詩人 自由エッセー

月1回原則として第3土曜日に、隔月で二人の詩人に各6回、全12回の年間連載です。

第48回 第三劇場 真名ノ

2021-03-08 17:29:06 | 日記
 コロナ禍の中、サークルを探すのは難しいと思いましたが、Twitterって凄いですね。「同志社 演劇」で一発で見つかりました。第三劇場の方たちがサークル公式のアカウントを作ってくださっていたためです。入団希望の方はQRコードから公式ラインに飛んで説明を受けてくださいのことでした。Zoomで座長から説明を受けました。同志社には全4団体あるのですが、トラブルを避けるために掛け持ちはできないらしいです。過去に何かあったのでしょうか?演劇の人間は大体変わっているので、多分恋愛関係だと私は踏んでいます。(変人は恋愛など興味のないものだと思っていましたが、逆に興味がわくのだと学びました。恐ろしいですね)
 丁度秋公演が始まるところだったので、夏休みはほぼ毎日朝からZoomで稽古をしていました。稽古内容は、腹式呼吸のやり方や短音長音、あめんぼ、外郎売などの基礎練から始まり「Work Shop」をします。ワークショップでは、この世に存在しない言葉でテレビショッピングの真似をして「何を売っているのか」みんなで伝えたり(ジブリッシュといいます)他にも、五人のZoomの個人チャットに、それぞれマスターから「1~5」の数字が送られ、その数字に応じて自分の地位が決められます。地位といっても場面によって変わります。例えば、場面は当てる側の人が設定するのですが、「教室 モテる順」と設定したとしましょう。演者はサッカー少年を演じたり、教室の隅で読書をしたりします。これの面白いところは、演者同士が相手の番号を知らないのと、入る順番が決まっていることです。「自分はこの人より、、う、上?か」とか探り探りです。ここで大切なのは「1番」と「5番」の人です。その人は明らかに地位が高いし低いので、大袈裟に周りに伝えます。その動きに合わせて2,3,4の人が「あ、こうやって表現したらいいのね、じゃあこうしよう」と、演劇方針が決まってきます。これを弊害するのが、入る順番が決まっていることです。いきなり3番の真ん中の人が最初に入ったとしましょう。何をすればいいのかパニックですよね。そのため毎回1か5の人が最初に入ることをみんな願います。
 第三劇場の最大の強みは「自分たちで脚本を手掛けられる」所です。脚本を書く方たちは、役者がどんな人が分かっているので、オーディションはほとんどしません。緊張しなくて助かります。しかし他人から見た自分像から演出さんは(脚本を手掛けた人のことです)人選するため、自分に何を求めているのかを読み取る必要があり、役が固まるまでかなり苦労します。
 ただ文章を読むのではなく、そこにどんな感情が込められ、どんな背景から出た言葉なのか演出さんと意思を統一するために、何度も読み込み、メモし、確認します。偶に一切話し合わず、それどころかこっちの方が良いんじゃないと演出さんにダメだししたり、稽古ごとに傾倒を変えてくる先輩もいます。はっきり言って変態狂人です。しかしそんな人こそ頭がよく、キレて、仕事がすごくできる人だったりします。本当に怖いです。自分の常識が壊されそうで。
 10月から対面稽古が始まりました。実際会ってみると意外と身長高かったとか、服の趣味が変わっていたとかあって面白かったです。対面稽古が始まるとともに、部署が動き始めました。部署とは1人2つ担当するもので「舞台監督、制作、舞台美術、宣伝美術、照明、幕、音響、小道具、衣装、編集」があります。舞台監督は重要な役で、稽古場所をおさえたり、照明やガムテープやカメラの手配や本番の立ち位置設定や、とにかく何でも決めるリーダー的存在です。(公演ごとに舞監をやる人やメンバーが変わるので、その都度舞監の仕事量は変わります)制作は主に公式ラインやインスタやTwitterの管理や、公演の宣伝をしたりします。舞台美術は、演目ごとにどこに照明を吊るか、どんな色か、どんな強さか、ゆっくり出すかいきなり出すか、光の大きさ、照らす長さ、役者の動線などとにかく細かく演出さんと話し合いながら決めます。今回はマクドで3時間ほどぶっ通しで話して決めました。10分の短編だったので3時間で済みましたが、長編だったらと思うと気が遠くなります。宣伝美術はインスタやTwitterに載せる用や、チラシと作ったりする人です。画力が試されます。できたものを制作に渡して投稿します。照明はホール週という本番1週間前から、施設から照明器具を借ります。そして天井に吊り、位置を決めます。本番では卓といわれるところから、DJが使うようなごつい機械で操作します。幕は設計図で位置を把握し、時たま「バー」といわれる5キロぐらいある鉄棒を、番線といわれる針金の上位互換のようなもので吊るします。この時脚立の頂点で立って作業するのですが、揺れるわ命綱ないわで、高所恐怖症からしたら観覧車ぐらい怖いです。バーをかけ終わったらいよいよ幕を掛けます。幕の名前がアメリカの台風みたいなメアリやスーやジュン等々で面白いです。仕上げに光が漏れないよう洗濯ばさみみたいなものでつなぎ目を止め、でかいホチキスで壁と幕をぴったんこしたら完成です。音響は事前に演出さんと話し合いながら劇中に使う音を探します。例えば殴られた時に使う「ボコッ」とした音とかです。殴られるにしてもいろいろな音があるので大変です。私も音響なのですがテレビの音を流したいが著作権に引っかからないようにぼかしてくれという無茶ぶりがあって、いろいろ2時間やってやり直しと言われた時は、どうにかして先輩の今まで取った単位を0にできないものかを真剣に悩みました。小道具は劇中に使う小道具を用意したり作る人です。衣装は劇中に使う服をいろんな人に借りたり作ったり買い出しに行ったりする人です。講演の後にはコインランドリーにお使いに行くこともあります。聞こえは悪いですがパシリみたいなものです。編集は本番で撮った映像を編集する人です。担当部署だけ説明が長くなりバラつきが生じたことをお詫び申し上げます。皆様は私がどこに所属しているかわかりましたでしょうか?笑
 本番はいろいろとちりましたが、楽しかったです。正直記憶がありません。
 私のこれからの演劇ライフはどうなるのでしょうか。物語はこれからです。




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