-中途失聴者のSilent Life-


聾者とも違う、難聴者とも違う。
ある日突然、音のない世界に生きることになった中途失聴者のたわいない日常です。

人工内耳について。

2009-11-29 11:54:53 | 医療情報など
人工内耳。

どういうものかについては、改めて詳しくは書きませんが、
高度難聴の人に対して、内耳のインプラントで音を取り戻させる手術のことです。


いろいろな病院や人工内耳友の会などで、説明会が行われていますし、
実施施設を受診すれば、詳しい話を聞くこともできます。

ちなみに私の勤めていた病院では、人工内耳の「説明会」というのはやっていません。
患者さんの難聴の程度や年齢、失聴期間などによって話が大きく変わってくるので、
あまり一般的な話をしてしまうと誤解を生む可能性があるからとのこと。


でも、人工内耳に興味があっても、なかなか受診するまでに至らない人、
結構多いと思うんですよね。


私の知り合いの中にも、人工内耳について興味のある人はいっぱいいます。

難聴者どうしって結構つながってるので、
誰かが人工内耳をして、聞こえるようになったとか電話できるようになったとか、
そういう話を聞いて、みんな「私もやりたい」って思うんです。

でも。

情報もまた「噂」レベルで伝え聞いたことしか知らないから、

人工内耳したら飛行機に乗れなくなるとか、
超音波検査ができなくなるから子供を産めないとか、
果ては、冷蔵庫の前を通ったら頭が吸い付くとか、

そんな都市伝説みたいな怪しい情報まで、本気で心配してる人がいっぱいいるんです。

で、病院に行ってしまうと、先生に言われるまま手術受けなきゃいけなくなると思って、
受診したがらないんですよね。


人工内耳について、まったく知らない人が不安に思ってることって、
どれくらい聞こえるかとかどんな手術をするかとか、そんなことじゃなく、
実はそんな「しょーもない」ことだったりするんです。


人工内耳の手術をした人にはインプラントの証明を渡すので、
それを見せれば飛行機にも乗ることができます。
検査ができなくなるのはMRIなどのごくごく一部の検査です。
超音波検査やCTなどは受けることができますし、妊娠出産ももちろん可能です。
冷蔵庫の前を通るだけで頭がくっついてたら大変です。


私の場合、聞こえなくなる前からずっと、
仕事で毎日のように人工内耳の専門医の話を聞いていたので、
自分がいざ失聴した時、なんの迷いもなく人工内耳手術を希望しました。

でも、聞こえなくなってから初めて人工内耳の事を知ったとしたら、
すぐにそこまで決心できたかはわかりません。

ある意味、究極の役得だったと思っています。

もっと多くの人が、正確な情報を手に入れて、
リスクもメリットも正確に知った上で、
人工内耳をするかしないか、判断できるようになればと思います。


受診したからって無理やり手術の申し込みをさせられることは絶対ありませんし、
いくつかの施設を回って他の先生の話を聞くことも可能です。

気になっている方は、変にクチコミの情報に頼るのではなく、
気軽に専門医を受診してみるのが一番確実だと思います。




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