読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「空飛ぶ広報室」有川浩

2014-08-14 23:55:56 | 小説
今回ご紹介するのは「空飛ぶ広報室」(著:有川浩)です。

-----内容-----
不慮の事故でP免になった戦闘機パイロット空井大祐29歳が転勤した先は防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室。
待ち受けるのは、ミーハー室長の鷺坂(またの名を詐欺師鷺坂)をはじめ、尻を掻く紅一点のべらんめえ美人・柚木や、鷺坂ファンクラブ1号で「風紀委員by柚木」の槙博己、鷺坂ファンクラブ2号の気儘なオレ様・片山、ベテラン広報官で空井の指導役・比嘉など、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった……。
有川浩、渾身のドラマティック長篇小説。

-----感想-----
空井大祐は大型トラックの大規模引き逃げ事故の被害に遭い、右足を骨折してしまいました。
手術とリハビリの結果、日常生活に支障がないほどに回復しましたが、F-15を駆る戦闘機パイロットとして職務を全うするにはその回復では到底足りませんでした。
その結果、空井大祐はP免(パイロット資格剥奪)の処遇となりました。
Pはパイロット、免は罷免で、略してP免とのことです。
その後一年ほど築城(ついき)基地の監理部総務班に勤務した後辞令が下り、市ヶ谷にある防衛省の航空自衛隊航空幕僚監部広報室に転属となりました。
着任して二週間ほど経った4月から物語は始まっていきます。

広報は自衛隊で唯一マスコミと接触を持つ仕事です。
冒頭、帝都テレビの稲葉リカが航空自衛隊航空幕僚監部広報室にやってきて、空井がアテンド役(世話をしたり案内したりする役)になります。
稲葉リカは帝都テレビのディレクターで、スクープを狙ってガツガツしている若手で、加えてかなりの自衛隊嫌いです。
空井の事故を職務中の事故と早とちりし「そんな事故は報道されていないのだから隠蔽だ!」と言って食ってかかっていました。
隠蔽と言うなら、自分達に都合の悪いことを報道せず国民に隠すテレビと新聞の既存マスコミのほうがよほど隠蔽体質でしょうと、思わず突っ込みたくなりました。
自衛隊が大嫌いでどうにかして貶める報道をしてやろうとしている稲葉リカは、広報室にとって厄介事以外の何物でもないようです。

稲葉リカの「だって戦闘機って人殺しのための機械でしょう?」という言葉に、空井は激怒します。
そんな空井を広報室長の鷺坂は「自衛官やってりゃ、何でこんなこと言われなきゃならないんだと思うことはいくらでもある」と諭していました。
また、稲葉リカは身近な大人たちに「自衛隊など未だに合憲か違憲かの議論がかまびすしく、存在の正当性すら怪しい組織である」と教育を受けてきたとありました。
これは学校の教育者となると「日教組(日本教職員組合)」の反日左翼教師のことを言っているのだろうと思いました。
もしくは身の周りの人であれば「九条の会」などの反日左翼系市民団体の関係者など。
その後、広報室のメンバーによる稲葉リカの歓迎会の飲み会で、本人が
「自衛隊が嫌いっていうのは、ちょっと八つ当たりもあって…だって高校の先生は違憲だって言ってたし、憲法九条を汚す自衛隊に反対しましょうって年賀状が今年も来たし…」
と言っていたのを見て、やはり反日左翼教師の影響を受けていたのかと思いました。
こんな難しい感じの稲葉ですが、詐欺師の異名を持つ鷺坂によって「稲ぴょん」というあだ名を付けられ、上手いこと言いくるめられてしまっていたのが面白かったです(笑)

基地と駐屯地の違いは興味深かったです。
陸上自衛隊は駐屯地で、航空自衛隊と海上自衛隊は基地と呼んでいます。
航空自衛隊と海上自衛隊は有事の際に基地をそのまま拠点とするのに対し、陸上自衛隊は場所を移動することがあるため、駐屯地と呼ぶとのことです。

広報部には広報班と報道班があり、空井は広報班に所属しています。
自衛隊のいいところを売り込む「攻め」の部分を担当するのが広報班なら、報道班は危機管理的なマスコミ対応をする「守り」の部門とのことです。
鷺坂によると要は報道班で、報道班による守りがあって初めて攻めに打って出ることができるとあって、なるほどと思いました。

稲葉はテレビ番組の企画で広報室に長期密着取材しているのですが、だんだんと打ち解けているのが分かりました。
それとともに、物語は広報室のメンバーそれぞれの思いや葛藤にスポットが当てられていきます。
空井の指導役でもあり広報を10年もやっている比嘉はなぜ一曹のままで昇進試験を受けていないのか。
片山と比嘉の関係と、片山がなぜ比嘉を強烈にライバル視しているのか。
やがて明らかになる比嘉の思いは興味深いもので、そんな考え方もあるのかと思いました。

報道班の二人、がさつな所作から残念美人と称される柚木と、その柚木の防衛大学校時代の後輩・槙。
常にがさつな柚木に横から注意しまくる槙は御目付け役のようになっていました。
しかしかつての柚木を知る槙は、今の柚木の姿が納得いかないようでした。
なぜ今のようながさつな姿になってしまったのか、そこには男だらけの部隊に女性が紅一点的に入っていく難しさがありました。
この辺り、それぞれの人物の仕事との向き合い方や苦悩、意識している人物への思いなどが丁寧に描かれていました。

陸・海・空の自衛隊の性質を表すとされる言葉も出てきました。
それによると陸上自衛隊は用意周到・動脈硬化、海上自衛隊は伝統墨守・唯我独尊、航空自衛隊は勇猛果敢・支離滅裂。
これを作ったのは防衛記者会とのことで、その防衛記者会が自分達を表した言葉もあり、浅学非才・馬鹿丸出しとあって最後に自分達に落ちを付けていました(笑)

ある時、都内でホームレスの就職支援団体を組織している人物の書いたコラムが波紋を呼びます。
航空自衛隊の募集CMをある女性整備士の協力のもと製作したのですが、そのCMについて「戦争賛美だ、軍靴の音が聞こえる」などと批判され、この人物はテレビにも出演して同様のことを言っていました。

一人の女性が少女の頃に亡父を偲んで同じ道に進んだという、他の仕事であれば親子愛として受け入れられるはずのエピソードが、どうして自衛官だと社会悪のプロパガンダのように言われなければならない。

と空井が強く憤っていたのが印象的でした。
他の職業ではそういうことはないのですが、自衛隊だと感動的なエピソードも「戦争賛美だ、右傾化だ、軍国主義だ」と因縁を付けてくる人達がいるのは事実です。
稲葉リカの高校時代の、「憲法九条を汚す自衛隊に反対しましょう」と年賀状に書いて送ってきたという反日左翼教師などはまさにそうです。

「宙(そら)」というアイドルグループがブルーインパルスに体験搭乗する話は興味深かったです。
体験搭乗のためにはブルーインパルス搭乗時に体にかかる物凄い重力に事前に慣れておく必要があって、その様子が面白かったです。
広報部では航空自衛隊のことを多くの人々に知ってもらうために、こういった企画をしています。
放送する番組の趣旨、意義などを勘案して、テレビ局側と話し合って交渉を詰めていって、最終的な判断を下していました。
テレビ局側も色々無理難題を言ってきて、たしかに他の部門とは大きく違う、マスコミとの交渉力が求められる仕事だと思いました。

愛の反対は無関心。無関心が一番まずい状態

というのも印象的で、いかにして航空自衛隊に関心を持ってもらうか、広報の人達は常に考えています。

また最後の章では「あの日の松島」と題して、東日本大震災の時の松島基地の話が描かれています。
私も当時テレビで松島基地が水没している様子を見ていたので読んでいて当時のことが思い出されました。
たとえ基地が被災して自分達も被災者になっていたとしても、自衛官はあくまで自衛官なのだということをこの話を読んで実感しました。


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赤ちゃんの成長

2014-08-13 20:25:02 | ウェブ日記
今日は妹夫婦が実家にやってきました。
4月に生まれた赤ちゃんも来ました。
前回生後二週間で初めて見た時よりかなり大きくなっていて成長の早さに驚きました。
体の大きさが1.5倍くらいになったように見えます。
体重も3000g弱だったのが現在は7.5kgくらいになっているらしいです。

鳴き声も力強くなっていました。
機嫌が悪くなると「うえーん!」と大きな声で泣き出します。
また声を上げる頻度も増えていて、「うえー…え」と小さめの泣き声をよく上げています。
さらに目が見えるようになったため、非常によく周りを見回しています。
私のほうも何度もじっと見ていました。
そんな時、こちらが笑いかけると赤ちゃんも笑ってくれたりして、なかなか微笑ましかったです^^

夜はみんなで庭で花火をしました。
赤ちゃんも見ていて、初めて見る花火を物珍しそうに見ていました。
母が「来年は”○○ちゃんもやるー!”と言うかもね」と言っていて、たしかにそうだろうなと思いました。
言葉はまだそれほど話せないでしょうが、花火は一緒にやりたがるかも知れません。
赤ちゃんは明後日まで実家にいるので楽しい笑顔をたくさん見せてもらえればと思います

「三匹のおっさん ふたたび」有川浩

2014-08-12 23:46:53 | 小説
今回ご紹介するのは「三匹のおっさん ふたたび」(著:有川浩)です。

-----内容-----
剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。
「還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬るあの三人が帰ってきた!
書店万引き、不法投棄、お祭りの資金繰りなど、日本中に転がっている、身近だからこそ厄介な問題に、今回も三匹が立ち上がります。
ノリのお見合い話や、息子世代の活躍、キヨの孫・祐希とノリの娘・早苗の初々しいラブ要素も見逃せません。
漫画家・須藤真澄さんとの最強タッグももちろん健在。
カバーからおまけカットまでお楽しみ満載の一冊です。

-----感想-----
「三匹のおっさん」の続編となります。
あの三匹の活躍をまた見られるのは嬉しいです

三匹とは、剣道の達人で元サラリーマンの清田清一(きよかず)、柔道の達人で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主・立花重雄、工場経営者で機械をいじらせたら無敵の頭脳派・有村則夫の還暦三人組です。
それぞれ愛称はキヨ、シゲ、ノリ。
今作でも三匹が町内の夜回りを行い、ご近所の悪を斬ります。
また今作では三匹の周辺の人物へもスポットが当てられています。
物語は第一話から第六話までと、ボーナストラックの短編一つで構成されています。

清田清一の家は一階が清一と芳江、二階が健児と貴子、祐希の二世帯住宅
第一話は貴子の話でした。
貴子は「永田精肉店」という肉屋でパートを始めていました。
しかし世間知らずの上品な奥様が気まぐれで始めたパートという扱いで、職場では疎まれてすっかり浮いていました。
ちなみにこの話では、冒頭の清一と祐希の掛けあいが面白かったです。
前作の序盤では全然仲良くなかったこの二人が物語が進むにつれて会話をするようになり、今作では最初から良い感じの祖父と孫になっていました。


第二話は「ブックスいわき」という書店での万引きの話。
重雄は月の初めに「将棋界」という雑誌を買っていて、「ブックスいわき」を利用しています。
店主の井脇から万引きされたコミックがそのまま即古本屋で売られている話が出てきた時、私は「ビブリア古書堂の事件手帖2  ~栞子さんと謎めく日常~」が思い浮かびました。
新品のコミックにはスリップと呼ばれる短冊がページを跨ぐ形で挟まっているのですが、それが挟まったままなのはその本が読まれていないことを意味していて、これはビブリアにも出てきました。
普通はコミックを読む時にスリップを取るので、スリップが挟まったまま古本屋にコミックが持ち込まれる場合、万引きしたものをそのまま持ってきた可能性が高いとのことです。

「ブックスいわき」では万引きが頻発して、重雄がお店の見張りをやることを買って出て、清一と則夫にも声をかけ、三匹で見張りを行います。
井脇からの話で「万引き犯を追いかけて、逃げた相手が車道に飛び出して事故に遭ったりすると、こっちが悪いってことになってしまう」と言っていて、とてもおかしな話だと思いました。
これは神奈川県川崎市で実際にあった事件のことを指していると思います。
万引きという”犯罪”を犯し、さらには”逃亡”するから追い掛けたのに、犯人が車にはねられて死んだりしたらなぜか書店が「人殺し」と責められるという、実におかしな話です。
犯罪を犯しさらには逃亡するほうが全面的に悪いのだということを指摘しておきます。

コミックを一冊売って得られる利益はわずか88円。一冊万引きされたら、その損害を埋めるためには同じ本を五冊売らなくてはならない。

これはとても印象的な言葉でした。
一冊万引きされてしまうと、お店は400円以上の損害を負うことになります。
悪質な万引き犯は一度に何十冊も万引きしていくので、そんなことを毎回やられていたらお店が潰れてしまうだろうと思います。


第三話は則夫の再婚の話。
則夫は奥さんを亡くしていて、娘の早苗と二人で暮らしています。
そんな則夫に山野満佐子(まさこ)さんという人との再婚話が持ち上がります。
満佐子はかつて則夫が賊を退治して助けてくれたことがあって、その時の印象が強く残っていて、何とかもう一度会ってお礼を言いたいと思っていました。
満佐子は則夫のことが好きで、則夫も少し気になっていて、再婚もあり得なくはない雰囲気になっていました。
しかし満佐子の存在が、早苗を嫌な気持ちにさせてしまいます。
珍しく祐希に八つ当たりしたりもして、突然現れた母になるかも知れない人にだいぶ動揺していました。


第四話は清一の話。
嘱託で勤めている「エレクトリック・ゾーン」というアミューズメントパークの敷地内で喫煙をしている中学生グループを見かけ、注意をしました。
すると「関係ねーだろ、ジジイ」といきがったことを言っていました。
いきがりたいのでしょうが、敬語も使えないのは情けないなと思いました。

この話では
「どけよババア」と道で押しのけられて「あらまぁ、生き急いじゃって」と言い返すバーサンは自分の妻以外お目にかかったことがない。
と清一が胸中で言っていたのがウケました(笑)
妻の芳江はやられたらやられっぱなしでは終わらず、生きずりにあてこすられてもすかさず皮肉の一つや二つは投げ返すほどとのことで、清一も芳江には押され気味です

それと祐希が「電車でせっかく席を譲ったのに断られるとけっこう気まずい」と言っていて、これはよく分かりました。
私自身はまだ断られたことはないのですが、断られて所在なげにしていた人を見たことがあります。

そして芳江が「向けられる厚意は素直に頂戴しておくのが愛される年寄りの秘訣」と言っていて、なるほどと思いました。
清一は席を譲られて年寄り扱いされたくないという思いがありましたが、譲ってもらった席には素直に座ってもらえると、譲ったほうとしても気まずくならずに済みます。


第五話は、地域のお祭りの話。
久しぶりに皐(さつき)神社の豊穣祭をやることになりました。
しかしお祭りをするには前回のお祭りで破損していた御神輿の修復費、さらにはお祭りの運営費も必要で、その資金を集めるのがすごく大変でした。
地域の家一軒一軒に「一口2000円」でお祭りの協力をお願いしていくのですが、なかなか思うようにはいきません。
特に町内会長が
「信仰の自由の侵害だ」
という理由でお祭りへの協力を突っぱねたのが印象的でした。
すごいモンスター町内会長だと思いました


第六話は「偽三匹」の話。
三匹のパクリのような三人組も夜回りを始め、何かとトラブルを巻き起こします。
偽三匹の夜回りは強引すぎて相手の反発を買っていました。
予備校帰りの祐希にも最初から怪しい人物と決めつけて高圧的な態度で食ってかかっていて、祐希を激怒させていました。
やがて偽三匹がまずいトラブルを起こしてしまうのですが、そこは元祖三匹の出番。
清一、重雄、則夫の三人の力を見せつけてくれました。


だいぶ前から気になっていたこの作品、今回ついに読むことができて良かったです。
三匹が時代劇的に町内の悪を斬るこのシリーズ、やはり期待どおりの面白さでした


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散歩

2014-08-11 19:49:08 | ウェブ日記
今日は実家の回りを散歩してきました
8時20分頃に起きて、ご飯を食べて身支度をし、10時頃に出掛けました。

昨日の荒れた天気とは違い、今日は晴れていました
外に出て道を歩いていて空を見ると、東京に比べて空が近いのがよく分かります。
緑も多く、解放感のある景色で見ていると気持ちが安らぎます

中学校がわりと近くにあるので、その周辺を歩くことにしました。
この辺りを歩くのはかなり久しぶりでした。
中学校の前を通りがかった時、校舎の音楽室からピアノを演奏する音が聞こえてきました
音楽部が活動していたのかなと思います。
またグラウンドでは野球部が活動していました
ミンミンゼミが盛大に鳴く中、景色を見ながらそれほど歩くスピードは上げずに穏やかに歩いていると、いかにも夏休みだなという実感が湧いてきます。

濃い緑と夏によく見られる水色の空、そしてモクモクと立ち上ってくる入道雲。
そこにセミの鳴き声が折り重なり、これぞ夏だなと思います。
そして今日は筋雲がサラリと出ていてこれも良い景色でした。

休み中に体がなまらないように、適度に歩くのは良いかなと思います。
明日も天気が崩れなければ散歩に出掛けたいと思います

朝日新聞がついに従軍慰安婦の嘘を認める

2014-08-10 19:03:28 | 政治
先週、朝日新聞が「いわゆる従軍慰安婦」の報道について、嘘を一部認めるという事件がありました。
同社は長年に渡り「極悪非道な旧日本軍が女性たちを強制連行していって性奴隷のように扱っていた」というような反日左翼思想全開の報道をしていました。
突然のできごとにツイッターは大嵐になっていました。
朝日新聞が二日間に渡って特集した記事では「捏造ではなく誤報だ」と主張しているようですが、同社が長年に渡りやってきたことはどう見ても捏造・嘘報道です。
ツイッターでは膨大な数の意見が飛び交っていましたが、そのうちの私が目についたものについて、以下にご紹介します。
世論を誘導し、政治にも影響を与えるすごく重要な、大手マスコミによる捏造・嘘報道についてのことなので、ぜひ最後まで目を通して頂ければ幸いです。


----- 以下、ツイッターでの印象的な意見 -----

百田尚樹 @hyakutanaoki
朝日新聞がついに「吉田清治の嘘」を認めた。
あまりにも遅すぎる!
この30年の間にどれほどの国益が損なわれたことか!
http://www.asahi.com/articles/ASG7L71S2G7LUTIL05N.html
しかし、それでも「強制連行」はあったと言い張る。朝日に真の反省なし!
http://www.asahi.com/articles/ASG7M03C6G7LUTIL06B.html

3592人がリツイート

解説:リツイートとはその人のツイート(つぶやき)が他のツイッターユーザーによって紹介され広まっていく「情報の拡散」を意味しています。
各ツイッターユーザーには「フォロワー」というブログでの読者に該当する人達もいるので、リツイートされればされるほど、乗数的にどんどん情報が広まっていくということです。


百田尚樹 @hyakutanaoki
吉田清治のデタラメ証言を朝日新聞が報じてから30年。
「朝日新聞は日本の良心」と思い込んでいる善良で間抜けな朝日新聞購読者が、どれだけこの嘘を信じてきたことか。
虚偽とを認めるだけでなく、謝罪してほしい!
http://www.asahi.com/articles/ASG7L71S2G7LUTIL05N.html

2278人がリツイート


百田尚樹 @hyakutanaoki
朝日新聞は決して反省なんかしていない。
にもかかわらず、「吉田清治の嘘」を認めたということは、さすがにそうしないといけないくらい追い込まれているのだと思う。
販売の落ち込みは相当厳しいのではないか。

2214人がリツイート


百田尚樹 @hyakutanaoki
当時の朝日新聞の論説委員たちは、吉田清治の本が出たとき、嬉しくてたまらなかったんだろうなと思う。
泣き叫ぶ朝鮮の女性を脅してトラックに積み込むところを想像して、ゾクゾクしたに違いない。
それで喜んで記事にした。
多くの人から「嘘だ!」と言われながらも、30年も訂正しなかった。

1501人がリツイート


百田尚樹 @hyakutanaoki
吉田清治の嘘を真実だと朝日新聞が大々的に報道した結果、日本は世界から非難された。
しかし吉田清治の嘘はすぐに明らかになった。
それなのに、なぜ朝日新聞は「記事は誤りだった」と言わなかったのか。
30年も経って、世界中に十分に嘘が拡散してから、小さな記事で「私たちもだまされました」って!

2435人がリツイート


ka @ka39976
なにを今更。pic.twitter.com/oHy61HTl9p

21人がリツイート


Motohiko Izawa @m_izawa
朝日新聞がようやく過ちを認めた。
吉田清治というペテン師のデタラメ証言を「吉田氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します(5日朝刊)」だと、あまりに遅すぎた。
それにしても、大虚報で迷惑をかけたことに対する反省の弁、謝罪の言葉は一切無い。傲慢の極み

725人がリツイート


軍事アナリスト 小川和久 @kazuhisa_ogawa
今朝の朝日新聞朝刊の慰安婦問題の検証記事。
記事取り消しのくだりがあるが、これで「歴史の記録者」(新聞倫理綱領)の責任を果たしたことにはならない。
その記事によって行われた国会質疑の議事録や学者の論文への引用まで責任がある。
訂正欄を常設し、常に参照可能にすべき。
これは全マスコミも同様

924人がリツイート


ポン吉 @poponnkichi
中山先生やNHK籾井会長、百田尚樹氏などの何の問題もない発言は狂ったように糾弾するくせに、自社の歴史的な捏造報道は「気付きませんでした」「知りませんでした」で済ませようとするクズ朝日新聞は、国家権力を動員して叩き潰してやってください。RT @nakayamanariaki

736人がリツイート

解説:現在、「”従軍”慰安婦(軍が女性達を強制的に慰安婦にしていたという意味)」という捏造・嘘報道で日本に甚大な損害を与えた朝日新聞を、国会に招致して追及すべきという話が出ています。


ka @ka39976
この吉田清治の嘘を16回にわたり報道し、ようやく最初の記事から32年後にこれらの記事を小さくさらりと撤回したのが、 「ジャーナリスト宣言。」『朝日新聞』 です。
pic.twitter.com/T1rWBs7G7s

394人がリツイート


西村幸祐 @kohyu1952
ところで、朝日新聞は英語版に二日にわたる大特集をまだ掲載していません。
http://ajw.asahi.com/search/?q=Comfort+woman
どうなっているんでしょうか?
どこまで姑息な企業なのでしょうか?
日本人にだけ慰安婦逃亡キャンペーンを仕掛けて、海外には隠蔽するつもりなのか? @kohyu1952

685人がリツイート

解説:今回の件を朝日新聞は海外に発信していません。日本を貶める反日記事を書く時は張り切って海外に向けて発信するのに、自分に都合の悪い時は報道せずに隠蔽。つくづく最低な新聞社です。


さちみりほ@16日(土)東R29b @sachimiriho
吉田氏は発表の数年後に「あれは嘘でした」と認めている。
その事を隠し続け、慰安婦問題を世界中に発信し、日本に損害を与え続けた罪は?
その30年以上の間に、屈辱的な汚名を着せられたまま亡くなられた元兵士達への謝罪は? #朝日新聞
pic.twitter.com/5RPo39WWO8

614人がリツイート


WiLL編集部 @WiLL_edit
朝日の国会検証に「報道の自由に反する」「検閲だ」などの反論もあるようですが、「報道の自由」に虚偽を広めることは含まれないのでは。
朝日は記者行動基準に〈正確さを何より優先する〉〈記事に誤りがあれば速やかに是正〉と書いていますが、それが30年もできなかった理由は何でしょうか

552人がリツイート


遠子先輩 @murrhauser
「責任を取れ」だの「けじめをつけろ」だの言って、これまで自民党の総理や大臣や議員を数えきれないほど辞任に追い込んできた朝日新聞の事だから、もちろん、きちんと責任を取ってけじめをつけるんだよね?
長年、日本国民に濡れ衣を着せてきた罪の大きさを考えれば廃刊や廃業でもおかしくないよね?

269人がリツイート


渡邉哲也 @daitojimari
朝日新聞 慰安婦問題で虚報を認める  では、責任をどのように取るのか
■「済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断
http://www.asahi.com/articles/ASG7L71S2G7LUTIL05N.html

289人がリツイート


渡邉哲也 @daitojimari
朝日新聞 植村記者の慰安婦問題 「記者が自分の親族を取材対象にして記事を書いている」 この事実だけで利益相反が発生しており、記事の信憑性が揺るぐと同時に、記事として掲載した新聞社の責任も発生するわけです。
報道倫理上もゆるされるものではない。

542人がリツイート


渡邉哲也 @daitojimari
日本新聞協会 今回の朝日の捏造問題でどのような対応をするのでしょうかね?
対応しなければ新聞の信頼性を失いますよね。
ちなみに日刊ゲンダイは新聞協会に入会を認められていません (あくまでも日刊の雑誌扱い)です。

282人がリツイート


中迎 聡(純情可憐18歳) @nakamukae
「報道の内容には、報道機関自身が責任を持つべきだ」という意見に対する東京新聞論説副主幹の見解。
pic.twitter.com/qGYj5jIKk8

306人がリツイート


渡邉哲也 @daitojimari
吉田発言と報道のポイント 言論の自由は、「正しい事実関係」による論評にあるものであり、虚報には存在しません。
報道は事実を伝えることを使命としており、嘘を伝える自由はありません。
問題と争点のすり替えをしてはいけないわけです。
嘘を許されるならば報道は要らない

187人がリツイート


渡邉哲也 @daitojimari
虚報に言論の自由はありません。それは単なる嘘であり報道ではない。
言論の自由は 事実に対する論評に与えられるものであり、嘘は絶対的に否定すべきものなのです。
そして、新聞社は発行権と編集権があり、嘘を報じた責任は新聞社にある。
言論の自由を盾に反論することは許されないわけです。

335人がリツイート


渡邉哲也 @daitojimari
朝日新聞は植村隆元記者の家族ぐるみの慰安婦利権疑惑 追求しないのでしょうかね。
自殺したり会社潰れるまで追い込むのが彼らのお家芸だと思っていたのですが、不公平ですよね。
差別はいけません。

514人がリツイート

解説:普段は人が自殺したり会社が倒産するくらいまでバッシングしまくって追い込むのに、自分達の不祥事の時はろくに自己批判しないことへの皮肉です。


ちっぷすおにーちゃん @39tipps
乱暴なこと言うと、報道って自分たちの間違いは「まちがってたわ。」で終わりで、人の間違いは「詐欺だ、捏造だ、どうやって責任取るんですか、そんなんで納得できると思ってるんですか、怠慢じゃないんですか、もう遅いんですすでに起こってるんです」って追い込むからクソ

893人がリツイート


石平太郎 @liyonyon
昨日朝日新聞一面の「慰安婦記事」は実はに奇妙な文章だ。
「強制性」を立証するための証言に虚偽ありと認めていながら、「慰安婦が強制された」という自分たちの結論だけが正しいと言い張る。
小学生でもこのような杜撰な作文を書いたら先生に叱られそうだが、天下の朝日新聞は小学生レベル以下なのか。

925人がリツイート


石平太郎 @liyonyon
今日の朝日新聞に中央大の吉見義明教授が登場して、慰安婦問題の「吉田証言」について「証言が虚偽であってもこの問題に影響ない」と語った。
つまり大学の先生であるこの人は「虚偽があっても構わない」と公言しているのだ。
このような厚顔無恥の「学者」は中国ですら見たことがない。底無しの堕落だ。

1035人がリツイート


石平太郎 @liyonyon
朝日新聞が虚偽報道を認めたことの衝撃は慰安婦問題だけに止まらないだろう。
戦後自虐史観の根幹を支える朝日報道に嘘偽りがあると暴露されたことで、自虐史観とその上に成り立つ左翼思想そのものが全面崩壊への決定的な一歩を踏み出した。
朝日の自爆による左翼総崩れの始まりである。

938人がリツイート


丘田 @okada014
安倍政権が河野談話の検証をしたことにより あの朝日も不満タラタラながらも間違いを認めた
これにより河野・村山 両談話撤回への環境が整いつつあると言える
安倍首相の進めた「検証」という手順は正解だったね
pic.twitter.com/uxvLi9gt4X

1010人がリツイート


井上太郎 @kaminoishi
朝日新聞の吉田証言撤回に、河野洋平・福島瑞穂・辻元清美・仙谷・高木弁護士が、無言を始め、民主も社民も共産もほとんどの野党はだんまりです。
裏づけ得られず虚偽と朝日が判断したのだから、無言は虚偽の共犯を認めたことになります。
日本をこれだけ騒がせ、貶めておいて無言はさすがにないだろ!

995人がリツイート


井上太郎 @kaminoishi
昨年から何回かツイートしていますが、安倍政権の最終目標は売春婦問題に「強制連行はなかったと」との前政権時代の閣議決定をさらに進め、河野談話はそのままにして「安倍談話」を発表し、閣議決定・国会決議に持っていくことです。
河野談話作成過程の検証に次ぎ、朝日の撤回、着実に進んでいます。

396人がリツイート


西村幸祐 @kohyu1952
平成24年11月、日本記者クラブの党首討論会。
当時、野党党首だった自民党安倍総裁は、「吉田清治は詐欺師」と糾弾していました。
朝日の「慰安婦逃亡キャンペーン」が始まる1年8か月前です。
安倍晋三「慰安婦問題は詐欺師の話を朝日新聞が加担」 http://www.youtube.com/watch?v=sFMrV6jMsbE&feature=youtu.be

233人がリツイート


ニワカは相手にならんよ @niwakaha
流石に朝日もヤバイと思ったか、既に1997年の段階で吉田証言は「裏付ける証言は出ておらず、真偽は確認できない」と姑息な逃げをうってるんだが、なぜここにきてウヤムヤにもできず、正式に、記事の取り消しと謝罪をしたかといえば、これ2012年の安倍ちゃんの発言のおかげなんだよ。

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2012年の安倍晋三総裁については、私も当時「安倍総裁の決意③ 河野談話の撤回」に書いています。
この時安倍晋三総裁は朝日新聞の記者がいる目の前で、「慰安婦問題の件は朝日新聞による誤報」ときっぱりと言ってくれました。
ここから1年8か月、ついに朝日新聞は自社の報道の嘘を認めざるを得なくなりました。

河野談話については、この当時の私は「撤回」に主眼を置いていましたが、実は第一次安倍内閣の時に既に「旧日本軍が人さらいのように女性達を強制連行したような事実はない」と、事実上河野談話を否定する閣議決定がなされています。
なので現在は撤回にこだわるよりも、これに変わる新談話発表のほうに期待しています。
すなわち、「安倍談話」です。
ちょうど来年は戦後70年の節目の年ですし、河野談話を事実上粉砕するような「安倍談話」を期待したいと思います。

朝日新聞の報道の酷さは、既にネットでは呆れられ、蔑みの対象になっています。
「反日左翼新聞」「売国左翼新聞」はもとより、「嘘新聞」「バカヒ新聞」「アカヒ新聞(赤色が共産主義、つまり左翼思想の象徴色であることに由来)などとも呼ばれています。
いつまでもこのような悪質新聞社のやりたい放題な偏向報道、捏造・嘘報道を許して良いはずがありません。

「因果応報」という言葉があり、悪いことばかりしていれば、やがては自分の身に跳ね返ってきます。
解約が相次ぎ発行部数も露骨に減少しているようですし、そろそろ滅びるべき時が来たのではないでしょうか。
また「自業自得」という言葉があり、仮に朝日新聞が衰退し滅びていったとしても同情の余地は全くありません。
倒産して日本から消えてなくなってほしいです。

夏休み

2014-08-10 13:06:35 | ウェブ日記
昨日から夏休みです
初日の昨日は朝から部屋の掃除に励みました。
掃除機をかけ、雑巾がけをし、トイレバスの水回りの掃除をしていたら、13時過ぎになってしまいました。
そこから帰り支度をし、部屋を出たのが14時過ぎ。
図書館にも行きたかったので行って本の返却と借りる本の選定、借りてから駅に向かったら、駅に着いた時には既に15時半近くになっていました。
そんなわけで普段の帰省よりは少し遅い時間帯の実家への帰省になりました

今年は中学校の同窓会があるのでそれが楽しみです。
個人的にとても良い先生だと思う中学二年生、三年生の時の担任の先生も来るというので、久しぶりにお話してみたいと思います。

小説は掘り出し物を借りてきたので帰省している間にどんどん読んでいこうと思います。
妹夫婦もお盆に来て4月に生まれた赤ちゃんも来るので、久しぶりに対面するのが楽しみです
本当は11日に帰ろうと思ったのですが、二日早めて早々に帰ってきたのは、実家で心身ともにゆっくり休もうと思ったからです。
田舎らしい時間の流れの中で英気を養えればと思います。

「PK」伊坂幸太郎

2014-08-09 17:41:36 | 小説
今回ご紹介するのは「PK」(著:伊坂幸太郎)です。

-----内容-----
その決断が未来を変える。
連鎖して、三つの世界を変動させる。
こだわりとたくらみに満ちた三中篇を貫く、伊坂幸太郎が見ている未来とは-。
未来三部作。

-----感想-----
この作品は以下の三編で構成されていました。

PK
超人
密使

三つの作品には少しずつつながりがあって、伊坂幸太郎さんらしい「リンク」がちりばめられていました。
「PK」に出てきたある話の内容がリンクになっていて、次の「超人」でその話の内容どおりの超人的な能力を持つ人物が出てきたりします。
さらに「超人」と「密使」にも共通するものがあって、中編三部作になっていますがこの三つで一つの作品世界になっているような気がします。
何か巨大な力によって物事が動くことについて、「そういうふうになっている」という言葉が出てきたのを見て、私は「モダンタイムス」が思い浮かびました。
得体の知れない巨大な力が動いているという共通点があります。

「PK」ではサッカーのワールドカップ予選の最終戦で、小津という選手がなぜPKを決めることができたかについてを中心に話が展開されていきました。
なぜか国会議員でしかも大臣を務める人がこの件について調べていました。
この国会議員はかつて議員に当選したばかりの頃、ベランダから転落してきた子供をキャッチして助けたことがあって、これがかなりの伏線になっていました。
続く「超人」に生かされてきます。

「超人」は、殺人を犯す人物が事前に分かるという特殊な力があるため、その殺人を犯す人物を事前に殺している本田毬夫という人物の話。
殺人事件が起きるのを防ぐために殺人をしているというわけです。
実はこの「殺人を犯す人物のことが事前に分かるため、それを防ぐために事前にその人物を殺す」というのは、「PK」からの伏線になっていました。
何気ない会話の中で出てきたのを伏線にしている辺り、さすがに上手いなと思いました。
しかも伏線は二重にあって、本田毬夫という人物の正体にも驚かされました。

「密使」は、未来を変えようという物語です。
今のままではやがて抗生物質も効かない致死性の毒を持つウイルスが蔓延し、世界が大変なことになってしまうため、どうにかしてその未来を変えなくてはなりません。
青木豊計測技師長なる人物の話によると、最初はほんの少しの変化から、ドミノが倒れていくように未来を変えるのが理想とのことです。
タイムパラドックスやパラレルワールドの概念が出てきて、なかなか複雑な話になっていました。

この物語で重要な役割を担うのが三上という人物。
三上には握手をした相手の時間を盗むという特殊能力があります。
本人は「時間スリ」と言っていました。
一人の人間から盗める時間は6秒で、盗まれた人は23時59分の日付が変わる直前に時間が止まり、6秒だけ動かなくなります。
この時間を止める力が、未来を変える上で大きな意味を持ってきます。
さらに、未来を変えるために「密使」を送り込むことになったのですが、それがなんと「ゴキブリ」でした。
何とも突拍子のない密使だなと思ったのですが、実はこれも伏線になっていて、他の話でゴキブリのエピソードがありました。
あのできごとが後々世界の運命を変えることになるのかと、そのできごと自体は大したことではないのですが妙に感慨深くなりました。
本当にこの作品は伏線が巧みに張り巡らされているなと思います
楽しく読ませてもらいました


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「きょうのできごと」柴崎友香

2014-08-07 23:40:33 | 小説
今回ご紹介するのは「きょうのできごと」(著:柴崎友香)です。

-----内容-----
ある晩、友人の引っ越し祝いに集まった数人の男女。
彼らがその日経験した小さな出会い、せつない思い。
5つの視点で描かれた小さな惑星の小さな物語。
書下ろし「きょうのできごとの、つづきのできごと」収録。
行定監督映画化!

-----感想-----
「フルタイムライフ」「また会う日まで」に続き、柴崎友香さんの作品を読むのは三冊目です。
この作品はデビュー作ということで興味を持って読んでみました。
物語は以下の6編で構成されています。

「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」3月25日 午前3時
「ハニー・フラッシュ」3月24日 午後6時
「オオワニカワアカガメ」3月25日午前4時
「十年後の動物園」3月24日 午後1時
「途中で」3月25日 午前3時
きょうのできごとのつづきのできごと

3月24日から25日にかけて京都に引っ越した友人の引っ越し祝いに集まった7人の男女。
盛大な飲み会になり、真夜中まで続いていました
章ごとに、それぞれ別の人物の視点で物語が描かれています。

最初の章では冒頭から車の中での軽い会話が続いていました。
先に読んだ二作と同じくこの作品も登場人物は大阪弁でした。
最初の章は「けいと」という女の子が語り手です。
助手席で寝ていて、目が覚めたところから物語は始まります。
運転しているのは中澤という男で、後部座席にはけいとの友達で中沢の彼女の真紀がシートに横になって寝ています。
友人宅での飲み会からの帰り道、時刻は午前3時。
けいとと中沢の会話は小学校からの長い友達だけあって軽妙で、他愛もない会話を楽しく読ませてもらいました。

二番目の章では、最初の章で後部座席で寝ていた真紀が語り手になります。
時刻は3月24日の6時へと遡ります。
この章では、三人が行ったのは「正道くん」という人の家だったということが分かります。
飲み会の詳細も分かり、けいとと真紀は随分とたくさん飲んでいました
そしてけいとはこの飲み会で「かわちくん」という正道の後輩が好きになったらしく、勢い込んで話しかけていました。
真紀のほうはなぜかお風呂場で西山という男の散髪をしてあげていました。
これが酷い仕上がりで、この時は西山が酔っ払って判断力がなくなっていたから良かったものの、後々騒ぎになります。

三番目の章では中沢が語り手。
帰り道、車を運転している中沢に正道から電話がかかってきました。
真紀に酷い髪型にされた西山が、真紀たち三人が帰った後に少し酔いが醒めて髪型の酷さに気づき、やけ気味に再び酒を飲んで酔いが回り、暴れ出していました
同じく真紀が散髪をした「かわちくん」のほうは比較的マシな髪型に仕上がっていたため(かわちくんはルックスも良いらしいです)、それに嫉妬した西山はかわちくんに絡み、完全にタチの悪い酔っ払いになっていました。

四番目の章ではかわちくんが語り手。
時系列は3月24日の午後1時。
かわちくんは付き合っている彼女とデートをしていました。
しかしかわちくん、「正道さんの引っ越し記念飲み会があるから」と言ってデートを早めに切り上げようとして彼女を怒らせてしまいます。
飲み会に行くのを遅くすれば済むのにかわちくんにはそれができないらしく、そのわりにデートのほうは早く切り上げようとしていて、その態度に彼女さんは怒っていました。
飲み会のほうにはそんなに気を使うのに、私とのデートには全然気を使わないのか、というわけです。
正道の家での飲み会ではけいとがかわちくんに好印象を持って好きになっていましたが、この話ではかわちくんの意外な一面が印象的でした。

五番目の章では正道が語り手。
時系列は3月25日午前3時。
けいと、真紀、中沢の三人が帰って、男四人が正道の家に残っている時の物語です。
西山が酔っ払って暴れている様子が詳しく描かれています。
西山は酔っ払うと他の人に携帯で電話をかけさせたりするらしく、これは私も酔っ払った先輩がそういう行動をしているのを見たことがあるので様子がよく分かりました。
やはりお酒は人に迷惑がかからない範囲で飲むようにすべきだと思います。

最後の「きょうのできごとのつづきのできごと」は特殊な物語でした。
物語は二つに分かれていて、二つ目のほうの語り手は柴崎友香さん本人で、行定勲監督による「きょうのできごと」の映画の撮影現場を見に来ていました。
そしてこの話の中で柴崎友香さん本人が「飲み会に集まった大学生たちのなんでもない1日の話」と言っているように、この作品は大学生たちのなんでもない1日を題材にしています。
そこを、飲み会に集まったメンバーそれぞれの視点で時系列も少しずつずれて構成することで、面白い物語になっていました。
ある時同じ場所に集まったメンバーにもその前後にはそれぞれのエピソードがあるというのがとても自然に上手く表現されていると思いました


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「あるキング」伊坂幸太郎

2014-08-05 23:40:10 | 小説
今回ご紹介するのは「あるキング」(著:伊坂幸太郎)です。

-----内容-----
この作品は、いままでの伊坂幸太郎作品とは違います。
意外性や、ハッとする展開はありません。
あるのは、天才野球選手の不思議なお話。
喜劇なのか悲劇なのか、寓話なのか伝記なのか。
キーワードはシェイクスピアの名作「マクベス」に登場する三人の魔女、そして劇中の有名な台詞。
「きれいはきたない」の原語は「Fair is foul.」。
フェアとファウル。
野球用語が含まれているのも、偶然なのか必然なのか。
バットを持った孤独な王様が、みんなのために本塁打を打つ、そういう物語。

-----感想-----
内容紹介文にあるように、今までの伊坂幸太郎さんの作品とは違っていました。
伊坂幸太郎さんの作品といえば、複数の物語が同時に進行していって、やがてそれらの物語が絡まり合い、うなりを上げて動き出すという展開がよくあります。
巧妙に張り巡らされた伏線が後半で思いもよらぬ形で現れて驚かされるといったこともよくあります。
しかしこの作品ではそれら伊坂作品の王道的展開にはならないです。
この作品は「伊坂幸太郎第二期」と呼ばれる期間に入るのですが、第二期では伊坂さんの王道的展開ではないものを実験的に書いているとのことです。
現在は第二期が終わったらしく、本来の作風に戻っています。

この作品は山田王求(おうく)という天才野球選手の、0歳から23歳までの物語です。
王求はまさに王になるために生まれてきたかのような、生まれながらの天才でした。
王求の父親の名は山田亮、母親の名は山田桐子。
物語の冒頭、桐子は臨月を迎えていました。

仙醍市という、仙台市をモデルとした架空の都市に、「仙醍キングス」というプロ野球球団があります。
地元仙醍市の製菓会社「服部製菓」が運営していて、毎年最下位か良くても5位という弱小球団です。
桐子はこの仙醍キングスの南雲慎平太監督に思い入れがありました。

桐子が出産をした日、南雲慎平太監督が敵チームの打者の打ったファウルボールが激突しそうになり、それを避けようとした際にベンチに頭をぶつけ、その衝撃が原因となり死亡。
この時の対戦チームは「東卿ジャイアンツ(読売ジャイアンツがモデルと思われます)」だったのですが、南雲慎平太監督に思い入れのあった桐子はこの日以来、東卿ジャイアンツの名前が出ただけで目の色が変わるくらい、東卿ジャイアンツが大嫌いになりました。

王求の名前の由来は、「将来、キングスに求められる存在なのだから、王に求められると書いて王求」です。
亮と桐子の二人とも、名前をつける時点で既に王求が将来プロ野球選手になり、仙醍キングスで活躍するのを全く疑っていませんでした。

物語には頻繁に黒色のロングコートを羽織り、頭には黒のチューリップハット、靴も黒の黒ずくめの魔女みたいな三人組の女の人が出てきます。
この三人が頻繁に王求の周辺に現れるのです。
三人は「めでたいねえ。おまえは王になるのだから」と王求が将来野球の王になるのを分かっているかのような、予言めいたことを言います。

王求は12歳の小学六年生の時点で、既に天才バッターとしてその名を轟かせていました。
プロ野球選手による野球教室では、プロのピッチャーの手加減無しの全力投球を打ち返し、ホームランにしてしまいました。
地元の少年チームの試合でも打席に立ってまともなボールが飛んでくれば全てホームランにしてしまうような怪物ぶりで、あまりに凄すぎるため、頻繁に敬遠されたり、味方チームからも煙たがられたりもしていました。
また、両親の王求がプロ野球選手になることへの愛情は半端ではなく、狂気じみたものを感じるほどでした。

王求の人生は予め決まっているかのごとく、黒ずくめの魔女みたいな女の人達の予言じみた言葉によって、導かれていきます。
そしてその言葉は、王求を順風満帆な野球人生には導きませんでした。

「真の王は、舗装された道を歩むべきではありません。そう思いませんか」

と、不吉な未来を予言しています。
実際に王求の野球人生は途中で大きく躓くことになります。

この作品では、一度登場した人物が再び王求の前に出てくることが多いです。
登場人物自体が一種の伏線のようになっていて、一度出てきた人物がまた出てくるのかなと気になりました。

旅行に行く日の天候が、晴れなのか雨なのかはコントロールできない。どうにもならないことを鬱々と悩み、天気予報に一喜一憂するくらいであれば、どんな天気であっても受け入れて、雨が降れば傘を差し、晴れたなら薄着をしていこう、と構えているほうがよほどいい。

「雨なんて降ってない」と言い張るよりも、豪雨を認めた上で雨具を身に着ければいいのだ。

王求21歳の章で出てきたこれらの言葉は印象的でした。
天気だけでなく他のことについても言えることだなと思いました。

またこの作品では「おまえは」という表記で、何者かが王求を見ている語り口で物語が語られています。
この人物は最後に明らかになります。

最初から最後まで独特な雰囲気を持つ不思議な物語でしたが、他の伊坂作品とは大きく異なる作品として楽しく読むことができました。


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「また会う日まで」柴崎友香

2014-08-03 17:10:53 | 小説
今回ご紹介するのは「また会う日まで」(著:柴崎友香)です。

-----内容-----
好きなのになぜか会えない人がいる……
OL有麻は25歳。
あの修学旅行の夜、鳴海くんとの間に流れた特別な感情を、会って確かめたいと突然思いたつ。
有麻のせつない1週間の休暇を描く話題作!

-----感想-----
梅雨が明ける前の7月、月曜日から、物語は始まります。
主人公は大阪で働く仁藤有麻(ゆま)。
有麻は一週間の休暇を取って、東京にやってきました。

最初有麻は東京メトロ表参道駅の銀座線と半蔵門線のホームにいました。
電車からホームに出た後、地上に出るために一度階段を降りるのですが、「地下鉄から地上に出るのになんで降りるんだろう」と言っていて、たしかにそうだなと思いました(笑)

有麻は「しょうちゃん」と待ち合わせていて、部屋に泊めてもらうことになっていました。
しょうちゃんの名前は祥次と言い、大学の写真部で一緒だった男友達です。
しょうちゃんは写真の仕事をしていて、有麻も仕事は違いますが趣味で写真は撮っています。

明治通りの交差点や表参道の坂などが出てきて、何度も歩いたことがあるので場所の想像がしやすかったです。
同潤会のアパートがあった場所が作中では工事中になっていましたが、ここには現在表参道ヒルズが建っています。
表参道と明治通りの交差点も鉄板が敷かれて工事中になっていましたが、これも現在は工事が終わっています。
読んでいたらまだ工事をしていた時、鉄板の上を歩いていたら下から振動が伝わってきたのを思い出し、懐かしくなりました^^

李花ちゃんという、二つ上で二年前まで有麻の勤めている会社の東京営業所にいた子も出てきました。
今はテレビや雑誌に出る仕事をしています。

火曜日になると、有麻が東京に来た目的が明らかになります。
有麻は高校以来久しぶりに岩井鳴海という人に会おうとしていました。
恋心とは少し違うようですが、何やら特別な感情があるようです。
ちなみに物語は月曜日、火曜日、水曜日と一日ごとに進んでいきます。

「ほんとうは私が思ってもみないような景色のところがたくさん集まって東京っていう街なんだろうと思う」という有麻の言葉は印象的でした。
しょうちゃんが行ってきた「浮間舟渡(うきまふなど)」という地名は東京在住の私も知りませんでした。

有麻は無事に鳴海君と再会を果たします。
しかしここから、物語に妙な人物が絡んでくるようになりました。
凪子という変わった子がいて、鳴海のことが好きなのか何なのか、たまに鳴海の家の前で待っていたりします。
鳴海曰く「害のないストーカーみたいなもの」とのことでした。
凪子は鳴海と一緒に居た有麻のことも気になるようで、あれこれ聞いてきたりして接点が出来ていきます。

作中で出てきた、江戸時代には武士と町人はそれぞれ居住区域が分かれていたということ、そしてそれが現在も町の読み方に表れているというのは興味深かったです。
「御徒町(おかちまち)」のように町をまちと読む場合は武士の町、「○○町(ちょう)」という読み方の場合は職人などの町人の町とのことです。
ただ調べてみたら神田神保町(かんだじんぼうちょう)は武士の町だったというように、必ずしもそうとは限らないようです。

有麻は最初しょうちゃんの部屋に泊まったのですが、次は鳴海君の部屋に泊まり、その次は李花ちゃんの家に泊まっていました。
泊まり歩いているのが、私はこういう滞在の仕方はしないので珍しく感じました。

物語は、なんといったことのない日常を描いたものです。
大きなことは何も起きないし、日常の中での会話が中心です。
そこに所々興味深いことが書かれていて、物語のアクセントになっていたように思います。


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