連載エッセイ しとせいかつ 第8回 夏、すりきず、焦げて図太い向日葵がすき   亜久津歩

2015年08月01日 | エッセイ
  青い空は動かない、  雲片(ぎれ)一つあるでない。    夏の真昼の静かには    タールの光も清くなる。  夏の空には何かがある、  いぢらしく思はせる何かがある、    焦げて図太い向日葵(ひまわり)が    田舎の駅には咲いてゐる。  上手に子供を育てゆく、  母親に似て汽車の汽笛は鳴る。    山の近くを走る時。  山の近くを走りながら、  母親に似て汽車の汽笛は鳴る。    夏の真昼 . . . 本文を読む