今年は、猛暑が続く暑い夏でした。ガーデニングをされている方々はさぞお困りでしたでしょう。集合住宅のベランダやバルコニーで鉢植えをされている人は暑さ対策に気が入ったと思われます。我が家はルーフバルコニーがあるのでスペースが確保し易いけれども西側なので夏は長い西日に草木がやられてしまいます。しかも手入れをする妻は仕事を持っているので面倒をみるにも限りがあって、暑さのために枯らしてしまったものもは枚挙に暇がありません。土はあるけど何も植えた様子がない鉢植えも時々置いてあります。ある日、その使っていなかった鉢植えに蓋のようなものが置いてあり、その隙間から立派に育った草がありました。高さ30cmか40cmか。小さな白い花が咲き、黒い実がたくさんついています。その実は小さいけれど食べられそうなくらい見事だったので、一体何を植えたのだろうと妻に聞いてみたら、「知らん。」と素っ気ない返事。とうとうボケが始まり、自分で何を育てているのかも分からないようになってしまったのかと心配したら、「放っておいたら勝手に大きくなった。鳥かなにかが種を運んで来て生えたのだろう。」ということだったみたいです。妻のボケはまだ潜伏期間とみなすとして、この植物は一体何だ?と疑問が湧くので調べることにしました。しかし、インターネットが便利とは言え、とっかかりがあるのとないのでは探し易さに雲泥の差があるので、何だと思うかもう一度妻に尋ねると、葉っぱがナスに似てるからナス科じゃないかと見当をつけてくれました。それじゃあ。ということになって検索すると、すぐに見つかりました。ネットって凄い。それにナス科の見当は正しかったのです。これは「イヌホオズキ」という植物でした。典型的な雑草です。雑草?考えてみると雑草という草はありません。人間が特に用がなく珍しくもない草花をそう呼んでいるだけなのです。有益性は何も無く、せっかく植えた観賞や栽培向けの植物の栄養を横取りするので引っこ抜いて処分しなければならないと考えられている類いのものです。調べてなんだと残念になりました。何か有益性があるかもと期待していましたからね。「イヌホオズキ」のイヌはその価値がないこと差す言葉なのだそうです。しかも実は毒があり、どうやっても食べることはできません。危ない草だったのです。植えたわけでなく、勝手に堂々と鉢中で育ってしまった「イヌホオズキ」ですが、見た目は悪くないと思います。引っこ抜かず、そのまま寿命をまっとうしていただきましょう。
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