Sightsong

自縄自縛日記

讃岐の漆芸(3) 玉楮象谷と忘貝香合

2009-06-06 09:29:10 | 中国・四国

北海道に日帰り、1日置いて、四国に日帰り。わりとくたくたである。高松で1時間余裕ができたので、また高松市美術館に足を運んだ。目当ては常設の漆芸、あるに違いないと決め込んで。

200円の常設展は、「愛のかたち ピカソから村上隆まで」と「玉楮象谷と忘貝香合」。いままであまり目にできなかった、江戸時代後期の讃岐漆芸のパイオニア、玉楮象谷の作品がいくつも展示されていた。

特に、「狭貫彫堆黒 松ヶ浦香合」、通称「忘貝香合」について、象谷による3点とフォロアーたちによるものを比較することができ楽しかった。「狭貫」は讃岐、「堆黒」は塗り重ねた黒漆を彫る様式である(「堆朱」は同様に朱漆を彫る)。「恋忘貝」のうたと貝が蓋に彫ってある。貝のエッジやぬめり、蓋まわりの四角い文様の目立ち方など、象谷とほかの作品とで趣味が異なっている。

毎回、漆の質感に目を奪われる。爪を立てたくなる硬さの感覚とてかり、ぬめり。実際に手元に置いて触ってみたい。彫漆でも黒と朱ではずいぶん違う。細かい手の入り具合も凄い。タチアオイの花弁とがくをモチーフにした入れ物などは5年もかけて製作されたとある。

ぎろぎろと見ていると、美術館の方に、子ども向けのパンフをいただいた。「蒟醤」(きんま)、「彫漆」(ちょうしつ)、「存清」(ぞんせい)の技法についてわかりやすく図解してあった。


蒟醤」(きんま)


彫漆」(ちょうしつ)


存清」(ぞんせい)

今回もひとつ覚えで(他の店を探す余裕がない)、「源芳」と「かな泉」でうどんを食べた。東京にこんなうどん屋があったら嬉しいのに。「かな泉」のおみやげうどんを入手して帰った。


「かな泉」の海鮮かきあげうどん

●参照
讃岐の漆芸(1) 讃岐漆芸にみるモダン
讃岐の漆芸(2) 彫漆にみる写実と細密


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