セントの映画・小演劇 100本

観賞数 2024年 映画 34本、 演劇 20本

佐々木、イン、マイマイン (2020/日)(内山拓也) 85点

2020-12-16 17:58:34 | 映画遍歴

青春の墓碑銘と言えようか。みんなが同じ方向を見つめていたそのまなざし。喜びも哀しみも苛立ちも不安もみんなで分かち合う、そんな”とき”の共有こそがそれぞれのその後の人生に確たる沈殿を残すのだ。

17歳、22歳、27歳、歳月は過ぎても人は変わりぬ。恐らくそれ以降もね。彼らにとっては17歳が決定的な年齢だった。ひとそれぞれそういう”とき”があるのだと思う。

17歳。僕もこういう友人たちがいたなあ。今でもそれをひっそりと胸に秘め、生き続けている。若い時はそれこそ、彼らの存在が生きる術であったことよ。2時間、目の前に繰り広げられる映像はすなわちすべて自分のことのように僕にそのまま投影してゆく。

かろうじてまだ持ち続けている青春の残り香をこの映画でしかと感じる。中島みゆきの「流れるな 涙 心でとまれ」と必死に我慢しているのに、あのラストシーンで号泣入り。数少ない青春映画の秀作です。

 


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