-中途失聴者のSilent Life-


聾者とも違う、難聴者とも違う。
ある日突然、音のない世界に生きることになった中途失聴者のたわいない日常です。

生活もいろいろ。

2009-12-29 07:12:38 | 聞こえない生活ってこんな感じ。
ひとくちに「耳が悪い」といっても、その状態は人によっていろいろです。
聞こえ方がそれぞれ違うように、
生活のしかたや、コミュニケーションの方法も、いろいろ。


よく勘違いが多いのは、
「先天ろうの人は話せない」って思ってる人が多いことかもしれません。

実際には、ろうの人たちもかなりの人が、話すときには口話もつけて話すことができます。
しかも、ろう学校で厳しい口話教育を受けてきてるので、話すのはかなり上手な人が多いそうです。
残念ながら私は聴こえないので分からないけれど。


そんなわけで。

まったく聴こえないろう者に対して、
聴こえの程度が人によってバラバラな難聴者には、
もっといろんなバリエーションがあるといえます。


常に補聴器をつけてる人もいれば、
仕事などの最低限必要なとき意外はつけてない人もいます。

その理由も、
補聴器をつけてることで「聴こえない」と気付いてもらえるから、という人もいれば、
補聴器してると、補聴器で聴こえると思われて普通に話しかけられるから嫌、と言う人もいる。
少しでも音情報を頼りにしたいから常に付けている、という人もいれば、
聴こえない状態のほうが自然で楽だ、という人もいる。


聴覚障害って本当に、人によって捕らえ方がさまざまな障害なんだなぁ~と、あらためて思います。


実はこないだ手話バーのときに、
聴覚障害者同士で話すときに、声を出すか、出さないか、という話になって。

これも、人によって考え方がいろいろあって。

手話中心だから、相手が健聴者でも基本的には喋らないって人もいるし、
相手が健聴者でも難聴者でも、声を出す人もいるし。

喋ると「聞こえる」と思われるのが困るから、
補聴器をしてない時には基本は声を出さないって人もいるし、
せっかく喋れるんだから普通に喋りたいと思う人もいる。

そしてもちろん、手話そのものを使わないし、自分には必要ないって思ってる人もいる。


どの意見が正しいとか間違ってるとかじゃなくて。
ライフスタイルや考え方とか、
その人のコミュニケーションが音声中心か手話中心かとか、
いろんな要素があるんだろうな~って。


ちなみに私は、基本は声も出して喋ってます。

例えば、手話の勉強をする場なら、声はないほうがいいと思う。
ただ、普段の会話の中では、相手に「伝わる」ということを重視するのなら、
少しでも情報が多いほうがストレスなくコミュニケーション取れるのかなーと思ったりします。

私のレベルじゃ、手話だけではまだまだ思ってることを伝えられないし、
読み取りのほうも、まだまだ手話だけでは理解できなくて、
かなりの情報を読話に頼ってるし。

そういう意味では、手話+口話があったほうが、私はありがたいかなー。
・・・と自分が思うので(笑)


ただ、その一方で。
自分の声が聞こえてないのに「声を出して話す」ということに、違和感を感じてるのも確かです。

自分では喋ってるつもりなのに、全然声が出てなかったりということもあり。
たまに声出すのがほんまに面倒になることがあって、
話さなくていいなら楽やのになー、とか思ってみたりもします(笑)


ちなみに、普段の生活でも、私は普通にしゃべってます。
それで「聴こえる」と思われて困ったときは、「すみません聴こえないんです」と言う。
それで十分。


まぁ理由は単純で、単純に喋るのが好きだから(笑)

喋れなくなるのが嫌だから、っていうのもあります。

自分の声が聞こえないと、どうしても発音がちょっとずつズレてしまうので。
かなり意識して話さないと、どんどんズレていくと思います。
今でもちょっと話し方が変わってきてるらしいから、
まったく話さなくなったら、ほんとにちゃんと喋れなくなる気がする。

それが嫌だから、できるだけ声を出して喋って、話すことに馴れていたい。

それに・・・
せっかく話せるんやから、話さなもったいないしなー、って♪



まぁ、これもね。
いろんな聴覚障害者がいて、いろんな考え方があって、
だからこそいろんなコミュニケーションの取り方があると思うんですよ。

それはそれで、別に誰も正しいとか間違いとかないと思うんです。


手話ができないからって、手話ができる難聴者に遠慮することとか、全然ないと思うんです。
声を出してくれないと何言ってるか分からないと思ったら、「声出して」って頼めばいいし、
手話を勉強したいから声を出さないで欲しいと思えば、「喋らんといて」って頼めばいいし。

それだけの話やと思うんです。



うん。

なんかまとまらなくなってしまいましたが。
いろんな考えがあるってことで。


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4 コメント

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Unknown (ぷーどる)
2009-12-29 09:38:34
相手の思いも、自分の思いもそれぞれだからね。

自分が思うようにやっていけばいいよね。
Ayamiちゃんが言うように、相手に求めるものがあれば「こうして欲しい」と、お願いするのが最善だと私も思います。

そういうわけで、お願い・・・
私としゃべる時は「声出してね~」
Ayamiちゃんの声って私には聞き取りやすくてすごくかわいい声なのよ。
よろしくです~
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ぷーどるさん (Ayami)
2009-12-29 13:23:14
ほんとに、いろんな考え方がありますね。
それを難聴者どうしで「それは違う」「こうしなきゃだめ」と言ってしまうと、どんどん自分達で苦しくなっていくだけな気がします。

自分にとってベストな方法が、相手にとってもベストとは限らないですもんね。

はーい、
可愛い声かどうかは分かりませんが、頑張って喋りまーす♪
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なるほど (ken)
2009-12-29 16:30:58
僕はずっと声を出して喋るのが普通だったのでそのままきてます。
難聴者でも手話だけで話をされる方がいるのにちょっと驚きました。
聴こえないと話し方も少しずつおかしくなっていくというのは分かる気がします。
話すのがすごく不安になることがあって、Ayamiさんが書いてるのを見てあるある、と思いながら読んでいました。
子供の頃、耳が悪くて補聴器つけてる子がいて、その話し方をマネして笑ってる同級生がいて。
僕は笑ったりマネしたりはしなかったけど、なんであの時止めには入れなかったんだろう・・・と、
自分が聴こえなくなった今になって、もう20年も前の事を後悔しています。

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kenさん (Ayami)
2009-12-30 09:54:20
中失の場合、言葉は変化しない人とやっぱり変わってきちゃう人とに分かれるみたいですね。
こないだ、別の友達とも話してたのですが、
子供って悪気なく残酷なことを言うことがありますよね。
だからこそ、子供の頃から「いろんな人がいる」って分かってると、大人になってからも「自分とは違う存在」を簡単に受け入れられるようになるのかなと思ったりもします。


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