東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

稲刈り,脱穀,芋ほり,小豆の収穫

2008年11月03日 | 稲:稲刈り,脱穀,精白

 私の職場の同僚家族とその保育園仲間家族が、稲刈りや芋掘りなどにやって来ました。以前田植えや草刈りにも来た家族です。いつもの賑やかな子供達もやって来ました。稲刈りは初めての子供達です。親の中にも稲刈りは初めての方もいました。

            刃物のカマを使うため、お互い少し離れて稲刈り


 稲刈りした稲は、6月22日に田植えした稲です。田植えした時、とてもひ弱な苗に見えましたが立派に育ったものです。苗1本が8本程度の株に増えていました。一粒のお米が千粒位に増えた勘定になるでしょうか。

   お父さんの稲刈りを見る男の子      丁寧にに稲刈りするお母さん達
 

 予定では、今日来た家族が田植えした稲だけを刈り取ることにしていました。しかし、28日に稲刈りした小学生達が刈り残した稲も刈り取りました。その稲は、少しばかりぬかるんだ田んぼに刈り残されていました。1株残さずきれいに刈り取りました。

           小学生が刈り残した稲もすべて刈り取る


 刈り取った稲は、縛りやすいように方向を揃えて地面に置きます。稲の穂側と稲の根側を揃えて置きます。しかし、子供達には何故揃えるのか分からず、バラバラに置いてしまいます。そうすると、お母さんが子供達がバラバラに置いた稲を置き直しました。

            刈り取った稲は、穂側と根側を揃えて置く


 次に稲をワラで縛って束にします。小さな子供には少し無理のため、主に大人が縛りました。稲は乾燥すると縮むため、弱く縛るとほどけやすくなります。このため、稲が乾いてもバラバラにならない独特の方法で縛ります。

   稲を縛るためのワラを手に持つ     稲束がほどけないようワラで縛る             
 

 稲束を縛り終えると、その稲束を竹ざおに架けて干します。縛った稲を二股にして、稲穂が下になるように竹ざおに架けます。天気が良ければ3日ほどで、ほど良く乾燥します。水分が15%まで乾燥すると良いと言われています。籾が湿っていると籾摺りや精米がうまくいきません。

         稲束を二股にして、稲穂が下になるように竹ざおに架ける


 稲刈りが終わると、今度は脱穀です。今回稲刈りした稲は、刈り取ったばかりで乾燥していないため脱穀できません。28日に小学生が稲刈りして干した稲を使って脱穀しました。6日間架けて干した稲ですので十分乾燥しています。
 小学生達は千歯こぎや足踏み脱穀機を使った脱穀を体験しましたが、今回は発動機を使った脱穀機だけを使いました。この脱穀機は、籾を人が集めて選別する必要がなく、自動的に風選して米袋の中に籾を収納できます。

        脱穀すると、籾は自動的に脱穀機脇の米袋に収納される


 一部のお父さんは脱穀作業を知っていましたが、ほとんどの方は脱穀作業は初体験のようでした。興味深く熱心に脱穀していました。ただ、子供達は年齢がとても低いため事故のリスクも高く脱穀はしませんでした。大人だけで脱穀しました。

       真剣な面持ちで脱穀          稲が吸い込まれないよう注意       
 

 大人が脱穀作業をしましたが、それでは子供達が退屈です。このため、子供達には乾燥した稲束を脱穀機まで運んでもらいました。稲束を運ぶのは初めてのことです。最初は面白がって運んでいました。

          稲束を楽しそうに抱えて運んでいる女の子


 私も子供の頃、稲が大好きでした。乾燥した稲束はかすかに新しい畳の臭いがします。この新調した畳のような香りがとても好きでした。今日稲を運んだ子供達も、好き嫌いは別にして、この臭いを知ったのではないでしょうか。

      稲束をかかえて嬉しそう        たくさんの稲束で顔が隠れそう
 

 稲束を運んだ子供達もだんだん運ぶのに飽きたのか遊びはじめました。稲を手に持って追いかけっこしたり、持った稲でお互いにたたきあったりとおおはしゃぎです。稲刈りした田んぼは走り回るのに最適です。また、地面はコンクリートと違って倒れても柔らかく受け止めてくれます。

            稲束を手に持って、笑顔いっぱい楽しそうな子供達


 子供達は、運んだ稲束を脱穀中の大人に手渡します。大人は、その稲束を脱穀機のそばに積み上げました。子供達にも脱穀を体験させたいところですが、この脱穀機はとても力が強いので児童にはとても危険です。この近辺で昔、子供がこの脱穀機に引っ張り込まれて腕を損傷してことがあったそうです。

      運んだ稲束を大人に手渡し、稲束は脱穀機そばに積み上げ


 脱穀した稲は先日小学生が稲刈りして干したものです。結構な量の稲のため、すべて脱穀するには一時間以上かかりました。子供達が田んぼで遊んでいる間、大人達はもくもくと脱穀を続けました。
 雨が降るとせっかく干した稲が濡れてしまいます。再び稲が乾くまでに、また時間がかかります。そうなると、脱穀するチャンスはなかなかめぐって来ません。まさに農業は天気しだいなのです。今回、乾いた稲をすべて脱穀してもらいました。

            乾いたたくさんの稲束、もくもくと脱穀作業を続行


 稲刈りして脱穀し終わると、12時を過ぎていました。子供達はおなかをすかせてお待ちかねです。天気はあまり良くはありませんでしたが、一番広い田んぼにビニールシートを広げて昼食です。お母さん達は、腕によりをかけて作ったお弁当のお披露目です。立派な重箱に入ったお弁当、とても美味しくいただきました。

          田んぼの真ん中に陣取って、和気あいあい楽しい昼食


 昼食後、すぐに芋掘りをしました。男心をくすぐるのか、男性が芋掘り担当になりました。芋はサツマイモです。最初、芋のツルを取り除いてから芋掘りのスタートです。芋を傷つけないように芋を掘り続けました。

    お父さん達がクワを打ち込む        男の子が芋を掘って並べる
 

 芋はいろいろなところに植えてあります。一番難儀したのは広い土手の急斜面に植えた芋を掘るときです。体が転げ落ちないように足で支えながらの芋掘りです。しかし、南斜面のため日当たりが良かったのか一番大きな芋が取れました。

         急斜面の芋掘りは一苦労、でも一番大きな芋を収穫


 お父さん方が芋掘りに精出している間、お母さん方は小豆の収穫をしました。そして、女の子達もお母さんに付いて小豆の収穫を手伝いました。

            お母さん達と女の子達は、仲良く小豆の収穫


 小豆はお米のように一度に全部の豆が成熟しません。茶色になった豆のサヤだけを手で取って収穫します。青いサヤはまだ収穫できません。収穫した茶色のサヤを割ると、赤茶色の小豆が5~6個入っています。

           茶色になった小豆のサヤを、手で丁寧にもいで収穫


 お母さん方も小豆のサヤを見るのは初めてのようでした。ましてや、子供達は初めて見る小豆のサヤです。収穫した小豆のサヤを不思議そうに見ながら触っていました。

          収穫した小豆のサヤを、不思議そうに触っている子供達


 芋掘りしたり小豆を収穫した後、ヤーコン,キャベツ,ニンジンなども収穫しました。子供達にとって、ニンジンが引き抜いて収穫されることなど思いも付かないことでしょう。また、ニンジンに葉が生えていたり無数のヒゲ根が生えていることなども思いも付かなかったと思います。

        稲束の山の上で戯れて遊ぶ子供達、とっても楽しそう


 田植え,田んぼの草取りに参加して、今日稲刈りや芋ほりなどに参加した家族達は、大人や子供も本当に楽しそうでした。ディズニーランドのような人工の遊びもいいですが、自然にまみれて遊ぶことも大切なことだと思います。特に子供達にとって、自然は一番の教材だと思いました。

         私の職場の同僚と、同僚が通う保育園の友達家族達

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました (のむらです)
2008-11-11 21:45:03
前々回、前回に引き続き、ありがとうございました。おかげさまでよい経験ができました。また、次回も色々教えて下さい。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました (西川)
2008-11-13 16:20:21
今年の秋一番の思い出ができました。
いつも丁寧なご指導ありがとうございます。
小豆がさやの中に入っているのを初めて見ました!
子供は藁の上でハイジのベットと大喜び。
またよろしくお願いします。

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