『けーし風』第86号(2015.3、新沖縄フォーラム刊行会議)の読者会に参加した(2015/4/25、和泉橋区民館)。参加者は12人。
以下のような話題。
○名護市は稲嶺市政のもと基地の再編交付金を得ていない。それによる破綻は結果的に起きず、財政運営できている。(川瀬光義氏による指摘)
○同じように補助金で財政がまかなわれている自治体は多いが(基地、原子力)、その使途が限定されていること、ハコモノの運営コストが逆に財政を圧迫してしまうことなどから、総じて、自治体は豊かになっていない。
○「基地か経済か」という問題設定に大きな間違いがあるとの指摘(宮本憲一氏)は非常に重要である。
○辺野古の埋め立てに用いられる土砂の採掘が、小豆島、徳之島、佐多岬、天草・御所浦島、五島・椛島、防府、黒髪島、門司において行われている。このことがまだ大きな問題として認識されておらず、また、環境アセス法の対象となっていない。
○「本土」での沖縄基地問題に関する報道がなぜ不十分なのか。
○①ヤマトゥとの連帯(新崎盛暉氏がヤマトゥでの言説空間を重視)、②アメリカに訴えかけること、③アジアとの民衆的な連携を、それぞれどのように運動につなげていくのか。①は従来の方法であり、新たな策が求められているが、②への過度の依存には抵抗が大きい。③は抽象的・思想的なフェーズにある。
○辺野古に投じられる予算(3,000億円)がほとんど知られていない。
○辺野古基地に反対する辺野古基金に、2週間で約9,000億円が集まった。
○辺野古と往復する「島ぐるみバス」は、沖縄県庁前から毎日(!)出ている。初めて辺野古に行く人にとってはとても便利。
○沖縄の観光ブーム。ライカム(観光客もターゲット)がオープンし、USJ(ネオパーク沖縄と本部町)には名護市も賛成している。水や電気の負担はどうなるのか。そして、観光ブームはいずれ去っていく。
終わったあと、秋葉原唯一の沖縄料理店「今帰仁」で飲み食い。(飲みすぎた)
●話題に挙がった本・記事
宮本憲一+川瀬光義『沖縄論』(岩波書店)
『越境広場』創刊0号
『N27』(「時の眼ー沖縄」批評誌)
石川文洋『フォト・ストーリー 沖縄の70年』(岩波新書)
仲里効『眼は巡歴する』(未來社)
『沖縄文学選 日本のエッジからの問い』(勉誠出版)
後藤乾一『近代日本の<南進>と沖縄』(岩波現代選書)
平岡昭利『アホウドリを追った日本人 一攫千金の夢と南洋進出』(岩波新書)
木村草太『憲法の創造力』(NHK新書)
『ふぇみん』2015/4/15(特集 辺野古・高江は今)
西脇尚人「沖縄の新聞を読む/代表制の矛盾を突く」(沖縄タイムス 2015/4/8)
佐藤学「普天間基地問題 「事実」と沖縄の主張」(北海道新聞 2015/4/10)
イカスミソーメンチャンプルーの写真はオブジェのようですね。
それはそれとして、帰り道に酔いがまわりました。
それはそれとして『越境広場』の読書会のような集まりが別にあってもよいかな、などと思いました。
蒲田放浪も、『越境広場』読者会もぜひやりましょう(両方兼ねるのは難しそうですが)。もう具体的に日程も方法も詰めることに。