読書日和

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TPPを巡る報道

2011-11-14 23:30:52 | ウェブ日記



今日はTPP(環太平洋経済連携協定)の報道について少し書いてみます。
ここ数日TPP交渉に参加するかどうかを巡って、揉めに揉めていました。
そして一昨日、野田総理は「交渉参加に向けて、関係国との協議に入る」という微妙な表現を用いて、事実上のTPP交渉への参加を表明しました。
しかしこのTPP、農業への影響以外にも様々な懸念があります。
上記の動画は11月11日の参議院予算委員会でのTPP集中審議の様子です。
なかなか興味深い答弁があるので、以下に印象的なものを紹介します。


①10:30頃からの、ISD条項(投資家VS国家の紛争解決条項)への質疑

・米豪EPA(経済連携協定)ではオーストラリアがこれに断固として反対して削除をした経緯がある。
・米韓FTAではISD条項が入ってしまった。韓国側がこれで激論で揉めていて議会で承認できない事態になっている。

一時期「米韓FTA」のニュースが出ていましたが、実はこれ、韓国国内では大規模デモが起きるなど猛反発が起きていて議会で承認できない事態になっています。
FTAの内容が韓国にかなり不利な内容になっているからです。
なぜか日本のメディアはこのことを報道しないようですが、ツイッターではその情報は出回っています。


②15:10頃からの、野田総理のISD条項への認識確認

佐藤議員:国内法が条約(TPP)によって曲げられることについて、どう思うか
  ↓
野田総理:基本的にはわが国の守ってきた国内法で対応できるように交渉していきたい
  ↓
この問題発言で委員会が紛糾。(国内法より条約のほうが上位に位置するので、国内法では対応できない)
  ↓
再度、野田総理:国内法より条約のほうが上位にあって、それに対応しなければいけないという現実の中で、どう対応するかということを考えるということ
  ↓
委員会がさらに紛糾。
どうやって対応できるんだよ!条約が上だから対応できないんだよ国内法では!という野次が聞こえると思います。
  ↓
この後、野田総理のしどろもどろの答弁でさらに委員会が紛糾。


この答弁を見ると分かると思いますが、どうやら野田総理はISD条項を知らないようです。
そんな状態で、TPPに参加しようとしているんですよ
国のトップがこういったことをろくに知らない状態で交渉に参加して、うまくいくと思いますか?
私は日本にとって悪い展開になるのではないかと非常に懸念しています。


ところで、野田総理のこの質疑の様子、テレビのニュースではなぜか報道されません。
おかしいと思いませんか?
テレビでは民主党内の反対派とどうにか折り合いをつけて、「交渉参加に向けて、関係国との協議に入る」という形での決着にした、という感じで報道されていますが、実際の国会は野田総理のしどろもどろな答弁で紛糾しまくっています。
これを報道しないで、国民に疑問を持たせないまま野田総理を交渉に向かわせるのはかなり問題なのではと思います。
ちなみに上記の動画については、文字おこしを掲載しているブログがあるので、ご覧になる方はこちらをどうぞ。
どうにもテレビの報道は不十分な気がするので、冒頭の動画等で実際にどんな審議が行われているのか、詳細を知っていくのが大事かと思います。
少なくともTPPというのは懸念されることが多いですし、「バスに乗り遅れるから」という理由で慌てて参加するのは危険だと思います。