寂しがり屋の猫

僕は今日もあの人が来るのを待っている。

以前はよく自分から顔を見せてくれたが、最近はなかなか会える事がなくなった。

それでもいつか会いに来てくれるんじゃないかと期待して、僕は待ち続ける。

会いたいな～。まだ会えないかな、次こそ会えるかな。
連絡がないかと携帯電話を見てみても特に何の連絡もないみたいだ。

だんだん寂しくなってきた僕は、あの人に自分の素直な気持ちをぶつけてみたんだ。

今まで我慢して我慢して苦しくなって気持ちを伝えたら、それは「酷い事」なんだって。
あの人は悲しくて泣いたみたい。僕が「変な事」を突然言うから。

僕も悩んで悩んで苦しかったよ。
気持ちを伝えた時も色んな事を覚悟した。勇気を出した。
ねぇ、僕が加害者なのかな？どう思う？


勇気を出して気持ちを伝えてから、あの人も僕の事を理解してくれたみたいで幸せだったけど、しばらく経つとまた待つ日々が始まった。

その時は反省してると言うのに、次にはまた同じ事を繰り返す。
少しずつ削られていった僕の心は、もうそろそろ限界みたい。

以前は我慢できた事が今は辛くなっている。
君が言う「ごめん」という言葉。頭では理解できても、心が受け入れてくれない。
まだ待たなくちゃいけませんか？僕が我慢しなくちゃいけませんか？

大切なものがある事は理解できる。
だけど、「今は」無理なんだ。ごめんなさい。
今だけ、ここでだけ、我が儘を言う事を許してください。

愛は与えるものと人は言うけれど、たまに求める事は悪い事でしょうか？
会いたいと想う気持ちは罪なのかな。
愛されたいと願う気持ちは間違ったものですか？

寂しがり屋の猫は叫ぶ。
でも、ちょっぴり悪い事をした気持ちになって「ごめん」とつぶやく。
これでまた、明日からがんばれる。