに大いに貢献してきた。

 江沢民の金庫番だった周永康ら石油派と葬り、暴力装置の軍人では同じく江沢民派の二人のボス(徐才厚と郭伯雄)を失脚させた。

返す刀で胡錦涛が扶植してきた団派人脈にもメスを入れて令計画を落馬させ、無期懲役に。
ついでに団派リーダーの李克強首相から経済政策の主導権を奪った。

 団派の次期リーダーである胡春華と孫政才は地方政府へとばしたまま、中央の人脈を習近平と王岐山は、おのおのが独自に自派閥で固めだした。
 対して上海派の抵抗は陰湿に展開されたが、団派の抵抗はあまり目立たなくなった。

 王岐山にとってのアキレス腱は来年の党大会で69歳となり、党の不文律とされる定年の68歳をこえて、留任という合意が得られるかどうか、にある。

「七上八下」というのは67歳ならもう一期やれるが、68歳なら次はないという暗黙の了解事項である。しかし、王岐山の定年例外措置は、党内ですでに合意が出来ていると言われる。

 米国ジェイムズタウン財団の『チャイナブリーフ』(16年12月22日)に拠れば状況は次のように変貌してきたという。

 「六中全会」では『習近平総書記が党の核心』と位置づけられた。
直後から、党を牽引しているのは二大派閥であることが判明した。第一派閥はいうまでもないが太子党を構成する仲間内、そして習その人が抜擢し、あるいは弐階級特進の人事で周りを固めた。つまり「習近平派」である。
要するに習の福建省時代の子飼い、ならびに江蘇省時代の子飼い、部下たちが新しい主流派を形成している。


 ▼王岐山は中国版KGBトップを固めている

 党中央紀律委員会を主導する王岐山の下、当該委員会と行政の上層部が、王岐山の派閥を形成していることは明白だ。
 まず急浮上は陳文清(前中央紀律委員会副主任)が六中全会直後に公安部長に昇格した。
 黄樹堅は内務部長に昇進した。この二つは中央紀律委員会と連携する中国のKGBである。

 同委員会のメンバーだった黄暁微は山西省党委員会委員にパラシュート降下して、周囲をあっと驚かせた。
山西省は石炭利権ならびに前総書記・胡錦涛の右腕だった令計画が一族郎党あげての牙城だった。かつての敵陣を王岐山派閥が抑えるのだ。

 黄暁微は昨秋、省党委員会副書記となり、令の残党とみられた30名を起訴に追い込んで、山西省に磐石の権力基盤を築いた。ちなみに同省の省長は李鵬の息子、李小鵬だが、飾りに過ぎない。

 王岐山は基本的に銀行畑を歩いたエコノミストである。副首相時代は国際金融に明るかったため米中戦略対話は彼が担当し、米国の信任が厚かった。

かれの主なキャリアだった財務金融部門でも部下があいついで昇進している。チアンフイユ(音訳不明)は最近、大手の『招商銀行』頭取となった。

 王の金融時代の部下だった蒋超良は河北省書記に栄転した。
 王は「消防夫」とも言われたが、緊急時のリリーフも得意で、北京がSARS騒ぎに見舞われたときに北京市長を務めている(2003年から07年)、そのときの副市長だった林鉾(リンヂュオ)は甘粛省省長代理になった。


 だが習としても野放図に王岐山の権力拡大は望まない。いま、習にとっては、王岐山の反腐敗キャンペーンという強引な遣り方が、彼の「党の核心」という野心達成に絶対に必要だからだ。

しかしもし、権力を固めてしまえば、王岐山は『使い捨て』の対象となるだろう。
 そのあたりも王岐山はよく心得ているようで、残留意思をいまの段階では明確に表明していない。
 
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」  カール・アイカーンがトランプ政権の経済政策特別顧問に

2016-12-28 18:12:52 | 宮崎正弘

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)12月27日(火曜日)
        通算第5149号   
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カール・アイカーンがトランプ政権の経済政策特別顧問に
  あの乗っ取り王、規制緩和で重要な助言をトランプに囁き続けた
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 ひさしぶりにカール・アイカーンの近影を見た。
80歳と老けたが、顔つきが穏和になり、テツガクシャ的風貌になった。白髪、典型的なユダヤ鼻。眼光の鋭さだけが昔と変わらない。十年前の写真ではラビン元イスラエル首相に似ていると思った。
あれから長い歳月が流れたのだ。

そう、アイカーンは1985年のTWA乗っ取りで、T・ブーン・ビケンズやアイバン・ボウスキーを超えてウォール街の「乗っ取り王」と渾名され一世を風靡した。ハリウッド映画「ウオール街」はマイケル・ダグラス主演だったが、そのモデルとも噂され、世界的に有名な投資家だった。

かれは経営哲学と、経済思想を語る。プリンストン大学では哲学専攻だった。
この文脈ではジョージ・ソロスや、ウォーレン・バフェットと似ているが、まったく似ていないのはソロスもバフェットも民主党支持なのに対して、アイカーンは共和党支持者、ドナルド・トランプ次期大統領とは1980年代からの知り合いである。

そのうえ、ウォール街の乗っ取り屋やインサイダー取引の禿鷹ファンドと、アイカーンが異なるのは、かれは企業買収ののち、実際に企業を経営するのだ。だから、『乗っ取り王』と呼ばれることを極度に嫌う。

日本では次期トランプ政権で「国家通商会議」トップとなる、対中強硬派のピーター・ナヴァロ(カリフォルニア大学教授、『米中もし戦わば』の著者)のことで持ちきりだが、アイカーンに関しての記事が少ない。

 カール・アイカーンは大学で哲学を専攻したことは述べたが、『フォーブス』恒例のランキングでは世界富豪第二十五位。個人資産125億ドルという。

  かれはオバマ政権がなしたウォール街、ならびにエネルギー産業への規制強化によって、米国の失った資産は1兆ドルに達すると積算し、レーガン政権のように規制緩和が経済を活性化させると主唱した。
この発想こそが、トランプの選挙公約に繋がっている。

トランプ政権のまわりを固めた閣僚に大学教授はゼロ、インテリが「売り」の学者もゼロ、財務長官はゴールドマンサックス出身。国務長官はエクソン・モービル会長といった具合で、顔ぶれを見ただけでもオバマ政権と百七十度ほど、異なった政策を遂行しそうなことがわかる。

記憶が蘇った。筆者は1989年に、アイカーンをモデルにしていた。『ウォール街 凄腕の男たち』(世界文化社)という拙著で、ブーン・ピケンズ、ボウスキー、クラビス、ミルケンなど、名うての乗っ取り王らに混じって、ドナルド・トランプにも一章を割いていた。自分でも忘れていた。

四半世紀余を経て、埃を被った当該書を本棚にみつけた。
「アイカーンは企業乗っ取りが目的ではなく、『経営者』たらんと努力している」とちゃんと書いていた。

さて、そのカール・アイカーンは過去に、ドナルド・トランプに数々の助言をしてきたが、主に規制緩和の方策である。
そして、正式に大統領の経済政策に助言する『特別顧問』を指名された。ただし、公務ではなく、政府からの給与ももらわず個人的アドバイスに徹するとした。

トランプ次期政権はウォール街において「フランク・トッド法」を見直し、「グラススティーガル法」を復活させるとしたが、市場がトランプの公約から政策発動があると読んだのは、「大幅減税、積極的なインフラ投資、そしてエネルギー産業の活性化」の三つがポイントだった。

NYダウ採用銘柄が多く、ナスダックのIT(アップルやマイクロソフトなど)銘柄が冴えないのは、おそらく上記三つのポイントにあるのだろう。だから株価が高騰し、いまもトランプラリーが続くが、具体的政策の討議にはいったときに、はたしてアイカーの助言がどこまで政策に反映されるか。
     ◇○◇□み☆☆☆◎や○□☆☆ざ○◇□○き○◎○□   
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(休刊のお知らせ)小誌は明日12月28日から1月5日まで年末年始の休刊となります。 
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎正弘さんの新刊『日本が全体主義に陥る日』(ビジネス社)をちょっと時間かけて拝読しました。民主主義と全体主義の狭間で激動する東欧諸国ですが、あたかも宮崎さんに連れられて、表通りから裏通りまで、じっくりと見て歩いている気持ちになりました。
「見る」に徹した文体ですね。

深い人間観察、哲学があり、諦念すら感じさせます。行間から、「貰った」、あるいは「拾った民主主義」(?)に酔い続けて、醒めない日本の近未来が見えてきます。一種予言の書ですね。

実に面白かった。アメリカの娘夫婦に送ります。夫は両親がユタ留学中に産まれた、アメリカ国籍をもつ日本人です。彼はクリントンが勝つと最後まで思い込んでいた。負けて寝込んだ。アメリカの国内しか見ていないからですね。
  (HN生、新潟)



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(読者の声2)御著書『日本が全体主義に陥る日』を拝読しはじめてから、かなり時間がかかりました(旧ソ連衛星国は全く知識がありませんので)ので感想が遅くなりましたが、内容は多岐にわたりますね。
宮崎先生の行動力と洞察力・分析力に文字通り頭が下がります。

 我々が住むこの土地が日本人にとって住みよい国、豊かな国、誇りの持てる国、歴史・文化を謳歌出来る国になれば、我々老人の務めは果たせたことになりますが、265頁最終行「根底にあるのは根の深い、日本への憎しみなのである」
この文章が一番の問題と思いました。

シナ、韓国からの憎しみは連中の国策としてですから、曲がりなりにも理解できますが、日本人からの日本への憎しみは一体どうした精神構造から発生するのか、です。

 以前はコミンテルンに洗脳された人間どもが日本に共産党革命(?)を起こすつもりだったのでしょうが、二十一世紀になってまだ同様の「気分」でいる人達の頭脳は私には理解不能です。洗脳されたまま生きて死んでいく人間が沢山いるのかもしれません。
  (AO生、伊豆の国市)


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