郡山はラーメン激戦区と呼ばれています。人口30万人超の市民に600店舗以上のラーメン屋があります。単純計算で500人に一店舗あることになります。その中でも著名な「トクちゃんらーめん」へ行ってみました。郡山駅からは歩くのは大変なのでバスを利用しました。この街には「郡山ラーメン一麺会」という団体があってこのお店も加盟しています。ご当地ラーメンを目指しています。「トクちゃんらーめん」は東京・浅草の「来々軒」をベンチマークした純東京ラーメンに地元の味をミックスしていて手打ち麺が売りです。スウプが無くなり次第閉店してしまうので到着するまで心配でした。営業時間ギリギリに飛び込みながらも無事食することができました。今回は「ワンタン麺」(940円)をセレクトしてみました。大きめの丼鉢にサッパリ醤油のスウプ、麺は細平打ちの柔らか目で喜多方ラーメン似、ワンタンは具が無くてとろみがあるくらいの食感です。スウプの出汁には、豚と秋田県産比内鶏、宮城県産三本木みちのく鶏、福島県産地鶏のブレンドを使用しているそうです。バランスのとれた美味しいラーメンで、よかったよかったと最初は思ったのですが、食べながら地元テレビがラーメン情報を放映しているのを見ていると、ふと気付いたことがありました。どうやら郡山市民はラーメン好きであることは、地元テレビのラーメン屋紹介コーナーの内容から察することができます。郡山のラーメンを有名にしたいことも理解できます。しかし、郡山市近郊には喜多方ラーメン、白川ラーメンという全国区の知名度を持つご当地ラーメンがあるではありませんか。郡山でご当地ラーメンを新しく作ることは至難技に違いありません。調べてみると「郡山ラーメン一麺会」の加盟店のラーメン屋さんは味噌ラーメンやら豚骨醤油ラーメンなどスタイルはバラバラなのです。差別化と言えばそうですがコアが読み取れません。しかも東京で有名なラーメン屋さんの支店も数多くあります。僕には激戦区とうよりラーメン植民地だと感じました。激戦なのは30万の市場にビジネスを仕掛ける側の所感なのではないでしょうか。何だか都会から来た地元以外の業者と地元の景気対策活動がくっついた感じです。僕にはどれが郡山ラーメンの味なのかわかりませんでした。ご当地とは一つの味にこだわる余りに、他の味を受け付けないほどに排除する強さが必要なのではないでしょうか。これが食文化だと思います。こうなったら郡山ラーメンと叫ぶのは止めて「ラーメンシティ郡山」と方針変更して全国各地のラーメンとオリジナルラーメンが何でもそろう街にしてみたらどうでしょう。と、たった一杯のラーメンをすすりながらこんなこと思うのは考え過ぎでしょうか。
トクちゃんらーめん 公式サイト
トクちゃんらーめん 公式サイト