酔っ払いの戯言

塾長から使えば?などと、甘い言葉に
ついつい乗せられて。

県内の未履修の現状(伊勢新聞)

2006-12-16 03:09:56 | 履修漏れ
私立高田高校(津市一身田町、望月演校長、生徒数千七百九十人)と、私立セントヨゼフ女子学園高校(同市半田、中津幹校長、同四百七人)で世界史や地理などの必修科目が未履修や単位不足となっていた問題で、県は十四日、両校の卒業生についても、未履修があったことが分かったと発表した。高田高は最もさかのぼったもので、昭和六十一年度から入学の六年制カリキュラムの全生徒で保健が単位不足だったほか、九年度から世界史、地理の未履修があるなど、この二十年間で未履修、単位不足で卒業した生徒は約三千六百人に上るとみられる。セント高は二十三人だった。この問題の卒業生については、文部科学省通知で、卒業認定の取り消しはないとしている。

 高田はほかに十三年度入学者から政治・経済、十五年度から情報、日本史、地理などで未履修、単位不足があった。対象者数については年代がさかのぼるため、現在調査中とするが、三千六百人程度になる見通しとしている。

 セントヨゼフは十五年度に入学し、十七年度に卒業した二十三人が、地理が未履修だった。

 両校の未履修問題をめぐっては、県が十月三十日に、高田高で三年生全員の五百八十七人と、セント高で三年生十五人の計六百二人が世界史や地理などで未履修や単位不足があることが分かったと発表した。




文部科学省出向役人、履修漏れを黙認(毎日)

2006-11-06 22:33:11 | 履修漏れ
伊吹文明文部科学相は6日の衆院教育基本法特別委員会で、高校の履修単位不足問題で、公立高校を管轄する都道府県教育委員会に文科省の出向者が多数いることを念頭に「(出向者が)ある程度(必修科目外しの)実態を把握していたのかも分からない」と述べ、同省が黙認していた可能性があることを認めた。共産党の石井郁子氏の質問に答えた。

 伊吹氏はさらに「断定的に言うことは、都道府県ごとに(実情が)違うと思うので(できない)」と詳しい状況把握に努める考えを示した。

 共産党の調査によると、今年1月現在、都道府県教委に出向している文科省職員は24都道県で26人。うち島根、高知、福岡の3県は、高校の教育課程(カリキュラム)を承認するなど学校運営に当たる高校教育課長が出向者だった。同省の全国調査で、島根では公立高19校、福岡で6校に履修不足があった。

 伊吹氏はまた、都道府県の教育長が公立高の校長から直接就任したケースが少なくないことについて、「その教委はだまされたふりをしていたと思う」と教委が実態を把握しながら是正を怠ったとの認識を示した。【竹島一登】

毎日新聞 2006年11月6日 21時24分

情報の教師足らず(中日・長野)

2006-11-06 22:30:42 | 履修漏れ
高校の必修科目の履修漏れ問題で、文部科学省が2日、補習時間を減らす救済策を通知したことで、単位不足の3年生を抱える高校からは安堵(あんど)の声が上がった。しかし具体的な補習内容は各校に委ねられているほか、文科省の見解にまだ不明確な部分が含まれており、各校は手探りで補習授業の計画づくりを進めている。

 文科省の方針によると、不足単位が2単位(授業時間にして70コマ)以下の時は、50コマ程度の補習とリポート、3単位以上の不足には、70コマの補習とリポートが、それぞれ課せられる。補習が50コマ程度にとどまるのは、未履修があった県立高校の生徒5773人のうち85%に相当する。

 情報の授業時間数が不足していた松本深志高校の坂巻道弘校長は「(補習時間が)圧縮されたのは本当にありがたいこと」と、安心した表情を浮かべる。同校では生徒の受験に配慮し、補習は国公立大の前期試験後に行うことになりそうだ。

 ただ、対象生徒は319人に上るのに対し、情報を教える教員は2人だけ。「迅速に教えるためにも、他科目の教員にも割り当てることができれば」と教員確保の面で不安を残す。

 地理歴史や情報で未履修が指摘された長野高校では、来週から地理歴史の補習を始める。「少しでも早く始めて、生徒の負担が少なくなるようにしたい」と小山寿一校長。一方、情報は学校祭で各クラスが披露するビデオ制作を授業時間に換算させたい考えで「時間割にはない科目だが、準備から含めると、ゆうに70コマは超えているのではないか」と話す。

 こうした授業時間外の取り組みや、他の授業で扱った内容をどこまで認めていくかについて、今回の通知では触れておらず、県教育委員会は文科省へ確認を急いでいる。


高校の校長先生、また自殺(朝日)

2006-11-06 17:39:03 | 履修漏れ
 6日午前7時半ごろ、愛媛県松前町北黒田、県立新居浜西高校長の政岡博さん(60)宅で、政岡さんが首をつって死亡しているのが見つかった。県警は自殺とみている。

 同校によると、政岡さんは必修科目の世界史をめぐって県教委に履修漏れに当たらないかを相談しており、「生徒が無事卒業できるか心配だ」と教頭らに話していたという。

 県教委は「現時点で高校から相談を受けていた内容に限れば履修漏れはなかった」としている。


各地の補習(読売)

2006-11-05 20:16:16 | 履修漏れ
 必修逃れの高校では、今回は特例措置として、弾力的な補習を行うことができるため、生徒の関心を呼ぶよう工夫を凝らしている。


酒蔵見学→「家庭科」 ビデオ視聴→「歴史」

 2科目が必修の「地理歴史」で「世界史」か「日本史」の1科目しか履修させていなかった石川県の私立北陸大谷高は、2日の補習で、世界史を受ける生徒も日本史の生徒も、幕末期を扱ったNHKのテレビ番組「その時 歴史が動いた」のビデオを見た。福井県の私立福井工大福井高も「生徒が学びやすい内容に」とこの番組の活用を検討しているという。

 「家庭科」などで履修漏れがあった神戸市の名門私立・灘高は、今後の補習で、同校の運営母体の酒造会社「菊正宗」の酒蔵を見学し、杜氏(とうじ)の説明を聞いて酒が出来るまでの工程を学ぶことも検討している。不動産広告の見方や出会い系サイトの危険性などを学べる講演会を補習に代える案も浮上。和田孫博教頭は「生徒の将来に役立つ内容を考えたい」と話す。

 「音楽」が履修不足の京都府の私立高は、コンサート鑑賞も補習の一部にすることを検討。兵庫県の私立関西学院高は、クレジットカードに関する講習会を、家庭科の補習の出席日数に含める考えだ。

 一方、豪州への修学旅行を世界史の授業に換算していた埼玉県の私立西武文理高は、大教室に3クラス約100人を集め、世界史の補習をスタートしている。

(2006年11月5日 読売新聞)


滋賀県の履修漏れの補習(京都新聞)

2006-11-05 20:15:20 | 履修漏れ
 履修していない必履修科目の補習をどう進めるか-。大学受験を控えた3年生の生徒を抱える滋賀県内の高校では、対応に追われている。

 世界史Aを日本史の授業と合わせ、日本史の内容を教えていた草津東高(草津市)は、「日本史はすでに卒業単位を満たしている」として、今後は本来の世界史の授業に切り替える。受験に日本史が必要な生徒には、早朝か放課後に日本史の授業時間を設けることにしている。

 67時間の履修時間不足が指摘された玉川高(同)は、3年生が自宅学習となる来年2月以降の補習を検討中。筈井美邦校長は「3月1日の卒業式には間に合わせたい」と話す。

 大津高(大津市)は、午後の授業がなくなる来月初旬の期末テスト後や、1月のセンター試験後の時間割を見直すなどして補習時間を設ける予定。早朝と放課後に補習時間を設けることを検討している膳所高(同)は「教員の人数が足りないが、県教委と相談し、できるだけ早く始めたい」としている。

情報科を他教科にすりかえ(朝日)

2006-11-05 15:40:58 | 履修漏れ
高校生の必修科目の履修漏れ問題で、地理歴史と並んで、受験対策の授業の「隠れ蓑(みの)」として各地の高校で使われたのが「情報」だ。03年度に必修となったばかりの歴史が浅い教科である点や、大学入試での重要度が低いという点が背景にあるようだ。今回の事態が発覚する前に学術団体が行ったアンケートでも、「夏休み前までは情報だったが、その後は数学になった」などの「告白」が卒業生から相次いだ。
  


 今回の履修漏れ問題では、情報の時間が数学などの授業に振り替えられたり、必要な単位分の授業が行われなかったりしたケースが目立った。

 長崎県諫早市の鎮西学院は、国公立進学クラスで、週2回の授業を物理や生物、英語に振り替えていた。「現役合格のためには時間が足りなかった」と話す。北海道では、札幌東や函館中部など複数の道立高で、2単位分が必要なのに1単位で扱い、残り1単位分を世界史や数学に充てていた。

 茨城県立伊奈は1年生と2年生に現代社会などの授業をし、校長は「授業内容は数学と似ている部分があり、数学を履修していればいいという理解があった」と釈明した。一方、新潟県教委は「情報で数学など他の教科・科目との連携を大幅に取り入れていた学校が20校あった」と発表したものの、「『未履修』とは異なる」との考えを示した。

 なぜ、情報が犠牲になったのか。関係者は、新しい教科である点や入試に採用する大学が少ない点を挙げる。

 情報を教える先生たちの集まりである東京都高等学校情報教育研究会。その幹事を務める糸井和宏・都立駒場高教諭は「進学校には『情報なんてやらなくてもいい』と公言していた校長もいる。新しい教科であるため、担当していない教師の間には大切な科目であるという認識が浸透していない」と指摘する。

 近畿地方のある研究会の会長は「入試に出るか出ないかで左右される。携帯電話を利用した犯罪も相次ぐ中、情報リテラシー(情報を読み解いて活用する力)は高校生にも絶対必要。指導要領通りしっかりやってほしいのだが」と話す。

 こうした実態を裏付けるようなアンケート結果もある。

 情報教育に携わる先生たちでつくる「コンピュータ利用教育協議会」(CIEC)は、情報教科が高校でどのように扱われているかを調べるため、今年4月に全国45大学・短大の新入生8698人を対象にアンケートをした。高校何年生で履修したかを聞いたところ、「履修せず」という答えが約4分の1だった。これは、情報という教科がなかった浪人生も含む数字だが、「履修した」と回答した中でも、「通年ではなく一時期しか履修しなかった」が22%、「他の内容を学んだ」が7%に上った。

 自由記述では「(通常70コマのところ)夏休み中に6時間ほど授業」「途中で現代社会に変わった」「2時間ぐらいやって残りは様々な教科の小テストなどをやった」など、情報の授業が骨抜きになっていたことがうかがえる回答が続出した。

 CIECの武沢護理事は「ばたばたと導入が決まる中、現職教員に講習をして担当者を『促成栽培』した点にも問題がある。重要性をしっかりと認識していない教員も教えている状態になっており、教員養成の在り方から考え直すことが必要だ」と話す。


50時間補習 与党が承諾 (産経新聞)

2006-11-04 16:05:33 | 履修漏れ
自民、公明両党は2日午前、文教関係の部会をそれぞれ開き、高校の必修科目未履修問題に対する文部科学省の救済策を了承した。

 救済策は、履修不足が70時間以内の生徒の補習は「50時間で対処することを妨げない」とし、70時間を超える生徒は70時間の補習とリポートなどで対応、これらの措置は校長の裁量権で行うことにした。

 また、大学の推薦入試や一般入試に必要な調査書などの資料については、卒業資格が得られることを前提に対応するよう大学側に通知。既卒者の卒業は取り消さないことにした。

 自公両党の部会では、それぞれ校長や教育委員会の責任を問う声や再発防止を求める意見が相次いだ。

(11/02 10:48)


下級生など課題山積み(読売)

2006-11-03 01:20:28 | 履修漏れ
高校の必修逃れ問題は、救済策をめぐり文部科学省と与党との間で政治決着したが、課題は山積している。

 今回の救済策は、現在高校3年生の履修漏れの生徒を対象にした「特例措置」だが、学校が「必修逃れ」を前提に3年間のカリキュラムを組んでいた場合、1、2年生にも影響が波及する可能性が高い。

 文科省は1、2年時の履修漏れについて、都道府県教委などから報告を受けているが、早期の受験対策として2科目必修の「地理歴史」で1、2年時を通して1科目しか履修していない例も数多く見られたという。

 2年生は高校生活が1年半弱残っているため、多くの学校が正規の授業枠で対応できる見込みだが、文科省は「場合によっては、大規模なカリキュラムの組み替えが必要になり、臨時の補習が必要になる可能性もあるのではないか」と見ている。今後、実態把握に着手する方針だ。

 文科省は、再発防止の具体策にまで手が回っていない。学習指導要領を守っていない高校が全体の約1割に上った実態に、文科省幹部は「文科省と学校現場との信頼関係を損ねる実態だ」と苦虫をかみつぶす。

 野党を中心に文科省の責任を問う声も上がっている。過去にも必修逃れが発覚していたのに、文科省の対応が不備だったため、問題が果てしなく拡大した、との指摘もある。文科省は2日、各教育委員会に履修状況の点検強化を要請する方針を明らかにした。

 責任問題もうやむやのままだ。カリキュラムを編成する権限は学校長にあるが、今回の救済策は、学習指導要領の枠内での解決を優先したため、結果的に必修逃れの当事者である学校長の「権限を例外的に拡大」(文科省)して、混乱の沈静化をはかるという皮肉な結果となった。

 伊吹文科相は2日の記者会見で、責任問題について、「私には人事権がない。各都道府県教委で重く受け止めて頂くとしか言えない」と前置きした上で、校長や教育委員会に対し、「規範意識がないことが原点にあることを忘れないで欲しい」と呼びかけた。

(2006年11月2日21時58分 読売新聞)

文部科学省、今回だけ特例(産経)

2006-11-03 01:18:06 | 履修漏れ
高校の未履修問題で文部科学省は2日、履修不足が70時間(2単位、1時間は50分)以内の大半の高校生に対し、実質50時間の補習などを条件に卒業させる救済策を都道府県教委などに通知した。政府は補習時間の上限を70時間とする救済案を検討したが与党が負担軽減を求めていた。文科省では「今回限りの特例措置」と強調している。

 救済の対応は履修不足の70時間を境に2段階に分けている。

 未履修の高3生のうち、履修不足が70時間以内の生徒は7割超を占める。通知によると、その場合は放課後や冬休み、春休みなども活用し、不足した時間数を埋めるため、70時間を基本に補習を行わせる。ただ、各校の教務規程で「3分の2以上の出席で履修が認められている」現実を踏まえ、実質的に約50時間の補習でも卒業を可能にした。不足時間はリポート提出などで補わせる。

 履修不足が70時間超(3単位以上)の場合は、70時間の補習を科目ごとに割り振り、それぞれの科目で補習を実施。科目ごとにリポートを提出させるなどして、授業の不足分を補わせる。

 既卒の未履修者の卒業認定は取り消さない。入試用の調査書をめぐっては、高校側には未履修科目を記載するよう要請した一方、大学側には未履修科目があっても生徒が不利にならぬよう配慮を求めた。

 伊吹文明文科相は同日、「どんな案でも批判を受ける。大変不公平だと思う方が多いと私も思う。現実の行政を預かる立場では、自分の考える筋は通せなかった」と話し、苦渋をにじませた。また「授業で増減する部分がどこか中教審で考えてもらう」と述べ、現在の学習指導要領の見直し作業に今回の問題を反映させる考えを示した。

(11/02 21:50)