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書評 しょひょう : 桐野作人『薩摩の密偵 桐野利秋――人斬り半次郎の真実』(NHK出版新書)

2018-11-13 12:10:13 | 書評

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 「人斬り半次郎」のイメージは池波正太郎の創作
   桐野利秋の実像は剣士、軍略家、ピストル名人、そして農業改革者

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桐野作人『薩摩の密偵 桐野利秋――人斬り半次郎の真実』(NHK出版新書)
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 面白く読んだ。

この作者のものは初めてだが、筆力のある作家のようで、なによりも評者(宮崎)と同様に「『西南戦争』の立役者は、西郷ではなく桐野の戦争」と見ていることが印象的だ 

(宮崎『西郷隆盛 日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社参照)。

 タイトルにある「密偵」という語彙は誤解を招きやすい。

 密偵というよりも、情報戦で必要とされたのは敵の動きを探ることも重要だが、身内に潜入したスパイの探索(防諜)も重要な役目であり、桐野は長州の藩士等と近づき、酒を酌み交わし、動きを探る一方で、天狗党の蹶起では、かれらのあとを追って指導者と会っている。大胆な行動力があった。

 桐野利秋は、小説や大河ドラマで「下級武士」として扱われているが、桐野の出自は歴とした「城下士」に属した事実を本書は指摘している。

西郷、大久保ら薩摩の英雄達は大半が『御小姓与集団』に属し、「島津齋彬の遺志を継ごうとして結成された精忠組のメンバーもほとんどが、この家格の者である」(17p)。

しかし桐野は何故か「人斬り半次郎」として知られた。

滅法剣に強いが闇雲にテロに走ったのではなく、たとえば赤松小三郎の暗殺は防諜の責任者として一種「公務」だった。

赤松小三郎は上田藩士だったが、会津藩と親しく、私塾も主宰し、学者として京では尊敬を集めていた。

しかし内偵の結果、赤松が幕府の密命を帯びたスパイであることが判明し、桐野は五条東洞院下ルで待ち伏せし斬殺、

「斬?の制札を四条東洞院と三条大橋に掲げた」(79p)。

その斬?の制札に曰く。「西洋を旨とし、皇国の御趣意を失い」云々。

知られざる逸話として、不忍池に残る岩崎邸、じつは桐野の東京における住まいだった(東京妻がいた)。

艶福家でもあり、そして桐野は書道家でもあった。

なによりも桐野は「軍人」であり、のちに陸軍少将にまで上り詰めた。

それは単純に剣術使いという理由からではなく、「戦機を見るに敏であり、決断すれば神速のごとく、常に最前線で戦い、麾下を叱咤し奮発を促して勝利を収める将才を評してのことである」(88p)

桐野はまた人情に厚く、佐賀の乱で逃亡してきた武士等を薩摩にふたり匿ったり、新政府の外国の圧力に押されてのキリスト教解禁でも「隠れ切支丹」に優しかった。

そうだ、かれは熊本鎮台の司令官でもあった(半年だが)。谷干城の前任である。

もう一つ、本書で教えられた事実がある。

 戊辰戦争後、薩摩に帰省した西郷をたずね、聞き書きの『南洲翁遺訓』を編んだのは庄内藩士だった。

同様に聞き書き桐野をまとめた『桐陰仙譚』は明治七年に薩摩で農業開拓団を率いた桐野を訪ねた石川県士族が綴った。

「桐野の宇都谷開墾地を訪れた人々のうち、もっとも関心と因縁を感じるのは石川県士族の陸義猶と長連豪である。(中略) 

この二人に注目する」と作者が力説する。

評者も石川県生まれなので、この二人の名は知っている。

 明治十一年、紀尾井坂で馬車を待ち伏せし、大久保利通を暗殺したのは石川県士族の六人組だった

陸義猶が斬?状を起草し、長連豪が暗殺の首領だった。

 桐野は西?下野と行動をともにしたが、べったりではなく、西?とも士学校とも距離を置いた。

桐野は農村の開拓に志をつないだ。

だが、「男にはやらねばならないことがある」として西南戦争が勃発するや、西郷側近として殆どの軍事作戦を立案指導した。

最後は城山に華々しく散った。

 生前、桐野が語った言葉が、言論陣の陸?南が主宰した新聞『日本』に「桐野利秋談」として発表された(明治二十六年4月に五回連載)。

 その中で、桐野は憂国の情を吐露した。

 「わが日本は東洋海中に孤立し、二千五百有余年の国風に慣れ親しんで、まだ五大州の情勢を熟知していない。

また国力が衰え、軍備は空虚、人心は惰弱で自主独立の気象がない。

いやしくもこのような因循のまま推移すれば、それほど時が経たないうちに自滅して、他国に隷属することは明らかである」(桐野作人著作より重引用)。

 いまの日本、まさに同じ環境にあるのでは?
              ☆

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書評 しょひょう : 桐野作人『薩摩の密偵 桐野利秋――人斬り半次郎の真実』(NHK出版新書)

2018-11-13 12:10:13 | 書評

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 「人斬り半次郎」のイメージは池波正太郎の創作
   桐野利秋の実像は剣士、軍略家、ピストル名人、そして農業改革者

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桐野作人『薩摩の密偵 桐野利秋――人斬り半次郎の真実』(NHK出版新書)
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 面白く読んだ。

この作者のものは初めてだが、筆力のある作家のようで、なによりも評者(宮崎)と同様に「『西南戦争』の立役者は、西郷ではなく桐野の戦争」と見ていることが印象的だ 

(宮崎『西郷隆盛 日本人はなぜこの英雄が好きなのか』(海竜社参照)。

 タイトルにある「密偵」という語彙は誤解を招きやすい。

 密偵というよりも、情報戦で必要とされたのは敵の動きを探ることも重要だが、身内に潜入したスパイの探索(防諜)も重要な役目であり、桐野は長州の藩士等と近づき、酒を酌み交わし、動きを探る一方で、天狗党の蹶起では、かれらのあとを追って指導者と会っている。大胆な行動力があった。

 桐野利秋は、小説や大河ドラマで「下級武士」として扱われているが、桐野の出自は歴とした「城下士」に属した事実を本書は指摘している。

西郷、大久保ら薩摩の英雄達は大半が『御小姓与集団』に属し、「島津齋彬の遺志を継ごうとして結成された精忠組のメンバーもほとんどが、この家格の者である」(17p)。

しかし桐野は何故か「人斬り半次郎」として知られた。

滅法剣に強いが闇雲にテロに走ったのではなく、たとえば赤松小三郎の暗殺は防諜の責任者として一種「公務」だった。

赤松小三郎は上田藩士だったが、会津藩と親しく、私塾も主宰し、学者として京では尊敬を集めていた。

しかし内偵の結果、赤松が幕府の密命を帯びたスパイであることが判明し、桐野は五条東洞院下ルで待ち伏せし斬殺、

「斬?の制札を四条東洞院と三条大橋に掲げた」(79p)。

その斬?の制札に曰く。「西洋を旨とし、皇国の御趣意を失い」云々。

知られざる逸話として、不忍池に残る岩崎邸、じつは桐野の東京における住まいだった(東京妻がいた)。

艶福家でもあり、そして桐野は書道家でもあった。

なによりも桐野は「軍人」であり、のちに陸軍少将にまで上り詰めた。

それは単純に剣術使いという理由からではなく、「戦機を見るに敏であり、決断すれば神速のごとく、常に最前線で戦い、麾下を叱咤し奮発を促して勝利を収める将才を評してのことである」(88p)

桐野はまた人情に厚く、佐賀の乱で逃亡してきた武士等を薩摩にふたり匿ったり、新政府の外国の圧力に押されてのキリスト教解禁でも「隠れ切支丹」に優しかった。

そうだ、かれは熊本鎮台の司令官でもあった(半年だが)。谷干城の前任である。

もう一つ、本書で教えられた事実がある。

 戊辰戦争後、薩摩に帰省した西郷をたずね、聞き書きの『南洲翁遺訓』を編んだのは庄内藩士だった。

同様に聞き書き桐野をまとめた『桐陰仙譚』は明治七年に薩摩で農業開拓団を率いた桐野を訪ねた石川県士族が綴った。

「桐野の宇都谷開墾地を訪れた人々のうち、もっとも関心と因縁を感じるのは石川県士族の陸義猶と長連豪である。(中略) 

この二人に注目する」と作者が力説する。

評者も石川県生まれなので、この二人の名は知っている。

 明治十一年、紀尾井坂で馬車を待ち伏せし、大久保利通を暗殺したのは石川県士族の六人組だった

陸義猶が斬?状を起草し、長連豪が暗殺の首領だった。

 桐野は西?下野と行動をともにしたが、べったりではなく、西?とも士学校とも距離を置いた。

桐野は農村の開拓に志をつないだ。

だが、「男にはやらねばならないことがある」として西南戦争が勃発するや、西郷側近として殆どの軍事作戦を立案指導した。

最後は城山に華々しく散った。

 生前、桐野が語った言葉が、言論陣の陸?南が主宰した新聞『日本』に「桐野利秋談」として発表された(明治二十六年4月に五回連載)。

 その中で、桐野は憂国の情を吐露した。

 「わが日本は東洋海中に孤立し、二千五百有余年の国風に慣れ親しんで、まだ五大州の情勢を熟知していない。

また国力が衰え、軍備は空虚、人心は惰弱で自主独立の気象がない。

いやしくもこのような因循のまま推移すれば、それほど時が経たないうちに自滅して、他国に隷属することは明らかである」(桐野作人著作より重引用)。

 いまの日本、まさに同じ環境にあるのでは?
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書評 しょひょう : 渡邊哲也『GAFA vs 中国』(ビジネス社)

2018-11-05 17:06:21 | 書評

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 米中貿易戦争は序の口に過ぎない、次は金融戦争を仕掛けるだろう
  ドル取引停止、チャイナ・プレミアムがつくと中国の経済は消滅する

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渡邊哲也『GAFA vs 中国』(ビジネス社)
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 「GAFA」って何? 

これはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンという米国のIT、インターネット、検索エンジン、ビッグデータの企業四社の頭文字を並べた新造語だが、象徴的に意味するのは現代世界経済の方向だろう。

同時に世界の株式市場における時価総額を点検してみると歴然となってくる、或る重大な事実がある。

すなわち世界支配は「石油」から「ビッグデータに大転換」という副題が表現しているような産業の転換期に突入しており、基本的には米国vs中国の対決時代が基軸にある。

これこそ目に見える変化である。

もっと具体的な変化はと言えば、過去三十年の世界の産業構造の地殻変動ではないか。

優位にあった日本企業は完全に「負け組」になった。

時価総額トップの新興企業が旧体制の大手を相手にせず急激にのし上がった。

日本ならさしずめ孫正義、三木谷某らが代表する。

つまり物づくり経済という実態経済は影が薄くなって、AIを駆使した通信、IT、データ企業が、製造業メーカーを劣位へと追いやってしまったことである。

 平成元年という、30年前の世界の時価総額を見ると日本企業が圧倒的だった。

この時代、世界の時価総額50傑のうち、なんと7割近くの32社が日本企業だったのだ。

NTT、日本興業銀行、住友、富士銀行、DKB、三菱銀行、東電、そしてトヨタだった。

GAFAなんて影も形もなかった。

ところが三十年後、時価総額のランキングの様変わりたるや、平成30年の産業地図を株価に置き換えて俯瞰すると「世界五十傑」に、日本企業はトヨタのみがランク入りしているという寂しい風景に衝撃を受けるに違いない。

 時価総額ランキングはアップル、アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、フェイスブック、そしてバークシャー・ハザウェイとなり、中国勢は7位にアリババ、8位にテンセント、15位に中郷工商銀行が入っている

トヨタは因みに35位。

 ならば石油企業はどうか。エクソンが10位、ロイヤルダッチシェルが14位、シェブロンが24位、ペトロチャイナが32位、そしてトタルが49位。

黄金の石油業界も時価発行総額では衰退していることが分かる。

 日本人は、これを見て一抹の寂しさを覚えるかも知れないが、アメリカ人はそういう甘ちょろい幻想、打ちひしがれた感傷にいつまでのひたってはいない。

 さらに具体的に次世代技術産業を区分けしておくと、スマホは米国アップルが優勢だが、中国のファーウェイ、オッポ、小米が躍進している。

基地局では圧倒的に中国勢が強く、ファーウェイとZTEの天下である。

パソコンはデル、アップル、HPと米国勢も健闘しているものの中国のレノボが急伸している。

ルーターも中国勢が凄まじい勢いでシスコシステムを猛追しており、監視カメラ、ドローンは中国が圧勝。

いま、これらのハイテク分野で、日本メーカーが後塵を追っているという劣勢にあり、もはや問題視されてもいない。

米国は中国の追い上げを脅威として、「MADE IN CHIA 2025」をあれほど敵視するのだ。

米国が世界の「技術覇権」を奪回するために、第一の敵は中国であり、第二は、こうした転換を許したのがグローバリズムを徹底的に利用したのだから、この国際化とかの新自由主義を駆逐することにある。

それがトランプのいう[MAKE AMERICA GREAT AGAIN]の標語に収斂されているのだ。

10月29日、米国商務省は輸出規制744条に違反したとして、福建晋華積対電路(フゥジアンジンルー)の集積回路などを禁制リストに付け加えた。

これはファーウェイ、ZTE製品ならびに設備の米国における取引禁止につぐ厳しい措置である。

同社は主にDRAM製造で有名な中国の国有企業だが、米国が発明した軍仕様の製品を米国内で販売し、米企業に損害を与えたことを理由に挙げた。

つまり、ハイテク優位の奪回がトランプ政権の政策の根幹にあることがわかる。

渡邊哲也氏は、本書の中で、米中戦争の次の本番が金融制裁にあると本筋を鋭く見通している。

 嘗てジャパンバッシングのおり、日本に対してBIS基準を満たしていない等とイチャモンをつけて、ジャパンプレミアムを上乗せしたドル金融を行って、殆どの日本の銀行、証券、保険の競争力を奪ってしまったように、次にトランプ政権が準備中は、チャイナプレミアムである。

最強の手段にはドル取引停止という強硬手段も持つ。

これにて世界時価総額中、50傑にランク入りしていた中国工商銀行(15位)、中国建設銀行(19位)、中国農業銀行(44位)と中国兵湾保険(48位)は間違いなく姿を消すことになるだろうと大胆に予測するあたりが本書の肯綮とみてよいだろう。
          □▽○◎▽□◎○▽□ 

 「政治・経済・国防・危険なグローバリズム」

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書評 しょひょう : 渡部昇一 v 西尾幹二『対話 日本および日本人の課題』(ビジネス社)

2018-10-29 13:21:13 | 書評

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 痛快・豪快に戦後日本の思想的衰弱、文春の左傾化、知的劣化をぶった斬る
  マハティール首相は激しく迫った。「日本は明確な政治的意思を示せ」

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渡部昇一 v 西尾幹二『対話 日本および日本人の課題』(ビジネス社)
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 この本は言論界の二大巨匠による白熱討論の記録を、過去の『諸君』、『WILL』、そして「桜チャンネルの番組」(『大道無門』)における収録記録などを新しく編集し直したもので、文字通りの対話扁である。

 討議した話題はと言えば、自虐史観、自由とは何か、歴史教科書問題、戦後補償などという奇妙な政治課題、朝日新聞と外務省批判、人権など多岐にわたり、それぞれが、対談当時の時局を踏まえながらも、本質的な課題をするどく追求している。

 目新しいテーマは文藝春秋の左傾化である。

 評者(宮崎)も、常々「文春の三バカ」として立花隆、半藤一利、保阪正康の三氏を俎上に乗せて批判してきたが、文春内では、この三人が「ビンの蓋」というそうな。

えっ?何のこと、と疑えば文春を右傾化させない防波堤だという意味だとか。

半藤などという極左がまともな議論が出来るとでも思っているのだろうか。

 半藤よりもっと極左の論を書き散らす立花隆について西尾氏は「かつてニューヨーク同時多発テロが起こったとき、立花は日本の戦時中の神風特攻隊をアフガンテロと同一視し、ハッシッシ(麻薬)をかがされて若者が死地に追いやられた点では同じなんだという意味のことを得々と語っていました(『文藝春秋』2001年10月緊急増刊号)。

条件も情勢もまったく違う。

こういう物書きの偽物性が見通せないのは文春首脳部の知性が衰弱している証拠です」と批判している(252p)。

 文藝春秋の左傾化という文脈の中で、「朝日が慰安婦虚偽報道以来、いまの『モリカケ問題』を含め情けないほど衰弱していったのは、野党らしくない薄汚い新聞」に変わり果て、文春はどんどんその朝日に吸い込まれるかたちで、たぶん似たようなものになってくる」と嘆く。

評者が朝日新聞を購読しなくなって半世紀、月刊文春もこの十年以上、読んだことがない。

なぜって、読む価値を見いだせないからである。

戦後補償について渡部昇一氏は「戦後の保障は必ず講和条約で締結されている」のであって、戦後補償という「とんちきな話」が半世紀後に生じたのは社会党があったからだと断言する。

この発言をうけて西尾氏は「中国の圧力を日に日に感じているASEANでは、米国の軍事力がアジアで後退しているという事情もあって、日本にある程度の役割を担って貰わなければならないという意識が日増しに高まっている。

マハティール首相の発言にみられる『いまさら謝罪だ、補償だということをわれわれは求めていない、それよりも日本の決然たる政治的意思を明らかにして欲しい』というあの意識です。

こういう思惑の違いははっきり出てきている。

結局、戦後補償がどうのこうのというのは日本の国内問題だということですね」(104-105p)

 活字を通しただけでも、二人の熱論が目に浮かんだ。
         ○□▼○□▼○□▼○□▼

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書評 しょひょう : 高山正之 v 和田政宗『こんなメディアや政党はもういらない』(ワック)

2018-10-19 13:11:11 | 書評

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 朝日、NHK批判に加えて、野党議員の莫迦さ加減も痛烈に批判
新聞記者出身の高山氏と、NHK出身の和田議員の丁々発止

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高山正之 v 和田政宗『こんなメディアや政党はもういらない』(ワック)
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 朝日新聞とNHKの偏向ぶりについては、小誌の読者にはお馴染みのことゆえ、フェイク報道の批判には耳にタコができたかも知れない。

 本書は朝日、NHK批判がベースだが、いつもと異なるのは「野党」とかいう政治集団の、呆れるほどの莫迦さ加減である。

消費税10%導入内閣決定でも、メディアとともに沈黙もしくは口だけ抗議に終わっている。

 あまりにお粗末な、知的劣化の幼稚性しかない議員が多すぎる。

 新聞記者出身の高山氏と、NHK出身の和田議員。

とくに和田議員は、いま国会で問題質問を連発する気鋭の論客である。

現場感覚が鋭敏なふたりが丁々発止、それも国会とか、永田町周辺の狭い世界の話題を越えて、国際常識との比較が冴えている。

 朝日は「新聞の体裁をとった怪文書」と高山氏が言えば、「安倍総理のことは何もかも気にくわないのが左のメディアと政党だ」と、さぞや関係者が読んだら頭に血が上るに違いない。

 キリノというフィリピン大統領がいた。

かれはモンテンルパに収容されていた日本兵を日本政府に賠償を要求し、次々と処刑して脅かした。

キリノは中国人とスペイン人の混血で、フィリピンの土着ではなかった。

ところが「カネを取るために人質を殺すようなことをした人間のくず」(高山)を、朝日新聞は「日本の恩人だ」と書いた。

17名の無実の日本人を殺害したことには一言も触れていない。

 新聞記者の劣化も甚だしく「週刊誌の報道に拠れば。。。。」などと書き出す。

取材をしていない証拠である。

そのうえ、野党議員も「週刊誌に拠れば。。。。。。」と国会において初歩的な質問をする。

国会を政治論争の場から、莫迦週刊誌のレベルに落ちた野党議員の知性劣化現象は現在の若いブンヤどころではないようだ。

 読み応えがあるのは田中角栄の犯罪なるものをでっち上げた地検特捜部の箇所

要するにGHQ命令で闇米取り締まりのチームだったものが、生き残りをかけて、派手な捜査を展開し、無理矢理、裁判にもってゆくと、二年くらい食いつなげるというつまらない組織に陥没し、抜け駆けだけを狙うさもしい官庁だと告発する。

 読み出したら面白くて、一気に最後まで読んでしまった。
                 ○◎

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