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善き人のためのソナタ (2006/独)(フローリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク) 90点

2007-03-05 19:50:54 | 映画遍歴
人間が生きるうえで必要なものは何なのか、自由という究極な人類の希求を絶たれても人は生きていくことが可能なのか、そこまで考えさせられる広い映画だ。
演出も淡々と描いており観客こそすべてを知っているといううまい描写で素朴で素晴らしい。こんな、ある意味単純な話でありながら起伏もあり感情のほとばしりも感じられる計算された演出である。
ある意味、当時東ドイツでは国民全体にいわば監獄を強いていたということなのだろう。
でもこの話はまったく異世界の話ではなく、日本でもつい60年以上前まではこのような状況であったのだ。国家が人間を爆弾と同様に考えるような国はすでにもう国家ではなくなっているのだ。東ドイツでも、オリンピックでは薬漬けで金メダルを獲得していた人たちも今は病院生活をしている人たちが多いと聞いたことがある。
人間の尊厳を基本としてまず国家がありえると思う。そんなことをこの映画を見て考えてしまった。じわっと感動する秀作中の秀作だ。

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