スケッチブック 〜写真で綴るスローライフな日々2

写真を撮りながら、日々の暮らしや旅先で感じたことを書いています。
2016年からは撮った写真をイラスト化しています。

日野町 馬見岡綿向神社の勧請縄

2015年01月22日 | 文化/歴史/技術
毎年、正月には神社へ初詣に行くのが楽しみです。数年前から勧請縄に興味を持ち、奈良、京都、滋賀一帯の古社には地元の人に受け継がれながら残っていることを知ってからは、毎年新調した勧請縄を見学したくてしかたありません。滋賀県日野町は山の中にあります。でも高い山はほとんどありません。車で走ると坂が多いなあ。と思うだけです。仕事で訪れることが多いとは言え、まだまだ知らないことがいっぱいあるところです。不思議を尋ねるべく、馬見岡綿向神社(うまみおかわたむきじんじゃ)へ行くことにしました。国道477号線沿いに鎮座する割と大きめの神社です。この道は何度も何度も走ったことがあるのに、ちっとも気にしていなかったことに自分でも驚いています。雨はなんとか降り止んでいましたが、昼でも重く暗い空模様でした。真っ昼間にここへ参拝する人は皆無でした。おかげで到着した直後からしっかりと「もののけ」を感じることができました。杜がぐるりと囲み閉ざされた空間であるのに、中は広さと開放感を感じる不思議な場所です。素晴らしい神社だと一瞬で理解しました。残雪もある寒さの中、一人で本殿まで歩き参拝しました。ぽつんと一人で居ると恐ろしい気もしてきます。短時間の滞在だったので丁寧に見学できなかったことがとても惜しいのですが、摂社、末社が数多く総合神社のようでした。つまり大宮か神宮クラス。行事も盛んで「どんと焼き」の跡も残っていました。秋には、新嘗祭があれば、20年に一度の式年遷宮も執り行われているそうです。由緒も古く、欽明天皇が545年に綿向山の頂上に神様を祀ったことが起源になるそうです。急な吹雪に遭い猪の足跡を追いかけていたら山頂に導かれ、神様の化身である白髪の老人に出会ったという伝説が残っています。僕のお目当ての勧請縄は、入口の鳥居を挟む二本の木に注連縄が張られ、その中央に木の枝で作られたダブルループを重ねたデザインのシンボルと12本の吊るされた注連縄というスタイルでした。魔除けとされているこの勧請縄ですが、僕はこれを見てまったく逆の機能をするものではないかと思いました。外部からやってくる厄や災いを入ってこないようにするのではなく、出て行かないようにブロックして閉じ込めるためのものではないでしょうか。本来、神社はお祓いをして厄を落とす場所です。ここには厄がたっぷり溜まっているはずです。外部と出入りする神様と人は鳥居をくぐることが許されますが、厄(魔物)は出られないように封印する必要があるから勧請縄でせき止めているんじゃないかな。また謎を見つけてしまった。


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